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山間の静かな町である押方市は、昨年の10月、大きく揺れた。
当時の収入役を中心とした一部の職員による巨額の裏金づくりが発覚したの
である。収入役ほか多くの職員が逮捕された。当然ながら町長である、村越
一三市長（53）の関与も疑われた。村越市政は6期24年の長期政権であり、市
政を私物化しているという批判も強かった。収入役を任命した村越市長が裏
金の存在を知らないわけが無い―――市議会野党の追求は強まった。
村越市長は選挙で信を問うとして辞職し、市長選挙が始まった。全国からの
注目が集まる中、市議会野党は統一候補を立て、市政の情報公開、裏金の真
相の徹底追究、など透明性の高い市政の実現を呼びかけた。
しかし、それに対抗する村越市長の戦術は驚くべきものであった。
――隠し事のある街づくり――。今までに無い、このキャッチフレーズは、
有権者達に大きな衝撃を与えた。 透明性のある、公開された街なら、どこに
でもある。ならばその逆の隠し事だらけの街を作れば、この押方市は世界で
唯一の街になるのではないか―――。村越市長の７選は、この時点ですでに
決定付けられていた、といってもよいだろう。
あれから一年、押方市は大きく変わった。現在では市役所を見つけるのも
至難の業である。市民以外が市の領域を見つけるのもほぼ不可能に近い。
300人規模の山狩りをして、3日後にようやく見つけた押方市民の若山源蔵
さん（23）はこう語る。「最初は戸惑いも大きかったですが、現在ではこの
生活を楽しんでいます。昔、かくれんぼをしていると、隠れているだけなの
になんだか楽しくなってきますよね。あれと同じです。」そう語っている若
山さんの姿は、大量の砂が降りそそいであっという間に隠されていった。
「隠したことで、かえって市民の連帯感が強くなった。」角砂糖をなめる村
越市長の顔には、市政への自信がみなぎっていた。「今まで市という存在は
目には見えていたけれど、日常となってしまっているがためにかえって無関
心になってしまっていたんです。隠されたものを見つける、誰だってわくわ
くするでしょう？そのわくわくを、市に対してもってもらう、それが、私の
やりたかったことなのです。」
市長の言葉を裏付けるように、投票率98％（投票箱を発見できた者のうち）
という驚くべき数値をはじき出した今年の夏の市議会選挙では、与党が大き
く議席を伸ばした。村越市政は市民に認められたといってもいいだろう。
認めたのは市民だけではない。全世界からの観光客も大きく増加した。土中
土産物屋の件数では世界一となり、ギネスブックにも掲載された。単なる一
地方都市から、世界の「オシカタ」となる日も近い。そんな声も土中から聞
かれる。観光産業の発展で税収も大きく増加し、破綻寸前であった市の財政
は大きく好転した。また、財政好転には毎月の給料を隠して支給する行政改
革も大きな貢献があったとの見方もある。毎月25日に街中を掘り返す市職員
の姿はすっかり市の風物詩になった。
このような、たった一年での市の大きな変化―――。まさに、「マジック」
である。村越市長はどんな手品を使ったのだろうか。いや、手品ではない。
透明性、情報開示が叫ばれる行政の流れの中で、あえてそれに
逆らうことで、存在感を作り上げる―――。これもまた、新しい市政の形で
はないのか―――。左足のトラバサミを引きずりながら洞窟へと消えていく
村越市長の後ろ姿に、そんな思いを強くした。

大友家第二十三代大友時貞（仮名）８９歳は２３０年続く隠れキリシタンの名士の家系に生まれ、今現在も長崎市内で隠れキリシタンとしてさまざま活動を続けている。

大友時貞さんの朝は一枚の踏絵から始まる。
記者「辛くは無いですか？」の問いに、
時貞「正直辛いですが、ただ隠れキリシタンとしては避けて通れぬ道ですから」
記者「信仰の自由が保障された現在、何が一番の苦労でしょうか？」
時貞「最近の仏教徒の信仰心の希薄さで、阿弥陀如来像に模したマリア像がムシロ目立つ結果になり、非常に困っています。」
記者「世間の人との確執は無いのでしょうか」
時貞「実は隣の家の細川さんが２２８年続くころびバテレンの名士で、かれこれ２２８年いざこざが絶えなくて困ったいます。」
記者「本日はありがとうございました。最後に一言お願いいたします。」
時貞「記念館の売店で踏絵Ｔシャツや隠れキリシタンストラップ、木刀などの記念品を販売いたしております。一度お立ち寄りください。」

