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[昼50] <3>不可解なアリバイ 橋川桂 2003/07/11(Fri) 07:12 [URL] [返信]

事件は解決した。
本来なら、名探偵・天羽志緒(あもう・しお)の乗り出すまでもない事件だった。
犯人のアリバイ工作は実にお粗末なもので、ただそれが実際の犯行時刻とあまりに違うものであったため、かえって捜査を混乱させてしまったのだ。

「いったいぜんたい」と、助手の正太郎少年は聞いた。「何だって犯人は、犯行時刻より1時間もあとのアリバイなんか、工作したんでしょうか、先生?」
「判らないの、正太郎くん?」
「見当もつきませんよ」
「それは、犯人がベテランの理髪師だったからよ」
「どさくさにまぎれて、変なとこさわらないでください」
「何だよー、ケチー」

「それで? 犯人の職業と、不可解なアリバイ工作と、どうつながるんですか?」
「鏡時計というの、知ってる? 普通と逆向きにまわる、鏡にうつしてはじめて正しい時刻をしめすようになった時計なのだけど?」
「そんな時計、何に使うんですか?」
「人が、長時間鏡に向かっていないといけないような場所でよ。つまり理髪店のような」
「だから、触らないでくださいったら!」
「ち」

「犯人の知り合いが言っていたこと、覚えてる? <場所をおしえるのに、時計周りで何番目、みたいな言い方をすると、彼は絶対間違える>ってね、これを聞いてピンと来たのよ。彼は私たちと左右逆の世界が見えているんじゃないかってね」
「そ、そんなこと、ありえるんですか?」
「人間の目というのは、本当はみんな実際と左右逆の鏡像を見せているの。でも、それだと生活するうえで不便なものだから、ん〜、どうも解剖学は専門外でうまく説明できないけれど、脳内で正確な像を見ているように加工修正される、ということみたい。彼のように永年鏡に向かって仕事をしてきた人なんかだと、そういう人体の機能がうまく働かなくなるようなケースもまれにあるんですって」
「じ、じゃぁ、先生、彼は……」
「そう、思いがけず人を殺してしまって動転していたせいもあるでしょうね。彼は12:00と表示されていたデジタル時計を、00:51と読んでしまったの。これがこの不可解なアリバイ事件の真相」
「やだ、駄目ですったら、先生…… ああ……!」

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[昼49] 魔法使いのおばあさんは言いました やゆよ 2003/07/11(Fri) 02:59 [返信]

「美しい美しいシンデレラや、よく聞くのですよ。これはとても大切なことだから。夜の12時になる前に、王子様がどんなにすばらしい方であったとしても、必ず宮殿を去らなくてはなりません。12時になると美しいドレスはみすぼらしい服に、馬車はカボチャに、御者はドブネズミに、馬は雑種の犬に、手袋はぞうきんに、髪飾りは洗濯ばさみに、指輪はビール瓶の栓に、宮殿は区民文化センターに、場所は東京都杉並区に、職業はスーパーのレジ係に、名前は上田美佳子に、年齢は36歳に、宗教は日蓮宗に、とりえは掃除が手早いことに、家族構成は夫と男の子2人に、上は小学2年に、下は幼稚園の年長さんに、夫は地方出張が多くて留守がちなサラリーマンに、悩みのタネは姑とのいさかいに、あと小姑の意地が悪いことに、王子様はスーパーに入ってきたイケメンのバイトに、趣味は空想話をノートにしたためることに、いつのまにか独り芝居に、気が付けば自分でも気味が悪いクセに、時計はもう夜12時5分に、そろそろ寝なきゃいけない時刻に……」


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[昼48] ボージョレー・ヌーヴォー chappa 2003/07/11(Fri) 01:55 [返信]

店の中は、いつもの賑わいの中とは違う、静かな雰囲気の流れの中で時が
過ぎていた。静けさを紛らす話し声が、穏やかな波ののように空間を包み
込む。その時を待つ客人達の内心は、背中の上に優しく剃刀を乗せたよう
な気持ちで一杯だった。

フライングしてしまいそうな浮気心と、落ち着いて、みんなでその時を迎
えるんだ、という理性とが入り交じる中、カウントダウンが始まる。

そして、時は、何も知らずに12時という時刻を迎え入れた。

ここからは、いつもより五割増のような賑やかさや、リズミカルなスキャッ
トが飛び交う歓喜の時間。皆微笑みながら、グラスとグラスを合わせる澄ん
だ音色と、グラスの中の踊る赤い液体の無数の表情を、笑顔で見守っていた。
一層花の咲く談笑と共に、口に運ばれ消えてゆくチーズを乗せたクラッカー
やサンドウィッチ、そしてシェフ自家製の生ハムやソーセージ…。

そこには、現世の、ごくありふれた不鬱の人々の享楽が、確かに存在した。
昼の12時、午後の紅茶、解禁の瞬間。

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[昼47] 怪盗あらわる! 玄界灘男 2003/07/11(Fri) 00:57 [URL] [返信]


