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[90] 文脈の無い料理店 (お題:難しい) ボイラー室の主 2004/02/26(Thu) 11:00 [返信]

まるで冬が明けたような日差しが降る午後。
外の歩道を行き来する急ぎ足を眺めながら、
洋食屋「オリザ」の店長は、いつものようにタバコを吹かす。
相変わらずの毎日。変わらない日常。
店の壁には「日本語のできない方お断り」の文字。

(カランカラーン)

店長「・・・あ。」

男「ひとりね」

店長「なんでしょうか?」

男「だから、ひとり。」

店長「えっと、一人ですよ。私ひとりですが」

男「え?・・・レストランでしょ?」

店長「何がですか?」

男「いや、ここ」

店長「ここがどうかしましたか?」

男「いや、客なんだけど」

店長「え、お客様ですか?どこ?」

男「いや、ここ」

店長「ここはレストランですよ」

男「でしょ?やっぱそうだよね。やっぱレストランじゃん。あれ?」

店長「お客様?お客様、どちらですか」

男「だから、ここ。」

店長「わかってますから。ここはレストランですよ」

男「いやだから、客がここにいるって」

店長「どこですか?」

男「オレ、オレ。」

店長「フラメンコお上手ですね」

男「違くて、オレだって!」

店長「オレさんというお名前なんですか。はじめまして」

男「いや、オレ、客。」

店長「下の名前が『キャク』さんとおっしゃるんですか。変わってますね」

男「だから!オレが、客だ、って言ってんの!」

店長「あ、お客様だったんですか!いらっしゃいませ!」

男「遅!!」

店長「はじめからそう仰って下さればよろしかったのに」

男「いや、わかれよ!客商売だろ!」

店長「しかしですね、もしかしたらですよ。
もしかしたらアコムの取立ての可能性もありますし、
アムウェイかなんかの訪問販売の人かもしれませんし、
生き別れの双子の弟の確立も否めないじゃないですか」

男「否めるよ!もういいから、メニュー」

店長「メニューさーん」

男「誰だよ!」

店長「いや、お呼びになられたので、いるのかなーと」

男「いないよ!何人だよ!そうじゃないよ、あるでしょ、メニュー!」

店長「ありますよ」

男「見せて」

店長「これがですね、私の小学校の娘の写真なんですが」

男「お前の家族の写真なんか見たくないよ!メニュー!」

店長「メニューさーん」

男「・・・いいからちょっとメニュー見せろって言ってるの!」

店長「どうぞ」

男「チラッとかよ!もっとじっくり見してください!」

店長「ほら、この真ん中の子なんですが」

男「可愛いのはわかったから、メニューをじっくり見せて下さい!お願いします!」

店長「どうぞ」

男「なんかむかつくなぁ。えーっと、じゃあハンバーグ定食」

店長「はい?」

男「だから、ハンバーグ定食」

店長「ハンバーグ定食さーん」

男「人名から離れろよ!ハンバーグ定食下さいって言ってるの!」

店長「ああ、ハンバーグ定食ですか。ありませんよ」

男「え?」

店長「だから、ハンバーグ定食はありません」

男「何で?」

店長「それは私にもわかりません」

男「だって、メニューに書いてあるじゃん!ほら」

店長「それは隣の店のメニューですよ。ほら、表紙見て。」

男「あ、本当だ。そうかなるほどね〜っとでも言うと思ったかコノヤロウ!」

店長「そんなこと思いませんよ」

男「・・・いいから。この店のメニューが見たいの。オレ」

店長「あ、そうなんですか。それならそうと言って下されば」

男「いいからちょっと見せて」

店長「どうぞ」

男「お願いだから、たっぷり見せて。」

店長「これがこの子の運動会の時の」

男「この店の、メニューを、たっぷり、見せて。」

店長「どうぞ」

男「・・・なんか疲れるな。って、ハンバーグあるじゃねえかよ!」

店長「ございますよ」

男「だってさっき・・・」

店長「ハンバーグ定食はございませんけど。」

男「・・・じゃあ、ハンバーグ」

店長「かしこまりました。いきますよー」

(ベチャッ)

