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[昼80] 豆知識 コバ 2003/07/13(Sun) 03:55 [URL] [返信]

鳩時計の12時に鳴く12回の音を逆再生すると

「Rock`nRoll!! It`s a party time!」

と、聞こえる。

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[昼79] 奥様お昼前インタビュー やゆよ 2003/07/13(Sun) 02:43 [返信]

(団地のベランダ。テレビ画面の右側には主婦が、左側の背景には
街並みが映っている)

―――こんにちは。

こんにちは。

―――自己紹介をお願いします。

はい。大林千夏、24歳。主婦です。

―――お子さんは?

いません。ほしいんですけどね。

―――ご主人のお仕事は?

市役所で働いています。(振り返って指さす)あそこの灰色のビル。

―――あの、周りの建物よりもかなり高いビルですね。

はい、あのビルの3階で働いています。

―――ご主人とは結婚何年目ですか。

この5月で丸4年になりました。

―――もうすぐお昼ですね。

はい。おなかが空きました(笑)

(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)

―――何を食べるのか、もう決めてますか?

私一人なので、昨夜の残りの野菜カレーにします。

―――ご主人は?

主人にはお弁当を毎朝作っています。

―――大変ですか?

大変じゃないです。お弁当作り大好きです。

―――ご主人はどんなお弁当のメニューがお好きですか?

好評だったのは、サンマのチーズ紫蘇はさみ焼きかな。

―――それが定番メニューなんですね?

いえ、定番はありません。全部一度きりです。

(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)

―――好評なレシピも、二度と作らないんですか。

はい。大げさな言い方なんですけど、これ、私と主人の勝負なんで
す。

―――勝負? 勝ち負けですか?

あの、こういう人は珍しいのかもしれませんけど、私は、12時にな
って主人がお弁当箱のふたを開けたとき、驚いてほしいんです。主
人が、「ああっ」て驚いてくれれば私の勝ち。「ふーん、今日はこ
のお弁当か」なら私の負けだと思ってます。

―――もうちょっと詳しく教えてください。

主人の仕事って、大変らしいんです。私はパートもしたことないし、
がんばってって励ますことくらいしかできないし。12時になってお
弁当箱を開ける瞬間に、気分転換してくれたらいいなぁって。それ
で、驚かせたら私の勝ちってことにしたんです。お掃除もお洗濯も
あんまり上手じゃないけど、お弁当作りだけは好きなんで……。

(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)

―――いままでにどんなレシピでびっくりさせましたか?

1年目はごはんに大きく海苔でハートをかいたりしましたね。去年
は弁当箱24個に満漢全席風弁当とかも。

―――お金がかかったでしょうね。

いえ、主人の同僚の奥様たちと一緒に。ハムとか安い材料を使って
それらしく作っただけなので。

(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)

―――最近も、ご主人は驚いてますか?

(表情が一瞬曇る)うーん、それが、あんまり驚いてくれないんで
す。もう4年で、お休みと出張の日以外は全部お弁当ですから、で
きることはだいたいやっちゃったんですよ。

(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)

―――負けがこんでいるんですね。

はい。おとといはイナゴを入れてみたんですけど、帰ったあとで
「イナゴおいしかったよ。また作ってよ」って。

(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)

―――ご主人が喜んでくれるのなら、それでいいのではないでしょ
うか。

ええ、そうなんですけど。最後に一回だけ。思いっきりビックリさ
せたいんです。「愛してるよ」って叫ぶかわりに。あっ、ヤダ……
(照れて下を向く)。あと一度だけビックリしてくれたら、おいし
いって言ってもらえるものだけを作るって決めてます。

(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)

―――今日のお弁当に自信はありますか?

(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)
(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)

実は、すごくあります。いままでで一番がんばりましたから。一瞬
ビックリしてくれると思います。一瞬だけど、すごくビックリ。

(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)
(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)
(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)
(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)
(画面の右側には主婦が、左側の背景には街並みが映っている)

―――そろそろ、12時ですね。

(画面の右側には主婦が映っている。左側の背景には街並みが映っ
ていたが、灰色のビルの地上に近い部分が大爆発し、ビル全体が崩
壊する。周囲のオフィス街とともに白い煙に包まれる。カメラは固
定されたまま)

(前を向いだまま微笑んで)………そう、みたいですね。


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[昼78] アーウィンのランチ Donald Mac 2003/07/13(Sun) 01:27 [URL] [返信]

