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[40] 気象予報士に朗報〜絶体にハズれない天気予報 専務の犬 2003/04/13(Sun) 23:40 [URL]

番組司会者:続いて、明日の県内のお天気です。中継先の菅谷さ〜ん!

お天気キャスター:は〜い!山本さ〜ん!今日は、私、銚子の犬吠崎まで来ています。ここは、日本で一番早く日の出が見られる場所なんですよ。今朝も良いお天気で、真っ赤な朝日が、とっても綺麗だったんですよ〜!

司会者:あれ?菅谷さん。いつも朝は苦手なのに、今日は早起きできたんですね。

お天気キャスター:――。それでは、さっさと明日の千葉県のお天気をお伝えしますね。

司会者:はい、お願いします。

お天気キャスター:明日の県内は、”曇り”時々”晴れ”所によっては一時”雨”が降るでしょう。”雷”を伴って強く降ったり”雪”に変わるところもあるかもしれないので注意してください。

司会者:いや、それ、ありそうな天気の可能性を全部言っちゃってるし。

お天気キャスター:次に、明日の降水確率ですが、低いときは30パーセント以下、高いときには70パーセント以上となっています。

司会者:いや、具体的にどの時間帯に確率が高くなるのか教えてよ。

お天気キャスター:折り畳み傘を持っていれば、問題ありませんね。

司会者:そういう問題じゃないし。

お天気キャスター:続いて、明日の気温です。明日の朝の気温は、今日と同じくらいか1度から5度くらい高くなったり低くなることもあるでしょう。

司会者:そりゃそうだろうよ。
 
お天気キャスター:日中は、ほぼ平年並みになりそうですが、場所によっては、平年よりやや高めか低めになるところもありそうです。

司会者:さ、最後に菅谷さん。今日の日中は、北東方向の風が強く吹きましたけど、あしたの風の向きと強さはどんな感じになりますか?

お天気キャスター:明日は明日の風が吹くでしょう。

司会者:そんな小粋なジョークは期待してないよ。

お天気キャスター:以上、菅谷の”これだけ言えば絶体にハズれない”天気予報でした〜!

司会者:っていうか、何のための予報だよ、コレ。



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[39] 餃子戦争 bob 2003/04/13(Sun) 23:09 [URL]

特 大!
名物ジヤンボ餃子
(三〇人前のボリユーム) 一万円

完食したら
なんと十万円 !!


そんな手書きの張り紙以外は何の変哲もない、国道沿いの薄汚れた中華喫茶「エリート」。
朝一番にその男はやって来た。白いジャケットに赤いシャツを着こんだ一昔前の色男は、席につくと片頬を歪めて笑い「このジャンボ餃子くれる?」と告げた。「ハイハイハイ!ご挑戦ね!」おやじは店の奥へ向かって元気に叫ぶ。「ジャンボ一丁!」

十分後、つややかに蒸し上げられた枕のような餃子が現れた。
男は不敵な笑みを浮かべて割り箸をこすり合わせ、ゆっくりと食べ始めた。それを見守るおやじとママ。しかし三割ほど食べ進めると男は箸を置いてしまった。
「なんだ、あっけ無かったねえ」ちょっと嬉しそうにおやじは囁く。
が、男は席を立たず、煙草を咥えて漫画ゴラクを読みだした。勘定をする気配はない。
不安を感じたおやじが「お客さん、ギブアップ?」と声をかける。
「いや、まだ食べるよ。そのまま置いといて」

学生で賑わうランチタイムに男は再び箸をとった。しかし六割くらいでまたも中断。
「あの野郎、一日かけて食う気だな!」忙しい店の奥でおやじが憤る。「でもよぅアンタ、何分以内に食べて下さいって言ってなかったじゃんよぅ」中華麺を茹でながら悲しそうにママが言う。男はお冷をチビチビ飲みつつ、スーパージャンプを読んでいた。「あんな卑怯モノが来るなんて思わねぇだろ!うちは真面目に商売してるってぇのに畜生!」

午後三時。女性セブンに没頭している男を横目に、おやじは悶々とテーブルを拭いていた。冷めきった食べかけのジャンボ餃子が哀れだった。
こんな非道は許せねえ。意を決したおやじは雑巾を片手に男の席へ歩みより、おもむろに「アヒー」と奇声をあげて転んでみせた。餃子の皿へ飛び込む雑巾、驚く男。
「ここ、こ、こりゃ申し訳ありません!すぐ取り替えます!おーい、ジャンボ一丁!」
「・・・!!」男の顔に動揺と憤怒が浮かぶ。
十分後、枕のような餃子が再び現れた。
男は苦悩の面持ちで食べ始めたが、その手もすぐに止まった。苦しそうだ。「閉店は11時ですのでね、それまでにお願いしますよ」おやじが声をかけても男は動かなかった。