伊藤はドクターと向かい合い、固く拳を握り締めていた。

「・・先生、私の病気は、いったい何なんですか？」
「だから何度も言いますが、ただの胃潰瘍ですよ。伊藤さん、心配し過ぎは良くな」
「かっ！隠さないで下さい！かか覚悟はできているんです！」
伊藤が荒っぽくドクターに掴みかかる。
「伊藤さん」
「お願いです！どうか、本当のことを教えて下さい！」
泣きながら土下座する伊藤を見下ろし、ドクターは立ちすくんだ。

「わかりました。そんなにおっしゃるなら・・教えてあげましょう」

そう言うとドクターは、机の上のクリスタルの灰皿を動かした。
赤いスイッチが現れる。
ドクターは静かにスイッチを押した。
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
低い唸りが床を震わせ、重そうな本棚がぎこちなく左右に移動した。

現れたのは薄明かりの灯る、小さな部屋だった。

そこには柳沢奈緒子、水原暦、浅葱まりん、成瀬川なる、イヤミー、
山岸マユミ、うさだひかる、鳳凰寺風、サニス、保科智子・・
メガネを掛けた少女たちのありとあらゆる絵が、所狭しと飾られていた。
伊藤は息をのんだ。

「これでわかっただろう・・私は薄汚いメガネっ娘萌え萌え野郎なんだよ」
ドクターは寂しそうに微笑んだ。
目には涙が光っていた。
李 紅蘭の等身大フィギュアが、小首をかしげて彼らを見つめていた。

「・・で、あの」
「なんだね」
「私の病気は・・」
「ああ癌です」
「えっ、あっ」
「んじゃ次は水曜に来てくださいね。お大事に！」

（中堅電気機器メーカー、河原崎電機株式会社のとある企画会議の席上。石野
開発部長と、現場のリーダー役、太田課長が企画の最終案を練っている。）

石野「…しかし、わが社もいよいよパチンコメーカーとして本格的に参入する
わけだが、昨今特に開発競争が激化していると聞くし…。」

太田「ええ、確かにメーカー同士の開発競争は厳しいです。」

石野「それは、出玉の多さを競ってるということか？」

太田「いえ、規定がありますから、出玉はどのメーカのどの台も、さほど変わ
りありません。出玉よりはむしろ、その台の演出などがポイントですね。詳細
なレポートは、こちらの資料にまとめてあります。」

石野「おお、そうか。さすが太田君。君とこの部下たちはリサーチが早いな。
早速、聞かせてくれ。」

太田「…はい。まず、知名度のある人やキャラクターを使ってるケースが多い
です。」

石野「例えば、どんな人が起用されているのだ？」

太田「最近の例ですと、美川憲一と小林幸子の共演、梅宮辰夫と松方弘樹の共
演、北島三郎、和田アキ子、蛭子能収、志村けん、加藤茶、浜田幸一、ピンク
レディー、中村玉緒、ダチョウ倶楽部、間寛平などの吉本タレント、飯島愛、
ＣＣガールズ、ブルース・リー、…。」

石野「ずいぶん多いんだな。スポーツ系の選手とかもいるのか？」

太田「この分野では、丸山茂樹やアジャ・コング、ジャイアント馬場、ですね。」

石野「馬場も出てるのか…、ってことは猪木は？」

太田「猪木はパチスロで出てます。ついでにいうと、ボブ・サップもジェロム・
レ・バンナも橋本真也もパチスロになってます。」

石野「うーん、そうか…。ちょっと方向を変えよう。テレビとか映画なんか、
どうだ？」

太田「あー、これも多いですよ。実写ものだと必殺仕事人や西部警察が代表的
です。あと、実写じゃないですが笑点も。変わったところでは、サンダーバー
ドや、筋肉番付、出前一丁のＣＭキャラなんてのもありますね。」

石野「何でもあるんだなあ。」

太田「映画はテレビとタブるものも多いですが、バックトゥーザフューチャー、
バットマン、スパイダーマン、ジュラシックパーク、Ｅ．Ｔ．、ゴーストバス
ターズ、釣りバカ日誌、男はつらいよ、ウルトラマン、ゴジラ、ガメラ、…」