2人はカウンターにすわった。カウンターボーイが注文をたずねに、すぐやってきた。

この店で2人はかつて冬のあいだ、昼の12時ころになるとマティーニを飲み、いつまでもおしゃべりし、ほかのテーブルにいた客たちがふりかえって微笑を送ってよこすほど大きな声で笑いあった。
ローレンスはここにあった店についてハリエットが何か言うのを待ったが、彼女はなにも言わなかった。「エディのバーだった」とローレンスは言った。
「そう」ハリエットはそっけなくうなずいた。
「彼はフレンチ・ヴェルモットを切らしてしまうと、シェリーでマティーニをつくろうとする」
「いやだわ」彼女は顔をしかめた。
ボーイがいらだたしげに注文を催促した。ローレンスは迷惑な顔をした。「特盛と並盛」
「ポテトサラダもいただくわ」ハリエットがつけくわえた。

「はい!オーダーはいりまぁす!特盛一丁ぉ!並一丁!」
「ありがとうございまぁす!特盛一丁!並一丁!」

「朝、ぼくたちはベートーヴェンを聞きながら、食事をした。『名曲の時間』。WNYC放送。9時から10時まで市長閣下の特別許可を得たベートーヴェンの音楽」ローレンスは一瞬、眼をとじた。「小さな花、恋人たちの市長か」
「ねえ、ロイ」ハリエットは哀願した。「昔のことで、素敵なことだったし、終わってしまったことなのよ」ハリエットは焙煎ごまドレッシングの封を切った。

「あ、らっしゃいませぇ〜混みあいまして恐れいりま〜す、こちらの席でお願いしまぁす」
「らっしゃいませぇ!」
「お待たせしましたぁ!こちら特盛、こちら並盛です! ごゆっくり、どうぞぉ!」

ハリエットがすこしほほえんだ。
「おかしい?」ローレンスはたずねた。
「少しも待たせていないわ」
「そうだね」ローレンスは頼まれるまえからハリエットにスパイスを差しだすことがまだできた。
「‥‥あなたはあらゆることについて、ご自分の考えをわたしに教えてくださったでしょう。ルーズヴェルト、ジェイムス・ジョイス、イエス・キリスト、ジプシー・ローズ・マリー、マティス、お酒、建築‥‥」
「あのころは評論家きどりだった」ローレンスはいささか後悔じみた苦笑をもたらした。「欲望と会話。両性間の文化的な関係の強固な基礎」ローレンスはしなやかな箸づかいでブラウンに染まるオニオンを口もとに引き寄せた。「ぼくらの部屋の窓からは、フィフス・アヴェニューの高架がまだ見えた」
「特盛をいただくのは、わたしよ、ロイ」

“ただいま当店では朝定食キャンペーンを実施しています!納豆定食にのりをつけ、1ドル98セントでご奉仕中――”「ありがとうございましたあ!またお越しくださいませ!」

「わたし、結婚したのよ」
「聞いたよ」ローレンスはそっけなくこたえた。「この店も、明るくなった。明るすぎるぐらいだ。エディの店じゃない」
「ときおり」席を立ちながらハリエットがつぶやいた。「どうしてここにいるのかって、思うことがあるわ」
ハリエットのひとことは、店の中にいる者すべての気分を言いあらわした。


2人は店を出るとひとこともかわさず、互いにゆっくりと反対の方向へためらいがちに歩きだした。店に残した品のいい香水の残り香は、せわしげにボーイが運ぶ牛皿定食のタレの臭いに、すぐかき消されてしまった。
(訳:常盤新平)


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[昼77] お詫び kubo 2003/07/13(Sun) 00:22 [返信]

「お客様にお知らせいたします。午後12時発の東京行き のぞみは、台風の影響の
ため到着が30分ほど遅れております。大変ご迷惑をおかけしております。」

「午後12時発の予定になっておりました 東京行き のぞみは30分以上遅れており
到着までまだ時間がかかりそうです。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。」

「午後12時発 東京行きのぞみの到着は、まだまだかかると思って油断しておりましたら、
いつのまにか当駅を発車しておりました。うっかりしておりまして、大変申し訳ございません。」


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[昼76] マニュアル kubo 2003/07/13(Sun) 00:08 [返信]

夏は台風と食中毒のシーズンです。生徒の皆さんは
以下のマニュアルに従って行動してください。


午前7時のニュースで、兵庫県南東部に暴風警報が発表されている場合
弁当を持って登校せず、10時のニュースを待つ。

午前10時のニュースで、暴風警報が発表されている場合
早いうちに弁当を食べ、12時のニュースを待つ。

午前12時のニュースで、暴風警報が発表されている場合
弁当を食べたら、登校せず自宅で学習する。

午前12時のニュースで、暴風警報が解除の時
弁当を食べた後に登校する 。

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[昼75] 混声 GIN 2003/07/13(Sun) 00:06 [URL] [返信]