「本日12時、貴殿秘蔵のダイヤ『アラビアの星』頂きに参上いたします。
                             怪盗X 」

「く、くそお、長谷川のくせに生意気な。大丈夫です、奥さん。この警視庁の
 精鋭部隊が御主人の宝は必ずやお守りします。」

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「申し訳ありません、奥さん。まさか我々も長谷川のやつが出前持ちに化けて
 『笑っていいとも!』を見ている私達の隙をつくとは思わなかったのです。
 怪盗のくせに明るい内にしかけるなぞ、盗人たけだけしいやつです。普通、
 正統派の怪盗が『12時』といえば、・・・・ねぇ・・・・・ね?ね?
 その辺はご理解いただけると思います。必ずやダイヤは取りかえしてみせま
 すので御安心ください。」


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[昼46] 標準時忍法帖 Shi.Ma.Chu 2003/07/11(Fri) 00:13 [返信]

前回までのあらすじ:
ブルゴーニュ甲賀流に奪われた密書を取り返すために、イギリス風魔忍者のロ
バートがパリに向かったとの情報を得た時刻流忍者の明六(あけろく)と宵六
(よいろく)の二人は、忍びからの追放あるいは自分の死を賭してでもこの密
書を得んとし、上忍の許可を得ずにフランスへおもむく。
ロバートの足取りを追ううちにやがてロンドンにやってきた明六と宵六だった
が、ロバートは彼らの追跡に気づいていた! 突如現れたロバートに驚愕する
二人。イギリス忍法「ロンドン塔の斧」により宵六は為すすべもなく胴体を真っ
二つにされてしまう。宵六の復讐を誓う明六は、ロンドン塔の斧を「時計返し
の術」で破り、逆にロバートを追いつめる。
漆黒の闇夜に繰り広げられる追いつ追われつの死闘。しかしついにロバートは
ピカデリーサーカスに逃げ込み、この追跡劇はロバートの勝利に終わると思わ
れたのだった。----

「オー。ここまで来れば大丈夫デース」
「はははは! かかったなロバート!」
「その声は明六デスネー。はったりは効きませんネ」
「はったりなものか。ここは数少ない時刻流の海外拠点だ!
 我々の目的は、始めっからここにおまえを追い込むことだったのさ
 食らえ! 時刻流忍法「12時の術」!」

その時、ロバートを包んでいた夜の闇が取り払われ、彼の姿を真昼の太陽が照
りつける。だが、その光はまるでスポットライトのようだ。明六の姿は見えな
い。

「ホワーイ? あり得まセーン! 今は深夜のはずデース」
「くくく。そうだなあロバート。だが! 今は何時かな?」
「今はちょうど午前3時。...オー。まさかそんな!」
「ベーカー街忍法「ホームズの術」を使うまでもなく分かるよなぁ。
 今は日本時間で正午。昼の12時だ。日本時間で正午ならば
 いつでも正午を呼び寄せる12時の術。この術の前ではおまえも
 ただの的だ。宵六の苦痛を味わいながら死ねい!
 時刻流時間逆転忍法「死人返しの術」!!!」

明かりの中に宵六の姿が浮かび上がる。宵六はその死に姿そのままに身体に斧
が刺さったままだ。宵六は薄ら笑いを浮かべるとその斧を引き抜き、ロバート
に襲いかかる。

「オーノー! ゾンビー。幻術デスネー」
ロバートの放つ手裏剣は宵六の身体をすり抜ける。しかし、その斧だけは実体
があるかのように手裏剣をはじく。じりじりとロバートを追いつめる宵六。斧
が一閃。ロバートはすんでの所でこれをかわす。だが、ロバートが宵六の斧の
前に切り刻まれるのはもはや時間の問題。ロバート絶体絶命! 明六の高笑い
がこだまする!!!

次回予告:
ロバートの冷静な指摘にうろたえる明六。そしてついに明かされる12時の術
のトリック。形勢逆転、明六に迫る死の影の正体とは!?
次回、標準時忍法帖 「サマータイムの罠」 お楽しみに


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[昼45] 舞踏会の夜 不滅の放蕩 2003/07/10(Thu) 23:41 [URL] [返信]

さあ今夜はお城で舞踏会が開かれます。
お城の広間から洩れる煌々とした明かりは、空の満月をもかき消すほどの眩さです。
さて、その広間では・・・

「おお、あのお姫さまはいったい…」
「なんと美しい!」

突如現れた絶世の美女に、男たちは気もそぞろです。

「ぜひとも結婚したい」
「いや、たとえ結婚できなくても、一度でいいから一緒に踊ってみたい」

こうして時刻は12時少し前、宴もたけなわです。
ついに王子様がやってきました。

「私と踊っていただけますか」
「あの…光栄に存じますが…」
「どうかしましたか?」
「私は…もう帰らなければなりません」
「何を言うのです。舞踏会はこれからが本番ですよ。さあ踊りましょう!」
「外に牛車を待たせてありますので…」
「牛車……ですか?それはまた妙なものに。あ、お待ち下さい!」
「王子様、さようなら。迎えの者が来たようですので」
「いったい何処へお帰りになるのですか? せめてお名前を!……ああ、行ってしまった」

