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[50] 水よりも濃い まき・とうこ 2003/04/14(Mon) 19:12

「もしもし。いいか一度しか言わんよく聞けこのコソ泥。その小汚い手口は全部割れてる。ただちに返せ身のためにも。さもないと明日朝刊で手前の死亡記事を読むことになるぜ」

「お話確かに承りました。それではさようなら」

「ちょっと待て。それが脅迫されている人間の態度か。少しは素直に卑屈になったらどうなんだ」

「もういいかげんによしませんかお義父さん。ああもうまったくこんな時間に。どうしたんです癇の虫でも騒いだんですか」

「こんな時間じゃないとイヤガラセにならんだろうがこの虚血低能。女便所の便座のフタの蝶番みたいなツラだらだらぶら下げやがってこの藻屑出ガラシ。このチャドの首都のンジャメナの場末の阿片窟の片隅の暗闇の五円玉の穴から生えるペンペン草の花の色が悪くなる葉ダニ野郎」

「えーご承知のように、僕とウロ子さんとは明るく正しい陽光のもと徹底的に愛し合い、毎日幸せに暮らしております。一万歩譲って仮に本当に僕がお嬢さんを誘拐したのだとしても、脅迫する側とされる側とをおはき違えではないかと存じます」

「ううるさいっ。きっ君に、娘の親の、雨にも負けず風にも負けず手塩にかけて蝶よ花よと這えば歩めがわかるのか。やがてしかし、たまに早く帰れば翌朝バイバイおじさんまた来てねと手を振られ、風呂加減はどうだと問えば洗面器ごんとぶちかまされ、学校はどうだと訊けば関係ねーだろバーカとあしらわれ、パンツを洗濯に出せば割箸でつまみ上げられ、たまに話すは金くれよ、鬱陶しいとか邪魔だとか、デクノボーマー坊天気予報、寒さの団塊おろおろ歩き、褒められもせずド糖尿、挙句の果てに掌中の珠を君のようなううう馬の恥骨にかっさらわれる気持ちがわわわかるとでも」

「もう気が済みましたか。切りますよ」

「なんという失敬千万。礼儀と常識と尊敬の念すら君は備えていないのか」

「素晴らしい。義理の息子をつかまえて、泥棒だの泥ヒトデだの、丼の土偶の残り汁だの、どす黒い鈍亀の粘着帯だの、淀みきったドブ水の腐れかけた胴長のナメタケ生やした土左衛門の水虫巣喰った土足の裏の貪欲な怒涛のドップラー効果だのと、1日27回電話をよこしてお呼ばわりになるお方がそのような概念を人に要求なさるとは、並大抵の棚上げ力ではありません」

「やかましいこの破れブスマの取っ手の金具野郎。そのヒヤシンス耳かっぽじってよく聞け。いいかこれが最後通牒だ今ならまだ情状酌量の余地はある。別れろ。切れろ。壊れて破れて滅び去れ。去れ去ね今すぐ去ってまえっ。左キキの蛸千匹に首まで漬かって腐って朽ちて消え失せろ」

「深遠なるご配慮ありがとうございます。涙が出そうです。でも僕は通牒にも酌量にも用はありません。両親は祝福してくれました。お義母さんからは昨日また大ガメ一杯の干しステレンキョが届きました。そろそろお義父さんも現実をお受け入れになってはいかがでしょうか」

「お、おおおお義父さんと呼ぶなっ。君の腐臭を鼻先に嗅いだようで胸糞悪いっ。君のようなケツの穴の裏返しを息子に持った覚えはないっ」

「はあ、僕としてもお義父さんの息子よりはケツの穴の裏返しになりたいですなあ。婚姻関係により呪縛される日本のイエ社会を作り上げた農耕文化を、稲のひとつぶ単位で呪いつくしたい気分です。あああなんという悲劇。愛の名のもとに僕は何かポン太郎なあやまちを犯してしまったのでありましょうか」