▼12時05分 都内某スタジオ観覧席 52番席→53番席

「うきゃきゃきゃきゃ。今日は大盛況ですねえ。いひひひひひひ。
ダメですよそんな顔しちゃ。短い人生もっと楽しくやらなきゃ、ね。
ね、だって俺。何様だっつーの。うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。
いや、ごめんなさいね。最近楽しくって楽しくって仕方ないんです。
信じられます?僕つい最近まで部屋から一歩も出られないほどの
鬱に悩まされてたんですよ。でもね、うひゃひゃひゃ、おかしいんだ。
最近急に元気がでてきましてね。気がつけばスタジオ見学にきてる。
うひひひひ、スタジオにね。くっくっくっくっくっくっ見学にね。
ぷぷっ、ぷぷぷっ、ぷふっ、わざわざ長崎県からね。ぷふふーっ、
馬鹿だ、馬鹿だよ俺。完全なる馬鹿。うきゃきゃきゃきゃーっ!
ねえ、あんた、僕のことどう思います?」



▼同12時05分 都内某スタジオ観覧席 04番席→05番席

「あらぁ、可愛らしいお子さんね。おいくつ?そぉ、まだ8ヶ月なの。
お名前は?へぇ、みらーじゅくんて言うの。ちょっと変ってるわね。
でも本当にかわいいわぁ、目なんてぱっちりしてお人形さんみたい。
お父さんとお母さんどちらに似たのかしら。そうねえ、奥さんの目元
はスッと切れ長だからちょっと違う感じね。お父さん似かしら?」



▼同12時05分 都内某スタジオ観覧席 23番席→24番席

「ああ、そうですか。あなたも昔陸上をやってたんですか?専門は?
へえ、長距離ですか。奇遇だなあ僕も長距離専門だったんですよ。
高校時代には県大会で入賞したこともあるんですよ。6位ですけどね。
えっあなた箱根駅伝に出場したことあるんですか?そいつはすごい。
ほうほう、大東文化大学、名門だ。ほお、二区を、華の二区ですね。
いやあ嬉しいなあ、陸上の話ができる相手って案外少ないですもんね。
あっ、そうそう、ちなみに憧れの選手っていました?あ、いましたか。
教えてくださいよ。えっ、私ですか。私はやっぱり瀬古ですかねえ。
ヱスビー黄金時代の。あの頃の選手って挙って魅力的でしたよねえ。
そうそうあなたの好きな選手って誰ですか?もしかして、、瀬古?
え、違う。それは残念だなあ。ところでその選手って誰です?」



▼同12時05分 都内某スタジオ観覧席 81番席→82番席

「ねえ、こんな場所でなんなんだけど、ひとつ告白してもいいかな。
実はうちの親父麻薬の売人でさ、取引でヘマしちゃったらしいんだよね。
このまま日本にいると僕らの命も危ないらしいからこの番組の収録終了後、
家族全員で海外に逃げる手筈になってるんだ。海外に行ったからって安全が
約束されるわけじゃないんだけどさ。あ〜あ、これからどうなるのかなあ」



▼同12時05分 都内某スタジオ観覧席 69番席→70番席

「さっきから気になってたんですけど、あなた、例の団体関係者でしょ。
違う?いやいやいや、隠さなくたっていいですよ。誰にもいいませんから。
上から下まで白い衣装きてる人間なんていまどきいないですよ、普通は。
ま、言いたくないなら言わなくて結構ですよ。気にしないでください。
あ、でもひとつだけ聞きたいことがあるんですけど・・・あ、いいですか!
実は私、例の報道見て以来スカラー波の存在が気になって仕方ないんです。
実際のところ何回聞いてもさっぱりわからないんですけど有害なんでしょ。
そのスカラー波ってヤツはいったいどこから発信されるものなんですか?」



*********************************************************************



▼12時06分 都内某スタジオ 司会者席→観客席 



タモリ「最近暑いですね」




一般客「そうですね」




53番席「躁ですね」




05番席「祖父ですね」




24番席「宗茂ですね」




82番席「壮絶ね」




70番席「送電線」



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[昼74] 聖地にて BEE 2003/07/12(Sat) 23:48 [返信]

