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[夜32] お昼時 詰めにくい 2003/07/17(Thu) 17:05 [URL] [返信]

正午になりました。お昼のニュースをお伝えします。

けさ8時ごろ,東京の温泉旅館で集団食中毒が発生,団体客140名が嘔吐などの症状を
訴え,うち62人が入院しました。食中毒が発生したのは東京都渋谷区の温泉旅館
「硫黄臭」で,朝食を食べた直後,あちこちから下痢やおう吐、腹痛などの食中毒
症状を訴える声があがりました。中には我慢できずにその場で吐いてしまうなど
する人もおり,あたりには一時異臭が立ち込めました。62人が入院しましたが、
全員快方に向かっているということです。現在東京都生活衛生局では原因を調べて
います。

大阪市の路上で,バキュームカーの運転手がハンドルを誤り,近くのカレー店に激
突,大破する事故がありました。けさ11時40分ごろ,大阪市北区の路上で,川谷聡
運転手(42)の運転する大阪市下水道局のバキュームカーが,ハンドル操作を誤り,
近くのカレー店「黄色屋」に激突し横転,タンクが破裂しました。この事故で,川
谷運転手が全治1ヶ月の大けがを負ったほか,カレーショップ「黄色屋」も大破し
ました。当時,カレーショップ「黄色屋」には10人の客がいて,いずれもケガなど
はありませんでしたが,事故現場には一時異臭がたちこめました。カレーうどんを
食べていた東大阪市のサラリーマン,大野健蔵さん(32)は,「突然バキュームカー
が飛び込んできて破裂したので驚いた。カレーは好きなので明日からでも営業を再
開してほしい」と話していました。

さて,季節の話題です。福岡市の福岡植物園ではウコンの花が満開で,訪れる人の
目を楽しませています。

ええ,大変失礼いたしました。映像が間違っておりました。お詫びいたします。

お昼のニュースでした。


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[夜31] 不明 やゆよ 2003/07/17(Thu) 15:05 [返信]

まず角膜の乾燥・混濁状況を調べようとしたが、死体の損壊が激しく
確認できなかった。
次に直腸内温度を調べようとしたが、死体の損壊が激しく、やはり確
認できなかった。
このため死班がどれだけ生じているかを調べようとしたが、死体の損
壊が激しく、これも確認できなかった。
最後に死後硬直の程度を調べようとしたが、死体の損壊が激しく、当
然確認できなかった。

従って、死亡推定時刻は「不明」である。

       ―――――――カリオストロ法医学会の公式見解

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[夜30] 越年 とびを 2003/07/17(Thu) 14:47 [返信]

女「あ、除夜の鐘。 聞こえる?」
  
ご〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

ご〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

ご〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

女「年越しH?
  何馬鹿なこと言ってんのよ。
  やだ〜。
  もう。
  しょうのないひと。うふふっ」

ご〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

ご〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

ご〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

ご〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

ご〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

ご〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

ご〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。

女「このテンポかいっ!」

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[夜29] その影 ナマクラ 2003/07/17(Thu) 13:18 [URL] [返信]

ここ山田藩城下の村では、橋の架け替え工事が行われていた。近隣の村か
ら集められた農民たちが、照りつける太陽の下褌一丁でもっこを担ぎ忙しく
立ち働いている。

「皆の者、作業ははかどっておるか? 手抜きは許さぬぞ」
「えー、お役人様」
「何じゃ?」
「ぼちぼち飯の時間だで、一服させてもらいてえだよ」
「何を申すか。まだまだ正午には間があろうぞ。」
「うんにゃ、確かにそうですだ」
「どうせ適当なことを言って怠けたいだけであろうが」
「そんなことはねえだ」

ゴォーーン・・・ゴォーーン・・・

「ほれほれ、寺の鐘も鳴っとるだよ」
「やや、これは拙者の見当違いであったか。よし、昼食にしてかまわぬぞ。
しかしその方らは勘がよいのう。よくそれだけ正確に時がわかるものじゃ」
「なあに、造作もねえこんだ。ほれ、あれの影が六角岩のところまで来たら
ばちょうど昼飯時っちゅう寸法だぁよ」
「どれどれ・・・ほぅ、裏山に何か建っておるな。なるほど、あれを日時計
代わりにしておるわけか。うまいことを考えたな。
・・・まてまて、ところであれはいったい何じゃ? 櫓のような塔のような
煙突のような・・・これその方ら! 何だか知らぬが、城の許可なくあんな物
を建てるのは御法度であるぞ!」
「滅相もねえ。わしらが立てとるわけではねえですだ」
「その方らでなければ、いったい誰が建てたというのじゃ!」
「裏山に住んどるダイダラボッチ様が昼寝をしとるだよ」