「わははははははついに己の非を認めたかこの社会の最底辺の血膿をすする野蛭の触手の剪毛の先っぽの切れっ端。さあ娘を返せ今すぐ返せ。ウロ子。ウロ子ウロ子ウロ子」

「しかしだんだん飽きてきたのでこのへんで正論を述べちゃいますと、お嬢さんと僕とは骨の底まで震え上がるほど幸せに愛し合っちゃっておりますので、はっきり言って手遅れと言うか、えーすなわち今このような時刻にはですねそれなりの営みが」

「あーっ。持病の癪が。くっ苦しいごほごほがほげほげほげほぎほげほ」

「お大事にお休みください愛するお義父さま。なんならそのまま永遠に。やはり人生の醍醐味は素敵な義理の父親を、遠く離れた地に持つことですね。それも地球の裏側に」

「ぐがぐぎぎげごがごうががうが」

「それではご丁寧に時差をご考慮頂いた脅迫電話をありがとうございました。またお待ちしてます面白いから。どうぞ今後もお達者で」

「げほぎほがほぐぎげごぐがががごぎげご、ちっちくしょうこのどどど泥棒、泥棒泥棒泥棒泥棒泥棒!うわああああんてめえこのオデン串!ウドン滓!サバ牛乳!ナット飯の茶碗!勝負は勝ち負けではない!正論は正しくない!汚ねえぞおおおおてめ素手で戦え素手でぇぇっ!」




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[49] ズルい女 梅千代 2003/04/14(Mon) 18:58 [URL]

「美香子ってムカツクー。男の前だと、イイ子ぶってぇ」

「言えてる〜。人の彼氏にまで手出すしぃー」

「で、体を売って、欲しいバッグ買ってもらう、って感じぃ?」

「ああゆう、すぐ男に眉売る女って、マジ最悪〜」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
え?意味が分からない?おっかしいなあ。自分では大笑いなんだけどなあ……。
ほら「媚を売る」っていうじゃないですか。女偏に「眉」って書いて「媚」。似てますよね?「媚」っていう字と、「眉」っていう字。
で、3行目に「体を売って」とあるでしょう。それと「媚を売る」を掛けてるんですよ。
だから、「体売るって、眉を売るんかいっ」ってことなんですよ。ははははは、可笑しいですよねえ。
あ、説明されても、やっぱり面白くない?そうですか………(ショボーン)。



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[48] 焼き肉 Shi.Ma.Chu 2003/04/14(Mon) 13:05 [URL]

二人「いただきまーす」

太郎「おいおい、その肉焼けてるぞ」

次郎「あっ、本当だ」(箸をのばす)

太郎(その肉奪われてなるものか!)「あ、美人のねーちゃんがおまえの後ろを!」

次郎「えっ?」(その手に引っかかるもんか! こうして先に箸で肉を押さえてから振り返ればいいんだもんね)

太郎(くっ、こいつ先に肉を押さえてから振り返るつもりだな! こうなったら俺の含み針でヤツのヒジの経絡を突いてやる。これでヤツの右腕は20秒間麻痺したままだ!)

次郎(太郎のヤツめ! 含み針をとばそうとしているな。こうなったら、俺の催眠電波でおまえを眠らせて針を飛ばせなくしてやる!)

太郎(こっ、この視線。ヤツめ催眠電波を出しているな。こうなったら、この思考退行装置で、おまえの思考を箸をのばす前にまで逆戻りさせてやる!)

次郎(はっ、まさか太郎の後ろにある機械は思考退行装置か! こうなったら、このジャミングマシーンで思考退行装置の調子を悪くしてやる!)