石野「ちょっと待て。ウルトラマンとかゴジラ、ガメラって、全部同じメーカ
ーが出してるのか？」

太田「いえ、３つとも別々のメーカーです。」

石野「開発競争というか、版権の争奪戦だな。漫画やアニメ系はどうだろう。
これもかなり激戦区なのか？」

太田「そうですねえ。サイボーグ００９、シティーハンター、北斗の拳、キン
肉マン、ハイスクール奇面組、コブラ、うる星やつら、天才バカボン、まいっ
ちんぐマチコ先生、忍者ハットリくん、マジンガーＺ、巨人の星、静かなるド
ン、ゲゲゲの鬼太郎、ダーティペア、じゃりン子チエ、嗚呼！花の応援団、笑
ゥせぇるすまん、ゴルゴ１３、デビルマン、ハレンチ学園、いなかっぺ大将、
ど根性ガエル、ガッチャマン、ヤッターマン、ルパン三世、…」

石野「もういい。やり尽くされてるのは充分にわかったよ…ん？そうだ！例え
ばルパン三世を主人公にするんじゃなくて、銭形警部を主人公にする、といっ
たアローチで攻めてみる、というのはどうだ？」

太田「実は、それも既に使われた手法なんですよね。先程のルパン三世だと、
峰不二子がメインキャラになった台があります。あと、ヤッターマンに対して
は、パチスロですけどドロンジョを主人公にしたマシンがあります。」

石野「既にこれだけ色々バラエティに富んでるとなると、なかなか差別化は難
しいな。」

太田「そうですね。正攻法なタイアップでは、なかなかインパクトを与えるの
は難しいと思います。」

石野「正攻法…そういえば、映画は比較的有名どころが多かったよな？もう少
し、画の中でも有名どころの影に隠れた作品、みたいなところから攻めてみよ
うか。」

太田「例えば、どんなのから引っ張ってきます？」

石野「うーん、そうだな…Ｖシネマあたりから題材とってくるとか、どうだ？」

太田「パチスロですけど、ミナミの帝王がありますね。」

石野「そうなのか…。Ｖシネマからも題材使われてるのか…。ん！？」

太田「どうかしましたか？」

石野「実は…」

太田「えーっ、そ、そりゃ、かなりインパクトはありますけど…。」

石野「なーに、出玉はどうせ他の機種と大差無いわけだからさ。」

太田「そりゃそうですけど、でも、いきなりこのタイトルで発表するのって、
かなり…」

石野「大丈夫。確か、これ以外にもう一機種出すんだろ？表向きは、その機種
の発表会ということにしておいて、記者会見の途中で「実は、隠し玉としても
う一機種発表いたします。」として、そこで発表すればいいのさ。その方がイ
ンパクトもデカイし。」

太田「は、はあ、確かにそうですけどね…。」

（発表会当日。プレスリリース会場。河原崎社長の挨拶が始まる。）

河原崎「皆様、大変長らくお待たせいたしました。この度、弊社は「アミュー
ズウェーブ」ブランドを立ち上げ、パチンコ機「ＣＲゴッドハンド」の製造・
販売をもちまして、パチンコメーカーとして、市場に新規参入致します。詳細
な内容につきましては、弊社開発部長の石野より説明させて頂きます。」

（河原崎と入れ替わりに、石野と太田が壇上に上がる。）

石野「えー、本パチンコ機の開発を統括を担当しております、石野と申します。
そしてこちらが、今回のプロジェクトの現場責任者、太田であります。さて、
このたび弊社よりリリース致します「ＣＲゴッドハンド」におきましては、手
の形をした役物と液晶画面の連動により、手が図柄を隠す、手が図柄を掴む、
手が図柄を乗せるなど、多彩な動きを実現しており……」

（石野と太田のプレゼンテーションにより、一通り「ＣＲゴッドハンド」の説
明が終了し、これからプレス向けの試打が始まる…と思わせたところで、おも
むろに石野が口を開く。）

…えー、なお、最後になりますが、実は、弊社は本機以外にもう一機種、パチ
ンコ機をリリース致します。もう一機種というのは、昨今流行の、原作のタイ
アップものとなります。必ずや、皆様に大きなインパクトを与えること、間違
いなしの自信作でございます。