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[夜28] 社会人である前にひとりの人間である でっどうるふ 2003/07/17(Thu) 11:01 [返信]

12時になりました。
どうせみんなみのかタモでしょうが、お昼のNHKニュースです。

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[夜27] 怨ミ骨髄ニ達スル。 みじお 2003/07/17(Thu) 09:41 [URL] [返信]

 
オ題ガ気ニナツテ真夜中モ眠レズ真ツ昼間モ眠レズコノママデハ生命ノ危機ニ頻スル故今カラ早速議長ヲ刺シニ伺イマスノデヤアヤアヤア草々
 

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[夜26] 山田クリニックより みじお 2003/07/17(Thu) 09:21 [URL] [返信]



■■■痔の解説■■■

●いぼ痔
 肛門の外側に血栓が炎症を伴う外痔と、肛門の内部の直腸の静脈がうっ血した内痔。

●切れ痔
 肛門が硬い便などで裂けて傷になった痔。

●穴痔
 肛門脇の穴から膿(うみ)が出る痔。痔瘻(じろう)。

――以上を総称して、「3大痔疾患」といいます。肛門疾患全体の90%を占める痔です。
――また、これらに付け加えて、近年は以下のような9種の症例分類が一般的です。

●幹痔
 炎下位(えんかい)で予約・司会・太鼓持ち・集金し、一発芸で時に肛門を露出する痔。

●怒痔
 肛門脇でバナナの皮ですってんころりん、自分が悪いのにぷんぷんっ、という痔。

●マン痔
 男性は肛門「*」が「卍」に。女性はマン(以下略)。

●も痔も痔
 肛門が赤面し体をくねらせながら上目づかいに媚を売る痔。

●ゑ痔尊
 臀球(でんきゅう)を発明した99%が汗の痔。

●痔らー血
 肛門脇のポケ門が千年に一度7日間だけ目を覚ます伝説の痔。

●バンバン痔
 鶏肉をゆでて細く裂きトウガラシなどの香辛料を加えた胡麻味噌のタレであえた痔。

●マイ毛ル=痔ャクソン
 永遠に少年のの心を持ち、刻々と変化=白濁が進行しつつあるスリラーな痔。

●みっくちゅ痔ゅーちゅ
 喫茶店のミックスジュースに入っている代表的な果実(オレンジ・りんご・パイナップル・
桃・バナナの果汁)をバランスよくブレンドし、喫茶店の痔の味を忠実に再現した痔。大阪の
新名物。ちなみにイチゴ味は、いわゆる血便。

――これらすべてを総称して、「12痔」




――院長の山田ですけど。ん?







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[夜25] えーと、友だちから聞いた話なんですけど。 みじお 2003/07/17(Thu) 08:18 [URL] [返信]




コレ、ホントの話らしいですよ。
こういうの弱かったら、聞かないでくださいね。

##############################################################
えーと、友だちから聞いた話なんですけど。

彼女、京都の出身なんですけど、京都に私立の女子校があって、
そこ、今は男女共学なんですね。
でも彼女は、その学校の出身じゃないんですけど。

ちょうど彼女が高校生くらいの時に、共学に変わって、
新入生から男子も入学できるようになったらしいんですよ。
だから、最初の年は、2、3年生は女子だけで、
1年生だけ男子もいる、って感じで。

でも最初の年から、あんまり男子の志望者もいなかったんで、
男女共学、っていっても、すごくかたよってたらしくて、
男子は少ししかいなくて。

しかも最初は1年生だけでしょう。
なーんか小さくなってたみたいで。

ほら、中学生から高校生くらいの男子って、
ちょっと小さかったり、あやうかったりするじゃないですか。
ただでさえ弱っちいのに、人数も少ないから、
ますますちぢこまってたみたいで。

元々かなりの優秀校だったんですね。
文武両道、っていうか、自立する女性を育てる、みたいな。
頭が良くて上品で清楚で、でも媚びないし自分の意見を持ってる、
そんな自信のある女の子ばっかり集まってたんです。

ほら、京都ですし。
よく知らないけど、お寺とかあるでしょ。
だからじゃないですか。

男子もけっこう頭いいんだけど、やっぱり数が少ないでしょ。
それくらいの年頃って、女の子の方が強いじゃないですか。
なんていうか、主導権を取るじゃないですか。
経験ありません?