太郎(うっ! 次郎の脇に置いてある機械はジャミングマシーンか。 ちっ、やるな。仕方ない、こんな時のために雇った用心棒に破壊させるか。先生お願いします)

用心棒「御意。それでは、機器破壊のための景気づけに、この肉を頂くでござる」

二人「あっ」



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[47] 七年目の たろぼー 2003/04/14(Mon) 11:57

 地下鉄の換気口の風でマリリン・モンローのスカートが舞い上がる…
 映画「七年目の浮気」の有名なシーンの撮影の際に、モンローがスカートの下にジャージを着用していたことが関係者の日記からわかった。
 当時、新婚だったマリリンが肌の露出を嫌ったためで、スカートの中にはいていたジャージの色や材質、折り返し方、ジャージが目立たないライティングお方法までこと細かに記述されている。
 なお、日記を発見したモンロー研究家が、「ぼくのマリリンはこんな娘じゃないやい」との書き置きを残し失踪しており、安否が気遣われている。

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[46] ラブホテルにて・・・・・ 流水木 2003/04/14(Mon) 02:52

ねぇ! 私と嘘競演と、どっちが大事なの!

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[45] サブルミナル なんしぃKIM 2003/04/14(Mon) 01:42

お義父さんへ。
先日の事業への融資の件、再度お考えになっていただけたでしょうか机の一番下の引き出し。
入り婿という難しい立場はじゅうじゅう承知しております温泉旅行の写真。
しかし、私が興そうとしております事業は将来性もあり、今年の2月10日。
長い目で見れば中野栄グループ全体の利益になると新小岩駅前ホテルヴェルナデッタ。
確信しておりますケータイのメモリ。
よろしければもう一度説明におうかがいしたいのですが、『止まり木』の倫子ママ24歳離婚歴あり
ご都合のよろしい日時をご指定いただけますでしょうか証拠写真がお義母さんあての内容証明郵便で。

それではよい返事を心よりお待ちしております。



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[44] 新番組 卑怯者万歳 疲れた大学生 2003/04/14(Mon) 00:45 [URL]

国営放送スタッフ便り
<新番組のお知らせ>
 現在、水曜日に放送されている「そのとき歴史が動いたかも知れない」ですが、おかげさまで歴史番組としてはそれなりの人気を得てきました。しかし、視聴者の皆様から「いや、あんまり動いていないのでは?」や「当事者が綿密に計画を立てて行動した結果であり、さも偶然の産物であるかのようないいかたにはぞっとしない」などの意見がよせられるようになりました。
 われわれスタッフとしましても、題材の不足に悩んでおり新番組への移行の企画することとなりました。いままで「そのとき歴史が動いたかも知れない」をご愛顧いただいた視聴様に皆様にはご理解のほどと、新番組への変わらぬご愛顧をお願いいたします。