（タイアップものがあるなんて話、聞いてないぞ、とばかりに、報道陣がざわ
つき始める。微笑をこらえ、石野が「ＣＲゴッドハンド　　発表会」と書かれ
た看板の方に歩み寄る。よく見ると、看板の一部に紙が貼られていて、丁度
「ッドハンド」の部分の下は、何かの文字が隠されている状態。）

こちらの看板にご注目ください。その機種とは、こちらです！



（太田が紙をめくると、看板は「ＣＲゴト師株式会社　発表会」に変わった。）

Ｑ・答えが「恋」になるものに○をつけよ。
　また、そうでないものには正答を記入せよ。

１）不良少女＋隠れて人助け

２）委員長＋メガネをとると実はかわいい

３）スポーツ少女＋試合後人知れず涙

４）社長令嬢−母親＋本当は寂しい

５）転校生＋実は某国の王位継承者

６）裸＋エプロン

手を上げろ！軍警察だ！
隠れおおせるとでも思ったのか？
とっとと人質を解放しろ！
！
下手な真似をするな！次は壁じゃなくてお前の頭にブチこむぞ！
よし！しょっぴけ！
人質は、ひとり・・・ふたり・・・おい！情報だともう一人いたはずだぞ！
どこへやった？隠し立てすると痛い目を見るぞ！
おい！そんなところを指差してごまかそうたってそうはいかん・・・・ぞ・・・・？



・・ご家族の方にはお詫びの言葉もありません・・・
我々の重大なミスでした・・・
ほんとうになんと言うか、そのう、
おたくのご主人が、周囲の壁に瞬時に同化できるカメレオン男だという情報が
現場にいきわったっておりませんで・・・
ほんとうに何と言ったらいいのか

　私は、修学旅行のときに、禁止されているＸＢｏｘを持ってゆきました。ごめんなさい。
　自由時間に、ホテルの部屋でゲームで遊んでいました。ごめんなさい。
　先生に見つかりそうになったので、ＸＢｏｘを窓の外に隠しました。ごめんなさい。
　スーパーのビニールに入れて、手すりに結わいておいたら、いつのまにか下に落ちていました。ごめんなさい。
　落ちたＸＢｏｘが、残飯をあさりに来ていたクマにあたりました。ごめんなさい。
　怒ったクマが、ホテルに乱入しました。ごめんなさい。
　ホテルのロビー打ち合わせをしてた先生方にクマが襲いかかりました。ごめんなさい。
　田中先生が、腰を抜かしました。ごめんなさい。
　青木先生が、上田先生を盾にして逃げました。ごめんなさい。
　上田先生がクマに話し掛けました。ごめんなさい。
　上田先生がクマに殴られました。ごめんなさい。
　ホテルの人が警察を呼びました。ごめんなさい。
　クマがロビーのイスを壊しました。ごめんなさい。
　クマがロビーの机を壊しました。ごめんなさい。
　クマがロビーに掛けてあった、よくわからない絵を壊しました。ごめんなさい。
　上田先生が動かなくなりました。ごめんなさい。
　中山先生が外に逃げました。ごめんなさい。
　中山先生がＸＢｏｘにつまずきました。ごめんなさい。
　クマが外に出ました。ごめんなさい。
　中山先生が、ＸＢｏｘでクマを殴りました。ごめんなさい。
　クマが倒れました。ごめんなさい。
　警察の人が、中山先生を撃ちました。ごめんなさい。
　怒った中山先生がＸＢｏｘを警察の人に投げつけました。ごめんなさい。
　警察の人が、パトカーの陰に隠れました。ごめんなさい。
　中山先生と警察の人がにらみ合いになりました。ごめんなさい。
　猟友会の人たちが到着しました。ごめんなさい。
　中山先生が、クマを盾にしました。ごめんなさい。
　クマが「撃たないでくれ」と言いました。ごめんなさい。
　中山先生の寝たきりのおばあさんと、お父さんと、お母さんと、先月離婚した奥さんと、赤ちゃんが来ました。ごめんなさい。
　寝たきりのおばあさんが中山先生を説得しました。ごめんなさい。
　中山先生が「どうしてばあちゃんをつれてきたんだ」と言って暴れだしました。ごめんなさい。
　お父さんが中山先生を止めようとしました。ごめんなさい。
　中山先生がお父さんを殴りました。ごめんなさい。
　お父さんが倒れました。ごめんなさい。
　お母さんが、泣きながらお父さんにすがりつきました。ごめんなさい。
　クマが、「あんたみたいなひどい人間は初めて見た」と言いながら、間に割って入りました。ごめんなさい。
　クマが中山先生を突き飛ばしました。ごめんなさい。
　中山先生が、よろけたふりをして先月離婚した奥さんに抱きつきました。ごめんなさい。
　先月離婚した奥さんが、ものすごく嫌そうに中山先生を振り払いました。ごめんなさい。
　中山先生が、しつこく先月離婚した奥さんにすがりつきました。ごめんなさい。
　先月離婚した奥さんが、中山先生の顔を蹴りました。ごめんなさい。
　中山先生が、血だらけになりながら「子供と一緒にやり直そう」と言いました。ごめんなさい。
　先月離婚した奥さんが、「この子はあなたの子供じゃないから。」と言いました。ごめんなさい。
　赤ちゃんが、「おじちゃんきらい」と言いました。ごめんなさい。
　中山先生が泣きながら山に帰ってゆきました。ごめんなさい。
　修学旅行に、ゲーム機を持っていってはいけないと思いました。