男「イタッ!何すんだよ!」

店長「え?ハンバーグをぶつけて欲しかったのではないのですか?」

男「違うよ!ぶつけられて喜ぶヤツがいるかよ!」

店長「私の友人に『女性に叩かれる』のが好きな方がおりまして」

男「お前の友人関係なんか知りたくもないよ!」

店長「おかしいな・・・。それじゃあ、なすりつけて欲しかったんですね!」

(ヌチャヌチャ)

男「いやぁ、このぬるぬるがお肌のコラーゲンを・・・ってバカッ!」

店長「ノリツッコミですか」

男「ほっとけ!」

店長「かしこまりました」

男「オレは、ハンバーグが、食べたいの!」

店長「あ、そうだったんですか!」

男「そうだったんです!」

店長「そうですかー」

男「そうなんです」

店長「それはそれは」

男「ええ、ええ」

店長「あっはっは」

男「えっへっへ」

店長「・・・・・・」

男「・・・・・・」

店長「・・・・・・」」

男「・・・・・あのう、ハンバーグ下さい。って言えばいいんでしょ?」

店長「かしこまりました、少々お待ち下さい」

男「・・・・・・(ため息)」

店長「お待たせしました」

男「早っ!そして生っ!」

店長「生ですね」

男「焼けよ!」

店長「焼いた方がいいですか?」

男「食えねえだろ、焼かなきゃよ!」

店長「あ、食べる気だったんですか」

男「食べる気だったんです!焼いて下さい!」

店長「かしこまりました」

男「・・・・・・」

店長「どうぞ」

男「熱っ!なに、このフォーク熱っ!」

店長「焼きフォークは大変熱くなっておりますので、
ヤケドしないように気をつけて下さいね」

男「あっはっはっは」

店長「えっへっへっへ「」

男「オレは焼いたハンバーグが食べたいのでハンバーグを焼いて下さい!」

店長「かしこまりました」

男「・・・・・・・」

店長「・・・・・・・」

男「・・・・・・・」

店長「・・・・・・・」

男「・・・・・・・あのぅ」

店長「なんでしょうか」

男「まだ焼けないんですか?」

店長「焼けてますよ?」

男「・・・・・・持って来て下さい」

店長「かしこまりました」

男「黒コゲじゃん!」

店長「黒コゲですね」

男「食えるか!」

店長「だってさっき焼いたハンバーグを食べたいって」

男「こんがりと焼いて下さい!!」

店長「フォークですか?」

男「ハンバーグ!!」

店長「かしこまりました。いきますよー!」

(ベチャッ)

男「・・・・・・もう帰る。」

店長「お帰りですか。投げハンバーグがお二つ、生ハンバーグがお一つ
なすりつけハンバーグがお一つ、黒コゲハンバーグがお一つ、焼きフォークがお一つで、
しめて3200円になりま」

(カラカラカラカラーン バタン!)

よく熟れた夏みかんのような夕日が射す日暮れ。
外の歩道を我が家へと帰る人々を眺めながら、
洋食屋「オリザ」店長は、いつものようにタバコを吹かす。
相変わらずの毎日。変わらない日常。
店の壁には「日本語のできない方お断り」の文字。



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[89] Re[58][35]: 慣用表現 (お題:難しい) 橋川桂 2004/02/26(Thu) 10:24 [URL] [返信]

「メイク・ドラマ」
劇的な大逆転をなしとげること。例)1996年の巨人。

「リメイク・ドラマ」
二匹目のドジョウを狙って失敗すること。例)2003年の巨人。

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[88] 日本語 (お題:難しい) 凡人 2004/02/26(Thu) 08:48 [返信]