「なあ」
「なんや」
「わいら、いつまでこうしてるんや?」
「・・・・・・」
「せやせや、見てみいあの時計塔、もう火ぃだいぶ消えてるで」
「・・・わかっとるわい」
「わかってるて、お前、・・・沙織はん、もうかなりやばいんちゃうか?」
「わかってるゆうてるやろ!」
「お前さっきからわかってるわかってるて、ゆうてるだけやんか」
「なあ、やっぱりここは一か八か腹決めてみんなでワ〜ゆうて殴りこんでみいへんか?」
「せや、そしたら案外あっさり勝てるかも知れへんで」
「アホか!そこの柱の影から見つからんようにそ〜と頭だして見てみい!相手金ピカやねんで!わいらみたいな青銀のパチモンちゃうねんぞ!」
「青銀ちゃう、青銅や」
「どっちゃでもええわい!」
「・・・あんな、今まで黙ってたんやけどな、俺、知ってるねん」
「なんやいきなり」
「わいらのこれな・・・青銅ちゃうねん」
「・・・ハア?」
「おいおい、そりゃどういうこっちゃねん」
「いやあのな、黙ってたのは悪かった思うけどな、俺の、これな、みんなのと違うて細かい髭とかあるやんか?」
「ああ、ザリガニの触覚みたいなやつな」
「ザリガニちゃうわい!竜や竜、ドラゴンや!」
「ああ、わかったわかった、ええから続き話せや」
「ええ加減にせえやほんまに。・・・・でな、この髭、細かいからしょっちゅう折れるねん」
「え!ほんまかいな!」
「これ、何やえらい丈夫やゆう話やなかったんかいな?」
「いや、これはほんまや、そのたびに俺、ボンドでくっつけてたんやけどな」
「そんなもんで直るんかい!」
「まてや、確かこれ、ムウとか言うおっさんや無いと直せへんのやなかったんかい」
「そこや、よう考えてみい、そもそもこれが青銅やったらやで、折れるんや無くて、まず曲がるんがほんまと違うか?」
「おう、せやせや」
「そりゃ曲がるんがほんまや」
「せやろ?でも、実際は簡単に折れるんや。でな、俺も不思議に思うてな、折れた断面を目ん玉ひん剥いてよ〜く見てみたんや」
「おう、そしたら?」
「鋳物や」
「はあ?」
「鋳物や。周りにメッキしてあるだけや」
「なっなんやて〜!」
「わっわいらのこれもそうなんかいな!」
「おう、たぶん自分らもそうやで、だってヒビ入るやんか。」
「なっなんちゅうこっちゃそりゃあ!!」
「でな、こっから先は俺の想像やねんけどな、ムウたらゆうおっさんはな、多分コレの鋳型を持っているんや。で、依頼があったら預かったコレをな、周りのメッキはがして溶かして型に流し込んで作りなおすんや、多分やけどな」
「マジかいな!何やスゴイ危険とかゆうてたやないか」
「そりゃ炉のそばにおったら火傷するとか、そういうこととちゃうかなあ」
「修理にゃ血がいるとかゆうとったで」
「そら『へいへいこんなん簡単に直ります〜』ゆうてたら吹っかけられへんからなあ、色々考えてるんや」
「せこい話やなあ」
「で、な。俺が思うにな、あの金ピカもな、多分、同じやで」
「・・・え〜〜」
「いや、それはいくらなんでも無いやろぉ〜」
「あほ、無いゆんやったらそもそもわいらのコレもあっちゃならんことやないかい」
「そりゃあ、まあ」
「わいらのコレが有りで金ピカは無しなんちゅう理屈は無いやろ」
「・・・せやな」
「だいたいアレが金ムクやったらとうの昔に誰か気の利いたヤツが溶かしてインゴットにしとるわい」
「おう、そりゃそうや、わいでもそうするわ」
「せやろ?俺でもコレが銭になるんならこんな汗臭いところとはおさらばするわい」
「おう、もっともや」
「ゆうことは、やで。アレはわいらの着とるんとそう変わりは無いゆうわけか?」
「せやせや、見かけが派手なだけで中身は一緒や」
「なんじゃい、ほんならいっちょ揉んだろか!」
「いきなり元気になるなあ・・・まあ、まてや、ゆうてもアレやっぱり強いはずやろ」
「うん、わいもいきなり行くのはどうか思うわ」
「何や、自分ら、焚き付けるんか抑えるんかどっちやねん」
「作戦や作戦、いきなりガチで殴り合いでなしに、頭使えゆうことや」
「頭?頭突きか」
「いらんボケはええから、こっちはせっかく人数いるんや、まずお前はあのおっさんの後ろの方そうっと行って隠れとくんや。で、お前はあのおっさんの前の方でな、おっさんに見つからんようにその鎖を床でジャラジャラゆわすんや。」
「わいがか」
「せや、それでな、おっさん『今の音は何じゃらほい』思うてノコノコ音のした方へ行くやろ?」
「そら行くやろな」
「そしたらお前が後ろからそうっと近づいてな、お前の一番の必殺技を決めたるんや」
「おう、流星拳やな!」
「ちゃうわい!あんなもんが効くかい!あんなジャブを何も考えんとに目暗滅法どこと構わず打ち込むようなマネ、絶対にするなよ!」
「・・・でも、アレやったらみんな吹っ飛ぶんやで?」
「ありゃお前、いきなりどでかく見開きで技の名前叫びながらやられたら、やられた方が『ああ、コイツ主人公やし、吹っ飛んでやらにゃならんのかなあ』思うて飛んでくださっとるだけや!」
「・・・じゃ、彗星拳?」
「あほ!せ・や・か・ら・ジャブを何度も打つのはやめえゆうてゆうとるやろ!」
「・・・せやかて、他に技ゆうても・・・」
「あるやないかい」
「?」
「ローリングアタックや」
「え、アレ?」
「せや、相手に組み付いて尻に火がついたようなジャンプで空高うに舞い上がって自分も相手も諸共に頭から落ちてくる恐ろしい技や。アレがお前のもっとる技の中で一番の技やろ」
「アレやると頭と首がメッチャ痛いからあんまりやりたく無いんやけどなあ」
「お前、受身を全く取らんからなあ、よう痛いですむなあ、恐ろしいこっちゃ」
「ところで自分、何をするんや?」
「俺は、お前、監督やないかい」
「なんやそれ?」
「なんやゆうて、ヨチヨチ歩きのお前らがちゃんと道外さんように見守るんが仕事やないかい」
「人をヒヨコみたいに言いないな」
「あ!!!」
「た、たまげるやないかい」
「ど、どないしたんや?」
「自分ら、時計塔見てみい!!」
「へ?あ・・・」
「うん?あ・・・」
「・・・火ぃ全部消えてしもうた」