それで、演劇部があったんですけど、
当然、それまでは女子の部員しかいなかったんですね。
だから「ロミオとジュリエット」とかやっても、
へたな宝塚みたいになっちゃうんです。

なんだか、滑稽なの。
「ロミオ」「ジュリエット」とか言っても、
ふたりが見つめあってるシーンだけで、
みんな吹き出しちゃうんです。見てる人も、役者も。

でもね、男子生徒が入学してきたわけじゃないですか。
もう、勧誘しまくりですよ。
プラカードとか持って。
え? ああそう、そんな感じ。
そんな感じだったと思いますよ。

でも、もともと、女子高生で演劇部、ってだけで、
すでにかなりイッちゃってる女の子ばかりでしょ。
悪口なんかじゃないですよ。なんていうかなぁ、
全体的に発育してる子が多いし、ほら、進んでるっていうか。

魅せることを目的にやってるんですからね、
姿勢もいいんですよ。
背すじをきちんと伸ばしてね、胸をぴんっと張って。
自身満々だし、堂々としていて、ハキハキしゃべるし。

男子は、そういうの、怖いんですよ。
だってつい最近まで中学生でしょ。
中学生って、なんにも知らない子ばっかりじゃないですか。
それが巨大なお姉さま方に囲まれるんですからねぇ、
うらやましい、って思えるの、もうちょっと大人になってからですよ。

新入生歓迎公演をやっても、
ロミオとジュリエットのラブシーンを観ている男子を、
廻りの女子生徒が、くすくす笑いながら見てる、って感じで。
なんだか恥ずかしいの。

だからけっきょく、演劇部の入部者もひとりしかいなくって。
それも、絵に描いたようなもやしっこでね、細いの。
へにょーん、て感じ。いつもうつむいてて、猫背だし。
ボソボソ、なに言ってるかよく判らないし。

でもね、けっこうかわいがられてたんです。
なーんか暗いけど、それはそれで愛嬌だ、って思われてて。
本人も真面目だし、すっごい恥ずかしがり屋なんだけど、
でも先輩の言うこともちゃんと聞くし。

演技は、どうしようもなかったんですけどね。
まず、声が出ないでしょう。小さいの。聞こえないの。
演劇部でお芝居やるのに、大声出せないんじゃねえ。
なんにもできないじゃないですか。

まあ、本人は一生懸命だし、裏方でもちゃんと働くし、
小道具の修理とか、なにか細かい仕事を言いつけられても、
シコシコひとりで、ていねいに仕事するんだって。
返事も弱々しくて、ほとんど聞こえないんだけど。

まあ、そういうのがいちばん大事だよね。
愛されるキャラ、っていうか、ぜったい嫌われないでしょ。
恋愛対象とか、そういうのにはならないんだけど、
なんというか、やっぱりかわいがられるんですよ。そういうタイプ。

本人がどう思ってたか?

知りません。

良かったんじゃないですか。

彼が入部して、最初の夏休み、
近畿地方の演劇祭に出場することになったんです。
常連校だったんです。いつもそこそこいい線行く、って感じで。

会場が持ち回りで、
その年は、その高校も上演会場のひとつだったんですね。

古い学校でしょ。
会場の講堂も、実は歴史的にけっこう重要な建物だったらしくて、
取り壊しが決まってたから、今のうちに会場として使おう、って。

すごく重厚なんです。
別にすきま風とかないんだけど、なんだか、重々しいんです。
舞台の床も板張りで、油で黒光りしてて。
座席もひとつひとつ分かれてるやつじゃないし。ベンチだし。