---------------------------------------------
翁「あの子は帰ってしまったねえ」
媼「元気でいるかしらねえ…かぐや」

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[昼44] Re[昼17] : 驚異の1大連載! インテグラル 2003/07/10(Thu) 23:39 [返信]

「正午よ…」
「お前は、夜の十二時の化身、裏午!」
「お前は昼の十二時こそが正しい午だと思っているのだろう…」
「そうだ!昼の十二時こそ唯一絶対の正しい午だ!」
「ぐふふふ…」
「な、何がおかしい!」
「お前は大南北中戦争のことを覚えているか…」
「何のことだ!」
「あの時お前達午前十二時勢力は明石市民を大虐殺した…」
「か、彼らは午前十二時との契約を破り、与えられた真太陽時
を捨て、セ、セシウム原子の振動などという矮小なものを時間
の基準とし、神聖な時間を汚した!そして今は、サマータイムなど
というものを持ち込もうとしている!と、当然の報いだ!」
「人間の生命よりも時間の方が大切だというのか…」
「じ、時間がなければど、どんなに、た、大変なことになるのか、
分かっているだろう!それに、どっちみち午前十二時を倒すことな
ど不可能だ!」
「お前は、人間を、愛していないのか」
「く、く、悔い改めよ、裏午!午前十二時に逆らうことの恐ろしさ
をわきまえ知れ!」
「私は……人間を愛している。時間のために人間があるのではなく
人間のために時間があるのだと信じている。愛なしの時間など無意
味だと信じている!」
「に、人間のために世界が存在しているというのは人間中心主義だ
!例えばピタゴラスの定理は人間など存在せずとも成り立つはず
であるのだ!」
「まだわからないのか…真太陽時は何によって与えられる…」
「太陽から見た地球の自転だ!」
「それみろ…」
「何だ!」
「愛は世界を回らせる!」
「な、な、な、何ーっ!」
一三九二年、閏十月五日、さんさんと太陽の照り輝く初冬の夜、太
陽の南中時刻を午とする南朝と太陽の北中時刻を午とする北朝とが
合一した。これ以後代々の午は北朝から輩出され今日に至っている。



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[昼43] 10日の番組表 しーもす 2003/07/10(Thu) 23:37 [URL] [返信]

MXテレビ
12時00 お買い物情報.avi(21.6MB)
30 石原都知事定例会見.mpg(47.3MB)


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[昼42] シンデレラ(直球勝負!) Shi.Ma.Chu 2003/07/10(Thu) 18:50 [返信]

制限時間は今夜12時。鐘の音が二人の間を分かつ。

タイムリミットまでにターゲットを確保せよ!!


舞台はサンフランシスコ。正体不明の麻薬取引の黒幕ファイヤマンを追い続ける王子ジョン(ニック・ノルティ)はレース場で怪しい2人組に発砲され、応戦するも片割れの黒人に逃げられてしまう。ジョンは現場に残されたガラスの靴から事件の鍵を握るのはシンデレラ(エディ・マーフィ)と判断、刑務所を訪ね協力を求めるが、かつてジョンの捜査に協力して痛い目にあったシンデレラは預けたはずの金を返せと言うばかりでとりつく島もない。しかし出所の日、シンデレラをファイヤマンの差し向けた騎馬軍団が襲ったことから、ようやくシンデレラも捜査に協力することを決意する。しかしその頃、王宮内部でジョンの過激な捜査が問題となり、ジョンは謹慎処分を受け王位継承権を取り上げられる。処分の下る査問会まであと2日。ジョンとシンデレラは情報を基に城下町で捜査を続けるが、その行く手を騎馬軍団がことごとく阻み、手がかりも次々と消されてゆくことからファイヤマンの仲間が王宮内部にいるのではと疑い始める。行き詰まったジョンはシンデレラに預かった金を返し、もう捜査に協力しなくていいと言う。宮殿に別れを告げようとするジョン。その頃シンデレラは騎馬軍団に連れ去られていた。ジョンはその場を去った隊長トムを追うが、そこに待ち構えていたのは何と魔女だった。彼女こそがファイヤマンなのだ。思わぬ裏切りに、怒りに燃えたジャックは魔女を倒し、シンデレラを救う。救出の際にシンデレラは魔弾を受け救護班に運ばれていくが、その手にはまた新たに魔女から得た各種の魔法アイテム、そしてジョンとシンデレラの間には今や確かな愛情があった。

48時間 PART3 -また帰ってきた二人-
監督:ヒルター・ウォル
配給:パマラウント=VIP

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[昼41] 清水アナのお昼のニュース くもすけ 2003/07/10(Thu) 18:28 [返信]


」ピッ、ピッ、ピッ、ポーン
「章吾になりました。チワワのことが頭から離れません」


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