「汚職事件」と「お食事券」は聞いても区別が付かない。難しい。

「完成」と「慣性」と「感性」と「歓声」と「閑静」と・・・・・
は聞いても区別が付かない。難しい。

「新しい」の時は「あたら」なのに「新な」の時は「あらた」だ。難しい。

「ついじゅう(追従)」と「ついしょう(追従)」は同じ字だ。難しい。

「はげ(禿げ)」と「ちび(禿び)」は同じ字だ。難しい。

「からい(辛い)」と「つらい(辛い)」は同じ字だ。難しい。

「れいはい(礼拝)」と「らいはい(礼拝)」は同じ字だ。難しい。

「こうふ(工夫)」と「くふう(工夫)」は同じ字だ。難しい。

「こおろぎ(蟋蟀)」と「きりぎりす(蟋蟀)」は同じ字だ。難しい。

「ひすい(翡翠)」と「かわせみ(翡翠)」は同じ字だ。難しい。

ローマ字表記できない「ヴ」とかがあるのは難しい。

ISOでヘボン式のローマ字表記は否定されたのに、まだ使う技術者がいるのは不思議だ。難しい。

訓令で公式文書のローマ字表記はヘボン式が否定されたのに外務省がパスポートの名前にヘボン式を半強制しているのは不思議だ。難しい。
「五十嵐さん」がアメリカ人に「アイガラシ」と呼ばれ続けるのがイヤになって、
「egarashi」と改名したら「イガラシ」と呼んで貰えるようになったのってどうよ。

敬語に丁寧語・尊敬語・謙譲語の三種類もあるのは難しい。

それどころか、学校では古文まで教えるよ。難しい。

地方地方に方言があって、他の地方にはない形容詞とか有るのは難しい。
福井弁の「おぜぇ」とか「もつけねぇ」とかどうよ。

世代によって通じないほど言い回しが違うのは難しい。
「ちょべりば」ってどうよ。

それどころか、職種によっても符丁があるのは難しい。
「触手によって不調がある」って出てくるうちのIMEってどうよ。

だれか私に日本語を教えてください。


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[87] Re[45][44][43]: 今月号の目次 (お題:面白い) dream99 2004/02/26(Thu) 05:20 [URL] [返信]


特集:母の日に送る、ピアノらくらく超絶料理  18
★白鍵盤のクリームコロッケ       24
(1) 白鍵盤は金槌で粉々に砕き、パン粉カップ1/2、フケ1、唾液1、涙少々、
爪と爪の垢1年分を加えてよく混ぜます。
(2) (1)を 8等分して、小判形に丸めます。
(3)(2)に残りの唾液をつけ、へそのゴマとパン粉カップ1/2をまぶします。
(4) 鼻の油を中温(170度C)に熱し、白鍵盤が茶色になるまでカリッと揚げます。

★黒鍵盤寿司    32
(1) 黒鍵盤は炊く30分間前に外して砕き、水の入ったボールに水虫の菌と一緒に漬けておきます。
(2) ペダルとハンマー、弦は洗って5cm角に電動ノコギリで切り、まわりに1〜2か所ずつ
鼻血と鼻水を擦り込んでおきます。
(3) (2)にウオの目を加え、黒鍵盤とともに電気釜で普通に炊きます。炊きあがったら、
蒸らして、合わせ唾液を混ぜます。
(4) 器に綺麗に盛り、目ヤニ、耳垢、お尻の毛を彩りよく散らします。


★新刊紹介:「ピアノマザーは人類の宿敵」(矢田文)  56
★付録「図解・子供でも簡単!ピアノのバラシ方」 
------------------------------------------
ピアノヘイターの情報誌「カーチャン、アタシャピアノキライナンダヨー」
音楽之敵社

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[86] どうしたらいいのかわかりません。 (お題:難しい) 凡人 2004/02/26(Thu) 02:19 [返信]