緞帳(どんちょう)も、すっごい重いの。
あれ、って、人力で引っぱり上げるじゃないですか。
幕の後で、いっしょうけんめい綱を引っぱるんですよ。

実は、すごく大変なの。力が要るの。
スムーズに上げなきゃならないし。
えっちらおっちら、途中で休んだりすると、不自然でしょ。

そういうのも、全部、演劇部の部員が自分たちでやるんです。
ほら、舞台転換で、お日さまが出てきたりひっこんだりするでしょ。
あれも全部、後ろでひっぱってるんですよ。

演目は、「夏の真夜中の夢」、って言うんです。
ううん。それは「真夏の夜の夢」。
そう、シェークスピア。

それをちょっと脚色して、ちょっと内容変えたんです。
出る人数に制限あるから、そのままやると大変でしょ。
全体的に、簡単にした、っていうか。
ちょっとお遊びの要素を入れた、っていうか。

元のお話は、知ってます?
妖精とか王女とか恋人たちとかが出てきて、
一夜限りの不思議な世界にまぎれちゃうんだけど、
魔法の力で、けっこうハッピーエンドなんです。

それをちょっといじって、
ちょっとホラーな感じをつけ加えた、っていうか、
真夜中の12時までに魔法が解けないと大変なことになる、って感じで。

登場人物も大幅に削って。女の子ばかりでしょ。
恋人役の青年役も女子がやるから、その辺も脚本を変更して。

彼? ムリムリ。
新入生でいきなり主役級の恋人役なんてできません、って。
だって貧相だし、相手役の子と並んだら、彼の方が背が低いんですもの。

だから、彼の役は「12時の精」。オリジナルの役。
魔法が解ける刻限の、12時を告げる妖精の役。
けっこう重要。
でも、チョイ役。
えー。
そんなもんです、って。

それで、お芝居の中では、いろいろあるわけです。
魔法のイタズラで、恋人どおしがすれ違ったり、
森の王様の嫉妬で、王女様がバケモノに恋したり。
基本的にこっけいなストーリーで、どたばたしながら話が進むんです。

でも、刻限までに魔法が解けなかったら、
けっこう大変なことになる、って感じで。
人間関係が、なんだかぐちゃぐちゃになってくるの。
おいおい、いったいこのままじゃどうなっちまうんだよう、って感じに。

その辺が、ちょっとホラーかな。

真夜中の12時には、満月が天頂に上がるんです。
魔法が解ける刻限ですからね、12時。
ぎりぎりに迫ってくる、ってのがちょっと怖い。

その月をね、舞台の後ろで上げるんです。
クライマックスのシーンで、
ぼーん、ぼーん、って時計の音に合わせて、
月が、ずずっ、ずずっ、って上がるんです。

ぼーん、ぼーん、って12回。

それを引っぱるのが、12時の精の役。
それがいちばん大切な役目。
ちょっと笑っちゃうでしょ。

お話の中では、彼も、ちょこっと出るんですけどね。
セリフも、少しだけど、ちゃんとあるんですけどね。
でも、ぼーん、ぼーん、って引っぱるのは、幕の後ろ。

いちばんの見せ場が、お客さんから見えないの。
ぼーん、ぼーん、って声だけは聞こえるんだけど。
それも、すごく大きな声を出さないと、布に声が吸い取られちゃうから。

彼、そればっかり練習してました。
とにかく大声出すの。
苦手だからねえ、声出すの。頑張ってるんだけどなかなか出なくて。
ぼーん、ぼーん、って、毎日練習。
しかもそれを言いながら、裏方で月を引っぱり上げるんだから。

非力だけど、けっこう努力はしてたみたい。
稽古も、佳境になると、先輩たちもいちいち面倒見てられないから、
本人、後ろのほうの隅で、ぼーん、ぼーん、って声出す練習だけして。
ぜんぜん相手にしてもらえなかったんだけど、真面目にやってて。
夏休みの間、ずっとそんな感じで。

それで、本番の当日なんですけど。

本人も、ちゃんと衣装をもらって、
かなり緊張してたんだけど、みんなで励ましあって、
よし、頑張っていこう、っていって、上演開始したんですね。

途中は、けっこう上手くいってたんです。
細かいミスはあったけど、ちゃんと笑いも取れたし。
みんなの緊張もだんだんほぐれてきて、いい感じに会場も温まって。
彼も、少しとちったけど、表情も自然な感じになってきて、
ほとんど目立ってなかったけど、要所要所はちゃんと押さえてて。