新番組:卑怯者万歳
 本来歴史のなかで大きな役割を果たしたにも関わらず、卑怯者のレッテルを貼られた事により、従来では脚光を浴びてこなかった人物にスポットライトを当てたり、有名な人物の卑怯な行いに注目する番組です。卑怯という言葉の従来の意味にとらわれず、歴史上の人物のいきいきとした姿を描写します。
    放送予定
  第1回 カエサル (4/3)
 なぜかほとんどの彫像が月桂冠をかぶっているローマの英雄カエサル。その背景には重大な国民への裏切りがあったのだ。月桂冠で禿を隠していたカエサルの真実に迫る。
ゲスト:塩野七生(作家) 舛添 要一(禿、国会議員)
みどころ:ゲストの舛添氏のカエサル役での熱演になぜか萎える塩野女史
  第2回 さいたま (4/10)
 官軍に逆らったのに平成の大合併でついに念願の「県名=県庁所在地」を手に入れるかに見えたが、行田市が埼玉(さきたま)古墳群を盾に埼玉市の夢をうち砕く。明治新政府の県名に隠された陰謀と、結局「さいたま市」で妥協してしまった浦和与野大宮の姿勢に疑問を投げかける。
ゲスト:さいたま(AA略)、土屋県知事(死んでも知事は辞めません)
みどころ:何をいっても「さいたま」しか答えないさいたまに苦笑しつつも、やっぱり勝てば官軍ということばをスタジオの全員が納得。
  第3回 日本武尊 (4/17)
 熊襲攻撃の折り、女装してまんまと任務と成功させる日本武尊。しかし実は作戦のためではなく単なる女装マニアであった事が後の熱田神宮に奉納された資料からわかった。好きなら好きといえばいいのに、作戦と言い訳をしてしまった卑怯さに焦点をあてる。
ゲスト:おすぎ(映画評論家) ピーコ(ファッション評論家)
みどころ:ゲストの人選の微妙なピントのずれに動揺しつつも、神話を映画として思いを語るおすぎと、ピーコのコーディネイトで女装する松平アナ
  第4回 総集編  (4/24)
 製作がまにあわないのでいきなり総集編です。
  第5回 ひろゆき
 いまや日本の世論をも左右するという2ちゃんねるの管理人のひろゆき。なんだか卑怯な気がするという声に、ネタ不足の製作陣が飛びついた。企画じたいが卑怯という気もします。
ゲスト:西和彦(アスキー特別顧問) 山本一郎(切り込み隊長)
みどころ:1ch.tvはどうなりましたかという松平アナの質問に顔を伏せる西氏と、実況スレにfusianasanで記念カキコする松平アナ
  第6回 赤穂事件
 よく考えてみると、47人の大の武士が逆恨みから老人一人を追い回し、殺害して首を切断するという猟奇事件。老人相手に47人はないだろうという多くの声から、敢えて取りあげることにした。なんでこんな事件が庶民に受けるようになったか、今同様のことをする場合に何に気をつければ良いかなど、役に立つ話も
ゲスト:堺屋太一(作家)
みどころ:意見の合わない上司をいかに○○してきたかという堺屋氏の暴露話にスタジオ騒然。
  第7回 松永秀久
 大仏焼き討ちや、将軍足利義輝の暗殺など、まれに見る問題行動によって歴史に名を残す松永弾正。しかし、それは戦国時代を生きた男の悲しい生き様だった。スタッフが初めて本気で取り組む。近代城郭のルーツとして名高い彼の居城であった信貴山城跡から生放送でおくる。
ゲスト:津本陽(作家) 早乙女貢(作家)
みどころ:「私もこういう生き方をしてみたい」と漏らした松平アナをあわててたしなめる両作家(生放送ですのであくまでも予定です)
  第8回 総集編2
 前回で精魂つきはてたので総集編です。次あたり、スタッフの反省会自体が十分ネタになるな、とおもいつつ。

 なおリクエストですが、自分のひいきの人物や町おこしのために郷土の英雄の卑怯さをわざと書いて取り上げてもらおうというおたよりがありますが、その場合は徹底的にこき下ろしますのでご注意下さい。
 また蛯沢会長や鍋常社長のような業界人の場合は、私どもにも生活という物がございますので取り上げかねます。

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[43] 旧家に伝わる格言 くもすけ 2003/04/14(Mon) 00:21


「ウソ泣きをしない子供は金持ちにならない」
           (福岡県久留米市・蒲池家)


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[42] 選挙カー kubo 2003/04/14(Mon) 00:06

ふじもと金治、最後のお願いにまいりました。
市会議員候補、ふじもと金治、ふじもと金治を
よろしくお願いいたします。

前回のまさかの落選、もう後がございません。
妻は病に倒れ、大学生、高校生、中学生、小学生、
保育園にそれぞれ通う、このように5人の子を
抱えております。

この町の将来のため、私の将来の為にぜひとも一票を
よろしくお願いいたします。



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[41] 大型剣豪小説 Inagi 2003/04/14(Mon) 00:02

「さて、そろそろ始めますかね。」
弥三郎はそう言うと、刃渡り三尺はあろうかと思われる長刀を
さらり、と引き抜いた。
「拙者の柳剛流『臑切り』を破る目処はたちましたかな。」
弥三郎はそう言いながら、腰をぐぐ、と低く落とし
その長刀をぴたり、と下段へと構えた。
「問答無用!直新影流、松本喜三郎参る!」
喜三郎も愛刀の備前長船景清二尺六寸を引き抜くと青眼へと構えた。
青眼の構えは守りの構えであるという。
実際、喜三郎には『臑切り』の破り方が一切思いついていなかった。