午後七時。酔っ払い達で穏やかに賑わう店の中、男は仕方なさそうに餃子をつつき始めた。しかし動きが怪しい。よく見るとジャケットの懐へ忍ばせた仔猫に無理やり餃子を与えていた。
「ちょっとお客さん!」ビクッと男が振り返る。その一瞬に仔猫は逃げた。「・・・!!」下唇をかみ締めて男はうつむいてしまった。

午後十時。おやじ達は片付けを始めた。裏口の外にゴミを出す。毎日それを待っている浮浪者が今日はいなかった。店内に戻ってみると、その浮浪者が白いジャケットに赤いシャツを着て例の餃子をモリモリ食べていた。「ちょっとアンタ、なにやってんの!」「いや、あの兄ちゃんが餃子を食わせてくれるって」店の入り口を指差す。暗い店の表ではパンツ一丁の色男が寒そうに佇んでいた。
「ちょっとお客さん!」
「・・・!!」

閉店時間になった。看板の明かりを消してテーブルに椅子を上げる。残っているのは男と餃子だけだ。おやじは満足だった。
長い戦いがようやく終わろうとしている。
血走った眼で先週の競馬エイトを眺める男におやじは告げる。「すみません。閉店です」振り向きもせず競馬エイトを折りたたみ、半分残った餃子を一瞥すると男はとうとう腰をあげた。そして入り口横のカウンターで伝票を出し、ポケットから一万円札を抜き出した。「金はあるんだよ」と小さくつぶやく。
だが男はそのまま歯を食いしばり、悔しそうに札を見つめ続ける。
やがて、グシャリと一万円札を握り締め、拳を震わせ・・・・・
駆け出した。
「食い逃げだぁー!」


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[38] 諏訪の母のお悩み相談 土星 2003/04/13(Sun) 23:01

「周りのみんなが僕を卑怯者と呼びます。どうしたら卑怯者と呼ばれなくなりますか?」
(24歳 男性)


諏訪の母「もう一度あなたの毎日の行動を思い返して見ましょう。あなたはそう思わなくても、周りの人には卑怯に思えることがあるかもしれません。とりあえず、あなたの投稿は採用しましたので娘は返してください。」


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[37] 測定可能 古賀 2003/04/13(Sun) 22:43

『卑怯』の基準は『ビビビ』



日本や欧米各国の政府は、来年から『卑怯』の統一単位、『ビビビ』を採用することを決めた。
ニュートン、ヘクトパスカルに続く新単位の登場で、『テレビ局』や『出版業界』は対応に追われ
ている。

国際標準化機構(ISO)によれば、1『ビビビ』の定義は『敵の妖怪の策略にかかって動けない
鬼太郎に、敵に寝返ったねずみ男が水平方向に100ニュートンの力でかましているビンタの音
を聞いたときに感じる卑劣さ』。大気汚染と『ビンタの音の空気中での残響効果』の相関性に
ついて研究していた『岡田礼二郎・笛育市立工業大学教授』が、二年前、『ねずみ男のビンタの
音を卑怯だと感じる度合い』に性別差や個人差が全くないことを偶然発見したため、この基準が
採用された。

これまで、『卑怯』についてはその程度を示す明確な数値がなかったため、『ライバルのトウ
シューズに画鋲を入れるのはかなり卑怯だ』『顔まで変えてトキになりすますのはもっと卑怯だ』
『巌流島に小次郎を待たせておいて洞ヶ峠で日和見をするのは何だか良くわからないが卑怯だ』
『他人の作品をそのままコピペしてきて適当に単語を入れ替えて自分の作品みたいな顔をして
投稿するのは一番卑怯だ』といった論争が起こっていた。『ビビビ』の採用で、これらの無意味な
論争にも決着がつくとみられる。『厨房、工房』の間では『巨大掲示板での自作自演の評価の
統一化』への期待が高まっている。


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[36] 噂の豪速球、実はボークだった?! nope 2003/04/13(Sun) 20:34 [URL]

 未曾有の速球で日本球界を沸かせていた巨人の山田投手に、
あの投法はボークではないか、という疑惑がかけられている。

 山田投手は今季彗星のように現れた本格派右腕。
 そのストレートの速度は機械測定不能で、わかっているのは
初速と終速がほとんど変わらないということだけ。これまで一
度もバットに当てられたことがなく、捕手さえも10球に1球
捕るのが精一杯。文字通り「見えない豪速球」として恐れられ
ていた。