共同のお風呂（温泉や銭湯など）に入るとき、どこを隠しますか？

１位　どこも隠さない　４３％
２位　股間　　　　　　３２％
３位　胸　　　　　　　１５％
４位　頭　　　　　　　　９％
（首都圏の男性１０８７人を対象に調査）

光　圀「よいか、水戸領内に住まいするものは、お互いに仲良く暮らさねばな。」
領民Ａ「黄門さま〜、お裁きはそれだけですかぁ？」
領民Ｂ「そうだそうだ！悪代官を成敗しないのですかぁ〜？」
光　圀「はっはっは、あれはの、お話の世界の事じゃ。」
領民Ｃ「黄門さま〜、そんなことをおっしゃって、他国の領民だけを助けて回って
いらっしゃるのではないのですかぁ？」
光　圀「い、いや、そんなことはないぞ。」
領民Ａ「ああ〜、今黄門さまは言いよどんだぞぉ〜。」
領民Ｂ「あ〜や〜し〜い〜ぞ〜。」
光　圀「こらっ！何をいうか！」
領民Ｃ「ああっ！黄門さまがお怒りになった〜。これはわしらが痛いところをつい
たからじゃあ〜。」
領民達「そうじゃあ〜、そうじゃあ〜！！」
光　圀「いや、そうではない、わしは怒ってはおらんぞ。誤解じゃ、誤解。」
領民Ａ「やはりやましいところがあるから怒ったりはできんのじゃあ〜。」
領民Ｃ「そうじゃあ〜、きっとそうじゃあ。」
領民Ｂ「あっ、あそこに座っているのは『うっかり八兵衛』じゃないかぁ〜？」
領民達「そうじゃあ〜、『うっかり八兵衛』じゃぁ〜！」
光　圀「これ！あれは高橋元太郎に似ているが、祐筆の奥田政右衛門というて、わ
　　　　しの家来じゃ。」
奥　田「わ、わしが『うっかり八兵衛』じゃと！お、おのれ農民の分際でっ！」
光　圀「奥田、奥田っ！こらえい、領民の戯れじゃ。」
領民Ａ「正体を見抜かれたから八兵衛が怒っておるぞぉ！」
領民Ｂ「なだめ役の格さんの出番じゃな。」
領民達「そうじゃあ、そうじゃあ。格さん、か〜くうーさん、か〜く〜さん。」
光　圀「あ、これこれ手拍子は止めんか。今渥美は腰の病で臥せっておるでな。」
領民Ｃ「そんなことを言って、本当は諸国の情勢を探っているに違いないだ。」
領民Ａ「わしら水戸の領民はいつも後回しにされるだ。」
領民達「ああ、この世には神も仏もないだぁ！」
光　圀「あああ、そんな風に突っ伏しては着物が汚れる。それに当藩においては年
貢も賦役も正当に行われているはずだぞ。」
領民Ｂ「黄門様は、わしら下々のことなど、まったく知ねえだよ。」
領民Ｃ「郡奉行は悪者だと決まっとるだよ〜。」
光　圀「いや、今の郡奉行はよく知っておるが、そんな悪人ではないぞ。」
領民Ａ「はは〜ん、これはわしらを一旦引き下がらせて、郡奉行を油断させ、一網打
尽にするお積もりだなや。」
領民達「んだ、んだ。」
領民Ｃ「黄門様、このことはわしら口が裂けても言いませんだ。」
光　圀「いや、お前達、なんと言えばわかるのかのう？郡奉行はいい人間だし、ここ
　　　　しばらく水戸藩は平穏無事じゃし。」
領民Ｂ「あっ！今屋根で何か動いたぞ！」
領民Ｃ「飛猿じゃあ！」
領民Ａ「弥七かも知れんぞっ！」
光　圀「だからっ！そういった人物はいないのっ！」
領民Ａ「お銀はどこじゃあ？わしゃあお銀のファンじゃからのお。」
領民達「そうじゃあ、お銀を出せ〜っ！」
光　圀「だからお銀もいないのっ！」
領民Ｂ「大丈夫ですだ、これはわしらと黄門様だけの秘密ですだ。」
領民達「んだ、んだ。」
光　圀「わかった、わかったからお前達ももう帰るがよい。」
領民Ｃ「あ、黄門様、何震えてるだぁ？」