今日では柳剛流の代名詞とも成っている『臑切り』
これは単純にして強力無双な太刀筋であった。
『臑切り』とは柳剛流独特の長刀ですぱり、と相手の臑を切り払う
言ってしまえばそれだけの技である。
ならば何故これほどまでにほかの剣客たちを恐れさせたのか?

そもそも江戸時代に入り剣術の様相は大きく変化した。
戦国期の殺人を目的としたものから、武士の心を示す物と成ったのである。
いわゆる「殺人剣」から「活人剣」への変化であった。
このため従来の殺人剣から「卑怯」とされる技は徹底的に取り払われた。
足への攻撃もその一つである。
誰も足を狙ってこないのならば、「返し技」が練られることもない。
江戸後期の剣客たちにとって足元は、ぽっかりと空いた巨大な死角であったのだ。

柳剛流はもとより実践を旨として心形刀流より編み出された流派である。
実践を重視するが故、本来は「卑怯」と蔑まれる技を平然と取り入れ昇華した。
これが『臑切り』である。

飛んでよけるしかない。
喜三郎は考えていた。
臑切りを飛び避けての面切り。
これ以外にこの技を破る方法はない。
しかし・・・不用意に飛べば切られるのは自分だ。
喜三郎はそれも確信していた。

柳剛流の長刀は長いだけではなく、もう一つ特徴があった。
それは刀の先が諸刃になっているということだ。
普通の刀なら振るった後に刃を返さなくては次の攻撃に移れない。
しかし諸刃ならば刃を返す必要がなく、次の攻撃に迅速に移ることができる。
この諸刃が真価を発揮するのは臑切りの後の攻撃である。
臑切りを避けられたら、裏刃を利用しそのまま逆袈裟に切り上げるのだ。
もし相手が臑切りを飛んで避けたとしても、
そのまま逆袈裟の一撃をぐさり、と受けることになる。
相手が飛び避けること自体も、柳剛流では想定済みなのだ。

面切りよりも逆袈裟の方が一拍子だけ速い。
喜三郎は冷静に判断していた。
弥三郎が腰を低く落としているのも、面への攻撃の威力を
半減させるためであろう。
安直に飛んだときが自分の最後だ。

「いつまで逃げ回る気ですかな。それでは直新影流の名が泣きますぞ。」
摺り足で近づく弥三郎。
じりじりと後退する喜三郎。
気づけば喜三郎は既に崖の端まで追いつめられていた。
冷静に獲物を狩るように近づく弥三郎。
そして、全身に冷たい汗をかき、動きの止まった喜三郎。
勝負は決したかに見えた。

もうだめか・・・。
そのとき喜三郎の目に一羽の燕が映った。
地面の餌をとりすっ、と空へ消えて見えなくなる燕。
天啓が閃いた。
これなら臑切りを破ることができるかもしれない。

「疾!」
裂帛の気合いを発し長刀を振るう弥三郎。
その刃が一筋の銀光となり、地を舐めるように喜三郎の足に吸い込まれる。
瞬間。
喜三郎は飛んだ。

喜三郎は両足からジェット噴射し、初速7.9km/secで上空1.3kmまで飛び上がった。
そして眼から摂氏1万6000度のレーザー光線を発し、
弥三郎を中心とした半径4km以内を全て焼き払った。
弥三郎即死。

「もし、これに気づくのが一瞬遅れていたら、死んでいたのは私だった。
剣の道に一途に取り組んできた二十年の月日が私を助けてくれたのだ。」
喜三郎はそう呟くと、奇怪な鳴き声を発し、
羽ばたいて西の空へと飛び去っていった。




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