で、問題のクライマックスなんですけど、
彼は、もうずいぶん前から出番がないから、後ろに控えてて、
綱を握って、タイミングを待ってたんです。
そのころにはかなり自信もついてきたし、声も出るようになってたし。

今だ、ってタイミングで、ぼーん。

本人もびっくりするような大きな声が出ちゃって、
ぐい、って綱を引っぱったら、絶妙のタイミングで月が出て。
それも、綱がいつもより軽く感じたくらいに。

ぼーん、で、ぐいっ。
ぼーん、で、ぐいっ。

一度大声を出したら、ふっ切れるじゃないですか。
今までだれも聞いたことがないくらいの、ハリのあるいい声で、
ラストシーンに向けて、すごくいい感じに刻限が迫ってくるんですよね。

ぼーん、で、ぐいっ。
ぼーん、で、ぐいっ。

ちょっと油断したんでしょうね。

12もあるから。
ふ、っと力が抜けちゃって。
汗をかいてたから、つるっと手がすべっちゃたのかも。

彼、手を放しちゃったんです。

綱が重かったのかな。
ぱっ、っと手を放しちゃったから、月が一気に落ちたんです。
綱の下のいちばん端っこに、押えの重りが結んであったんですけど、
ウエイトリフティングの分銅。25キロくらいの丸いヤツ。

あれが、反動で、ばーんっ! ってなっちゃったんです。
勢いよく跳ね上げられて、普通だったらそんなこと絶対ないんだけど。
すっごく重いし。
でもそれが飛び上がっちゃって。
しかも、ちょうど彼のあごのところを、ばーんっ! って直撃して。

一瞬ですよ。
彼の軽い体が、ばーんっ! って跳ね飛ばされて、天井までいって、
そのまま、どーんっ! って舞台の真ん中に墜落して。

顔から。

顔面から。

骨、って弱いじゃないですか。
すぐ骨折とかするでしょ、鼻骨なんてふにゃふにゃでしょ。
舞台の床は、固いしねぇ。
あんなの、ちょっとやそっとじゃへこまない、って思うでしょ。

瞬間、って、すごい力が働くんですよ。
彼が、ばーんっ! って飛ばされて、
どーんっ! って顔面から激突した時に、
もちろん、他の女子生徒はみんな舞台で演技の真っ最中だったんだけど、
そのど真ん中に、どーんっ! って、顔面からいって。

すごい力だったんでしょうね。
顔の形に、へこんだんです。床が。
舞台の分厚い板張りの床が。
ちょうど、顔の形に。

鼻とか目とかほっぺたとかの形、そのまんまに。
顔のでっぱりを、くるっと裏返したみたいな感じ。
どーんっ! って、ぶつかったから。
ぼこんっ、ってへこんで。

もうびっくりでしょ。
最初はだれも、なにが起こったのかまったく判らなかったんだけど、
特にお客さんは、月が落ちてきて、それが演出だとおもってたから、
息を呑む感じで、しーん、としてて。
舞台上の女の子たちも、なにが落ちてきたのか、ぜんぜん理解できなくて。

で、きゃーっ、ってなって、もう演劇どころじゃなくって、
すっごいパニックになっちゃって、事故だ事故だ、ってやっと判って、
先生なんかが駆けこんできて、救急車とか呼んだんだけど、
当然、間に合わなかったんです。

即死。

演劇祭も、中止。
講堂も、閉鎖。

でもね、みんな見ちゃったんですよね。
舞台の真ん中に、彼の顔の形にへこんだところ。
表情も、くっきり判るの。
無表情なんだけどね。

だから、すっごく怖いから、だれも講堂には近寄らなくなったんです。
入れないし、入ろうともしないし。

でも、どうやら、真夜中の12時になると、聞こえるらしいんですよ。

ぼーん、ぼーん、って。

ちょうど、その顔の形にへこんだところから。

ぼーん、ぼーん、って。

12時に。

ぼーん、ぼーん。

床のへこみの顔が。

ぼーん、ぼーん。

声出すの。

ぼーん、ぼーん。

ぼーん、ぼーん。

うん。
私は聞いたことないですよ。
友だちの話ですから。

彼女がいうには、
「校則が厳しいから、下校時刻もきちんと決められてるし、
 深夜12時まで校内に残って、講堂の声を聞くなんて、できない」
って。

どうなんでしょうね。

けっきょく、その講堂は、取り壊されてないみたいなんですけど。
京都の学校らしいんですけど。

##############################################################

ホントの話です、って。






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[夜24] 選択 藤山高志 2003/07/17(Thu) 02:02 [返信]