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[昼73] 大きな古時計 その後 藤山高志 2003/07/12(Sat) 22:27 [返信]

大きな古時計 その後

ある朝。

弟子「親方ー! この時計12時指したまま止まってますよー!
   壊れてるんですかねぇ?」

親方「阿呆ゥ。こりゃぁ、化粧針だ」

弟子「化粧針?」

親方「そうだ。たとえばオメェ、時計を運ぶ時どうするよ。
   振り子は動かしたままか?」

弟子「そりゃ、止めますよ」

親方「だろ? だから気の利いた時計屋なんかは時計を運ぶ前に
   針を12時きっかりに合わせておくんだ」

弟子「見映えがいいように?」

親方「ああ」

弟子「そういや、近所の人が、じいさんが死んだ夜、夜の一時なのに
   時計のベルがボンボンボンボン鳴って怖かったって
   言ってましたけど」

親方「おそらく、お迎えを悟ったじいさんが最後の力を振り絞って
   時計を12時に合わせたんだろう。
    時計を、この家の次の主人に、少しでも気にいってもらえるようにな」

弟子「なるほどー。感動的な話っすねぇ。で、この時計どうするんで?」


親方「歯車ひとつひとつに至るまでバラバラに解体。ケースは焚き付けに」

弟子「え?」

親方「歯車ひとつひとつに至るまでバラバラに解体。ケースは焚き付けに」

弟子「はい?」

親方「歯車ひとつひとつに至るまでバラバラに解体。ケースは焚き付けに」

弟子「……………………。」

親方「どうした?」

弟子「…………いや、ちょっと目にゴミが……」

親方「……始めるぞ」

弟子「……はい」

 分解にとりかかる。優美な装飾が施されたマホガニーのケースを開け、
中の部品に挨拶する。機巧自体は年代を感じさせるシンプルなものだが、
その分、堅牢な作り。部品も頻繁に、というほどではないがよく手入れ
され、油も注すべきところに必要な分だけ注しており、故人が
どれだけこの時計を大切にしていたかがわかる。