前略、議長様

むずかしい、を、お題に面白い話を書くんでしょうか。
ずいぶん考えたんですが、なんにも良い考えが浮かびません。
かんがえかたがまだまだ足りないって事でしょうか。
しかし、逆の方を選ぶと大変ですね。
いくらなんでも、「面白い」をお題に難しい話を書いて、それが面白いのはちょっと。

あれ?、「面白い」をお題にした時は面白くなくてもいいんですっけ?
あ、そうか、「面白い」をお題にした時は難しい話にしなくても良いんですね。
おもしろい、をお題に面白い話を書くのはきっと難しいと思います。
もっと、こう、なんていうか、そういう努力は別の方向に向けた方がいいですよ。
しかも、そのほうが世のため人のために、、、ならないですね。すいません。
ろくでもないこと考えてないでネタでも考えてた方がいいかもしれません。
いつも、こうやってメタな事考えてるからなかなか参加できないんでしょう。

ところで、レスですけど。「面白い」をお題にするのは勇気がいります。
言うのは簡単なんですけどね。でも「面白い」と思って貰うように書くのは「難しい」です。
わからないことは人に聞くのが一番だというのが信条なので率直に聞きます。
レスが欲しい人は「面白い」をお題にした方が有利なんでしょうか?
たとえば、投票して貰えなくても、レスがつけばそれだけで嬉しいですよね。
いくつもレスがつけばさらに嬉しいです。

さいごにもう一つ。
バナナはおやつに入りますか?


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[85] あんたいつまでやってンのッ! (お題:難しい) アッシュ 2004/02/26(Thu) 00:38 [返信]

<難易度設定>

[EASY]
敵の攻撃力・弱/敵の耐久力・柔/敵の速度・遅/自機耐久力・敵の攻撃を2回まで防御

[HARD]
敵の攻撃力・強/敵の耐久力・硬/敵の速度・速/自機耐久力・敵の攻撃を1回だけ防御

[SUPER HARD]
敵の攻撃力・激強/敵の耐久力・鋼鉄/敵の速度・超速/自機耐久力・即死

[ULTRA HARD]
敵の攻撃力・フライパン
敵の耐久力・3時間怒鳴り続けても平気
敵の速度・絶対逃げられない
自機耐久力・痛いいたいイタイ母ちゃんやめてもうダメもう死ぬ


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[84] 京都の住所 (お題:面白い) ボブ田 2004/02/26(Thu) 00:09 [返信]


○ 登録情報 確認 ○


 お客様のお申込み情報は下記のとおりです
 よろしければ送信ボタンをクリックしてください


氏名(漢字) [ 骨川 脛蔵 ]

氏名(カナ) [ ホネカワ スネゾウ ]

電話番号   [ 090−893−5814 ]

住所     [ 京都市右京区懇願寺蛸壺小路笑ウ ]


   




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[83] ただしお題は「難しい」でね (お題:面白い) きーむん 2004/02/25(Wed) 23:34 [返信]


  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
  |  次で面白いこと言って!  |
  |______________|
      ∧∧.||
     ( ゚д゚)||
     /  づΦ

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[82] 夢のロケット発射! (お題:難しい) きーむん 2004/02/25(Wed) 23:13 [返信]

失敗の続く国産ロケット打ち上げに終止符を打つべく、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、
新たに設計されたH-IIA(H2A)7号機の打ち上げ計画を発表した。
成功すれば有人のロケット計画として国内初となる。

前回のH2Aロケット6号機打ち上げ失敗の原因となったロケットブースターに関して、
外部より専門家を呼び、新規に設計をしなおしたと高橋裕之JAXA理事長。
招かれたのは、東淀川大学工学部航空宇宙雑学科教授の坂口正敏氏。
搭載予定の人工衛星「AMATERAS」の設計も担当した。

「素人の方に理解してもらうように話すのは難しいが」と坂口氏の語ったところによると、
ロケットブースター、および搭載予定の衛星の動作原理はパイロットも兼ねる氏の精神波とのこと。
念の力を強めることにより振動する精神感応モーターを用い、
増幅されるオメガエネルギーをシグマ空間に展開、
量子化した坂口氏の精神は前世の記憶に導かれロケットを衛星軌道にのせることができる。