シンデレラ「でも、こんなみすぼらしい格好じゃ、
      私、舞踏会に行けやしないわ」

魔法使い 「それは心配無用さ。僕が魔法で変身させてあげる。
      まずは、靴だけど……」

魔法使い 「どっちにする?」


 Aコース ガラスの靴

 Bコース 鉄ゲタ


シンデレラ「なんなのよ! この重たい履物はっ!」

魔法使い 「筋力を鍛えるのにいい」

シンデレラ「鍛えてどうすんのよっ!」

魔法使い 「なるほど、日々の虐待と強制労働で
      基礎的な筋力は出来ていると、いいたいんだな」

シンデレラ「(怒)とにかくAコースで」

魔法使い 「はいはい、Aコース、と……。頭は?」


 Aコース 銀のティアラ

 Bコース 鉄カブト


魔法使い 「たたえよテツカブト!」

シンデレラ「意味わかんないわよ!」

魔法使い 「わかった! この『ロトのかぶと』で手を打とう!」

シンデレラ(ギロリッ)

魔法使い 「す、すいませんでしたぁっ! Aコースですねっ!」

シンデレラ「わかればよろしい」

魔法使い 「お嬢様、服でございますが……」


 Aコース 絹のドレス

 Bコース あぶないみずぎ


シンデレラ「Aコースで。っていうか、ちょっとこっち来い。
      歯ァ食いしばれ」

魔法使い 「あ、あぶないみずぎは僕らの青春なのに……」

シンデレラ「黙れ変態!……ていうか、水着は苦手なのよ」

魔法使い 「あー。わかる、わかる。そりゃ、6歳の頃から
      継母に水着着せられて、おっきいおじちゃんたちに
      お酌して回らせられる幼少期を送れば、
      そりゃ、トラウマにもなるわな」

シンデレラ「な、なんで知ってんのよっ!」

魔法使い 「常連だったから(平然)。
      ちなみにその時の水着はこちらっ!」


 | 5 の 3  
 |---------- 
 |しんでれら


魔法使い 「この『しんでれら』がひらがなってのが
      ポイント高いよなー」

シンデレラ「なんでアンタが持ってるのよ!」

魔法使い 「ネットオークションで落札したから(泰然)」

シンデレラ「…………次、いきましょうか」

魔法使い 「行こう」

シンデレラ「行こう」


 そういうことになった。


魔法使い 「次は指輪なんぞを」


 Aコース 水晶の指輪

 Bコース 一つの指環


シンデレラ「あたしに何させようっていうのよっ!」

魔法使い (鼻ほじりながら)「えー、いーじゃーん、王子と一緒に
               サウロン倒してきなよ」

シンデレラ「なんで新婚そうそう指環捨てに行かなきゃならないのよっ!」

魔法使い 「うわっ! もうそこまで考えてるんだ!? 怖っ!」

シンデレラ「やかましいっ!……でも、そっちの指環さえあれば、
      王子はおろか、王国、ううんっ、世界征服だって
      夢じゃないじゃない!  
      よーしっ! ここは思い切って、B…」

魔法使い 「うわぁっ! Aコース! Aコース! Aコースッ!」

シンデレラ「えーっ?」

魔法使い 「えー?じゃないっ! お前は『いいとも』の客かっ!?」

シンデレラ「自分で振ったくせに……」

魔法使い 「次行くぞ! 次! 乗り物!」


 Aコース カボチャの馬車

 Bコース がまぱっくん
 

 ちゃららららっ、ちゃららららっ、ちゃららららっ、
 ちゃんちゃちゃーん♪



            なまず太夫 王子
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 令嬢
ーーーーー      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

       姫            令嬢
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー      ーーーーーーーー