弟子「大事にしてたんですね」

親方「時計もよく応えた」

 敬意を表しながらの作業は、夕刻にまで及んだ。
作業を終えた二人は、茜色さす丘の上に、ただ静かに腰かけていた。

弟子「終わっちゃったっすね」

親方「ああ」

弟子「部品は真鍮職人に鋳直されるし、クズ屋のババアは今日中にも
   焚き付けにして使うって、言ってたし」

親方「そのクズ屋の家はここから見えるか?」

弟子「ええ。ほら、あそこの、煙突から煙がたなびいている……
   ああ、畜生! もう焚き付けに使ってやがんのかな!」

親方「静かにしろ。聞こえんぞ」

弟子「聞こえるって、なにが……? ……!!! これは!?」

 山あいの村に、ボーン、ボーン。

 柔らかいベルの音がこだまする。

 夕日の丘に、ボーン、ボーン。

 別れを伝える鐘が鳴る。

 
親方「さよならだ。天国のじいさんによろしくな」



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[昼72] 日本最初のTVCM chappa 2003/07/12(Sat) 21:08 [返信]


日本最初のTVCMといえば、精工舎の時計のCMで、正午を知らせる内容であることは有名である。
もっとも、フィルムを逆にしてしまったために、このCMは3秒で中止になったこともまた、TVCM史上に残る有名な逸話である。

その第一号CMの後、このシリーズのCMは実に数百にも渡る多彩なバリエーションが制作された。その台詞を一部御紹介しよう。



------------------------------------------------------------

こちらは日本テレビでございます。
時計を、ラジオやテレビの上に置かないようにいたしましょう。
それは、ラジオやテレビは磁気を帯びているからです。
精工舎の時計が正午をお知らせいたします。

------------------------------------------------------------

こちらは日本テレビでございます。
時計を、ステカセキングに近づけないようにいたしましょう。
それは、ステカセキングは磁気を帯びているからです。
精工舎の時計が正午をお知らせいたします。

------------------------------------------------------------

こちらは日本テレビでございます。
時計を、変なおじさんに近づけないようにいたしましょう。
それは、変なおじさんはムラっ気を帯びているからです。
精工舎の時計が正午をお知らせいたします。

------------------------------------------------------------

こちらは日本テレビでございます。
変なおじさんを、叶姉妹に近づけないようにいたしましょう。
それは、叶姉妹にムラっ気を帯びているからです。
精工舎の時計が正午をお知らせいたします。

------------------------------------------------------------

こちらは日本テレビでございます。
御法川さんを、不祥事で降板させないようにいたしましょう。
それは、おもいっきり高視聴率の番組に帯で出て頂いているからです。
精工舎の時計が正午をお知らせいたします。

------------------------------------------------------------

こちらはフジテレビでございます。
森田さんを、不祥事で降板させないようにいたしましょう。
それは、ギネス記録のさらなる更新を期待しているからです。
精工舎の時計が正午をお知らせいたします。



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[昼71] 岩波文庫コミック版 今月の新刊 古賀 2003/07/12(Sat) 20:15 [返信]

哲人28号(4〜6) 各680円

第一次大戦前ドイツのニーチェ博士の『大正午計画』によって作り出された
哲人ツァラトゥストラ28号が、リモコン次第でファシストの味方になったり
マルキストの味方になったり善悪の彼岸を越えた大活躍!
(画:横山光輝)


ツァラトゥストラマスク(13) 700円

「トラだ、トラだ、お前はツァラトゥストラになるのだ! たーっ!」
超人養成機関『ツァラトゥストラの穴』出身の謎の賢者ツァラトゥストラマスクが
子供たちのために自らの没落を覚悟で最後の刺客ツァラトゥストラ・ザ・グレート
ヌーンとの終わりなき死闘を繰り広げる。
(画:辻なおき)


ツァラトゥストラV3(1、2) 各600円

秘密結社『デスゴッド』の改造末人の魔の手により瀕死の状態になった綱渡り人が、
鷲の誇り高さと蛇の知恵をあわせ持つダブル永劫回帰の思想を身につけ、完全な
正午の太陽の光を力とする最強の(発展途上)超人ツァラトゥストラV3となって甦る。
(画:すがやみつる)


遠人愛の戦士ツァラトゥストラマン(1) 750円

ペルシャの山奥で修行をしてアフラ=マズダの魂を宿した青年ツァラトゥストラが、
「駱駝の化身」「獅子の化身」「小児の化身」を経て「大いなる正午の化身」に変身し、
世界をニヒリズムで覆い尽くそうとする暗黒の組織『神は死ね死ね団』に立ち向かう。
(画:あだち充)



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