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領民Ａ「ああ、黄門様からかうと面白いだなや。」
領民Ｂ「来週も公事ごとつくって、また黄門様からかいさ行くだ。」
領民Ｃ「黄門様、真面目だから面白いだなや。」

光　圀「あやつら、聞こえているというに！」
奥　田「大殿、よく我慢なさいましたなあ。や、この奥田、感服仕りました。」

領民達「♪人生楽ありゃ苦もあるさ〜、っと。」
領民Ａ「黄門様も多少の苦労を知らねばいい為政者にはなれないだなや。」
領民達「んだ、んだ。（大笑）」

光　圀「く、くそっ！」
奥　田「大殿っ！抜いてはなりませんぞ、抜いてはっ！」
光　圀「奥田っ！酒じゃ、酒じゃあ！！」

　東京医家大学病院（東京都足立区）で今年８月、男性患者の盲腸手術をした際、医師が患者を取り違えていたことが分かった。二人目の手術直前に気づき、以後は適切な処置を施したため、二名の患者の容体に問題はないという。東京都に医療ミスとして報告した。鳩山田権三病院長らはこの日、記者会見して陳謝した。

　病院側と都によると、取り違えがあったのは、慢性盲腸の男性Ａさん（４８＝会社員）と急性盲腸の男性Ｂさん（４２＝指定暴力団構成員）の二人。Ａさんは検査時、慢性盲腸の他に尿管腫瘍と診断されており、背側から内視鏡を入れる後腹膜鏡下手術を予定していた。

　この日、最初の手術はＢさんの盲腸切除を予定していた。しかし看護婦はカルテを間違えてＡさんに手術の準備を促した。Ａさんも慢性盲腸を患っていたことから、担当の医師はこの取り違いに気づかず、そのまま手術を終えてしまった。

　この手術の次に、Ａさんの本来の手術が予定されていたのだが、看護師が勘違いしたまま、今度はＢさんを促して手術の準備をした。担当の医師は、患者の背側切開予定面に唐獅子牡丹の一部があるのを確認し、「これはさきほど手術したはずのＢさんだ」とようやく気づいて、俺はとんでもない事をしてしまった、華やかだった医師人生ももはやこれまで、アディオス！不健全で晴れやかなる学閥社会よと泡を吹きながら卒倒。しかし通りすがりの無免許医師が春風のような手捌きで患部を切除し、名も告げず立ち去ったので、事なきを得た。

　病院側はＡさんの尿道腫瘍について、術後の経過を見ながら再び手術の予定を組むつもりでいたが、その後尿道腫瘍にあたる症状も表れず、これはどうやら糖尿による気泡の影と薬剤熱のせいで誤診しちゃったみたいですぅ、との結論を下したという。

　病院は先月１１日、この医療事故を東京都に報告したが、都は受理を拒否。しかし、マスコミに嗅ぎ付けられて「ミスを隠していただろう」と叩かれるのも嫌だったので、先手を打ってこの記者会見を開いた。

　鳩山田院長は「事故だと思うんだけどなあ。結果はともあれ取り違いをしたことは事実だし。今後、詳細な調査と原因究明をし、なんとしても都の受理を求めたい」としている。