          令嬢
ーーーーーーーーーーーーーーーー   ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
シンデレラ
がま〜〜〜〜〜〜〜舌衛兵              令嬢
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


シンデレラ「エェェェーコォォォスゥゥゥッッ!」

魔法使い 「なんで? 恋のライバル食べ飲み放題よ?
      あ、そだ。食べ放題っていえばさ?
      タッパ持ってく?」

シンデレラ「持ってく」

魔法使い 「苦労人だなぁ(ホロリ) じゃ、次、王様」

シンデレラ「王様?」


 Aコース 普通の王様

 Bコース 直訳ロックを歌う方の王様


魔法使い 「こーそくっ、どーろのっ、ほしィーっ!
      こーそくっ、どーろのっ、ほしィーっ!

シンデレラ「やめなさいって」

魔法使い 「ハイウェイスターはお嫌いで?」

シンデレラ「いや、そうじゃなくて。とにかく、フツーのでいいから
      今度は王子?」

魔法使い 「うん、王子」


 Aコース 純愛

 Bコース 鬼畜


シンデレラ「Aコース」(即決)

魔法使い 「裏切った! 全世界七十兆八千億の
      男性嘘競演愛好家(大腸菌含む)を裏切った!」

シンデレラ「訳わかんないこと述べてるんじゃないっ!
      っていうか、うんざりなのよ!いじめられるのは!
      いじめられるっていうなら、もう一生分は苛められたわよ!
      っていうか、あたしの自伝を売り出した日には凄いわよ?
      涙どころか吐き気をもよおすわよ?
       よく、いじめるヤツは「虐められる側にも問題がある」
      みたいな言い方をするけど、ウチの惨状見せてあげたいわよ。
      5秒で考えを改めると思うわ。だって、毎日が殺人現場よ?
      鑑識班が必要なのよ?一級傷害罪の約4割が私の部屋で
      起こっているのよ?ふざけんなって!
       そもそも、あたし、マッチ売りの少女に同情されてんのよ!
      「シンデレラちゃん、かわいそう……。
        それにくらべればあたしなんて……」って!
      知り合いだったのかって?親友だったわよ!
      似たような境遇だったし、同じ仕事させられてたから
      すぐに仲良くなって。
       新年一発目の朝、道ばたに小さく体を
      横たえていたあの子を教会まで運んだのはあたしだったわ。
      一文無しに作ってやる墓はないっていう神父を物理的に説得して
      お墓をつくったのもあたしだった……。あの子がなにをしたって
      いうの!? あの子はなにも悪いことなんかしちゃいないっ!
      あの子は、あの子は体を売らなかっただけなのにっ!!

魔法使い 「いま、非常に深い示唆を含む発言があったような気がするけど
      自分のやってることへの正統性が揺らぎかねないから、
      追求しないことにするよ」

シンデレラ「そお? ま、とにかくAコースで」

魔法使い 「了解、Aコースと。次は特技」


 Aコース 舞踏

 Bコース 武闘


魔法使い 「いまならかめはめ波もつけるよー?」

シンデレラ「いらんとゆーに」

魔法使い 「つれないなぁ。では、次、継母」

シンデレラ「ババア?」


 Aコース 薬殺

 Bコース 許す


シンデレラ「え、え、え、えーと、Bコースで」

魔法使い 「喉まで出かかったね?」

シンデレラ(コクンッ)

魔法使い 「よく我慢したね、いい子だ」

シンデレラ「あはは、頭なでられるのなんて生まれてはじめてかも……」

魔法使い 「では、これが最後の質問。魔法の有効期限だけど」


  Aコース 時限式(深夜12時になった瞬間)

  Bコース ワイヤートラップ式(大人の階段登った、その瞬間)


シンデレラ「こ、これは悩む……」

魔法使い 「悩むなよ……」

シンデレラ「ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な、」

魔法使い「挙句それかい!」



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[夜23] Re[昼94] : 聖餐 くまきち 2003/07/17(Thu) 02:01 [返信]

「さあ、夜食だよ」
「わーい、夜食だ夜食だ」
「もうちょっとがまんだよ」
「うん、がまんがまん」
ツ……ツ……ツ グシャッ グシャシャシャ
「………………」
「ごめんね」

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