精神感応モーターは失われた古代文明の技術を応用しており、
既存のモーターの約20倍の出力を持つ。
また搭載される人工衛星「AMATERAS」にも同様のモーターが内蔵されており、
モーターにより増幅された精神波を集中することで、氏命名「オメガレーザー」を照射する。

オメガレーザーは聖書に現れるソドムとゴモラの町を滅ぼした神の火と同等、
そのためチンギス汗、ナポレオンはもとより、
現代に入ってもナチスドイツ、NASAが研究を続けていたとのこと。
(以上、坂口氏の発言ママ)
坂口氏は研究を続ける間、何度も「組織」に命を狙われたのだと苦労話を語った。

「外部からの専門家の意見を尊重し、実際に計画を進めることで、
国民の皆さんにもロケットの打ち上げがいかに難しいか知ってもらいたい。
嘘を嘘と見抜けないとロケット開発は難しい」
と高橋JAXA理事長。

その後会場には坂口氏の母、主治医などが現れ、煽り騙りが横行、
有志により会場横で行われたヲチ会を含め、多いに盛り上がったが、
すべての質問を受け流した坂口氏は、
「徹夜が続いたとき、念じれば空も飛べるような気がした経験を持つ人も多いはず。
私が念じればロケットだって飛ばせる」と自信を覗かせた。

さらにJAXAの高橋理事長によると、無事生還後は坂口氏の受信感度の高さを生かし、
地上での衛星電波受信アンテナに就任することが予定されており、
必要とあればオメガレーザーの攻撃目標を視認できる位置まで移動することもあるとのこと。

今回の計画には宇宙関連事業は非軍事目的に限るとしてきた長年の方針に反するものだが、
国内から批判の声もさほど上がっていない。

宇宙開発には夢があるものの巨費がかかる。
さらに失敗が続けば「宇宙開発体制を縮小せよ」の声が出てこないとも限らない。
関係者はそのことを十分頭に入れ、難しいのはわかるが原点に返って出直しを図ってもらいたい。


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[81] Re[9][2]: 動物化するポストモダンと山猫 (お題:難しい) 古賀 2004/02/25(Wed) 23:05 [URL] [返信]

神が死んだあとにぞろぞろとあらわれたインテリの言葉はどれもこれもじつに難解でした。
「現代思想ももうそろそろマンネリだぞ。いい加減に誰が1番えらいのか決めたらどうだ」
山ねこがすこし心配そうにそれでもむりに威張って言いますと、インテリどもは口々に叫びました。
「なんといったって学生にはさっぱりわからない難しいスピーチをする東大総長がいちばん
えらいのです。そしてわたしがその総長です」
「いいえ、ちがいます。外部です。外部だの他者だの言って皆をけむに巻く私が一番えらい
のです」
「ポスト構造主義だよ。構造主義からポスト構造主義への流れを簡潔に整理した私が一番
えらいんだよ」
「社会学だよ。社会学は何でも説明できるから社会学者が一番えらいんだよ」
「そうでないよ。わたしのほうが後継者だと、きのうも小室先生がおっしゃったじゃないか」
「だめだい、そんなこと。大衆だよ。大衆の原像をとりこんだ方がえらいんだよ」
「オタク論のえらいひとだよ。オタク論を書いてきめるんだよ」
もうみんな、がやがやがやがや言って、なにがなんだか、まるで脳梅毒にかかったニーチェ
の頭の中みたいに、わけがわからなくなりました。
「よろしい、しずかにしろ。申しわたしだ。このなかで、いちばんえらくなくて、ばかで、めちゃ
くちゃで、てんでなってなくて、アポロの月着陸を捏造だと考えているようなやつが、思想家
の中でいちばんえらいのだ」
インテリは、しいんとしてしまいました。それはそれはしいんとして、堅まってしまいました。


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