 疑惑が明るみに出たのは昨夜の阪神戦。
 強振した打者のバットが、ホームベース近くまで来ていた山
田投手の頭部を直撃、山田投手は担架で運ばれた。その際、阪
神側の選手が「山田投手のスパイクにローラーがついて」いる
のを目撃したという。
 注目の審判の判定は、ボークではなく打撃妨害。しかし今後
の調査次第では、「あの球は全てボークだった」ということに
なりそうだ。

 現在、山田投手は頭蓋骨骨折で面会謝絶状態、生死を彷徨っ
ている。東京ドームでは今日から、「危険ですので店内でロー
ラー付きの靴をご使用にならないでください」という趣旨の看
板をフェンスに貼ることを決めた。(野辺山)


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[35] 代償 週刊WEBマガジンSAKANAFISH 2003/04/13(Sun) 20:09 [URL]

「ハーヒフヘホー!どうだアンパンマン!
アンパンチできるものならアンパンチしてみろ!」
「くっそー!ひきょうだぞ!ばいきんまん!」

(中略)
「アンパンマーン!新しい顔よー!」
「げんきひゃくばーい!アーンパーンマーン!」
「うわわわわわ!」
「行くぞばいきんまん!アーンパーンチ!」
「ばいばいきーん!」

※この最終のアンパンチがばいきんまんにあたえる痛みは
ばいきんまんの最初の卑怯さが多ければ多いほど小さくなる。

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[34] とこや マヌー人 2003/04/13(Sun) 19:22

今日も、いつもの床屋へやってきた。
わざわざここまで来るのには訳がある。
そう、あの人に頭を刈ってもらうためなのだ。

「どこか、かゆい所はありませんか?」
うんうん、こうでなくては。

「耳の掃除もやりますか?」
耳を触られるのは好きではなかった。
しかし、他ならぬあの人の申し出だ。

「…はい」

これでいい。これでもう少しの間、こうしていられる。

カランコロン。

「いらっしゃいませー!じゃ、おとうさん、この人、あとお願いね!」

「おう」

あいたたた、あんた力いれすぎだよ。


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[33] 美しく立派に死ぬぞポエム 「卑怯」 コバ 2003/04/13(Sun) 18:01 [URL]

あなたは 卑怯

だって あなたは卑怯だもの

100人に聞きました

”あなたはひきょうですか?”って

SOSHITARA MINNA

ごめんね ローマ字で書いちゃった

そしたらみんな ”ううん”っていう

嘘つきはみんな ”ちがう”っていう

どうして 素直になれないんだろう

”うん” って言えばいい

”うん” って言えればいい

あたしは 卑怯

だって あたしは卑怯だもの

ごめんね 卑怯者よばわりして









縦書き カタカナ

書道で書いた ごめんねの気持ち



ユルシテ ゴメンネ 卑怯なあたし

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[32] 決闘! コバ 2003/04/13(Sun) 16:42 [URL]

きしむ蝶番を押して入ればそこは酒場。
喧噪、喧噪。カウボーイ、ガンマン、カウボーイ。汗と砂と埃とタンブル・ウィード。

そしてスリックがまた喋り出した。ひげについたビールの泡をぬぐおうともしない背の低い中年男はまるでこの目で見てきたかのように、皆が知っていることを大声でわめく。やれやれだ、また始まった、だが苦笑いしつつも酒場にいる皆は、スリックの話のワンセンテンスごとに内心で相槌をいれる。いつもはニヒルに構えている若い男も、テンガロンハットに隠れた目は笑っている。皆はスリックが好きだし、それにあのマードックは死んだのだ。笑ったっていいじゃあないか。
卑怯なことにあのマッドドッグ(狂犬)マードックは、とスリックは続ける。




「一対一の決闘だ、決闘ってのはそういうもんだ。
 三歩歩いて天国と地獄、
 
 1,2,3、バン!!
 
 これは曲げちゃあなんねぇ掟だ、それがルールってもんだ。 

 我らがヒーロー、保安官ウィル殿はならず者の狂犬、マッドドッグ・マードックに決闘を挑まれた。
 決闘の場所は吹きすさぶ砂塵の彼方、インディオどもも近づかねぇゴーストタウン、セメタリーシティだ。
  
 お日様がてっぺんに近づいたとき、四つの影がセメタリーシティに現れた。
 一つは我らのウィル保安官、一つは決闘の立会人、
 もう一つは墓堀人夫で、最後の一つがにっくき狂犬マッドドッグ・マードックさ。」

「知っての通りあの狂犬は小細工をしでかす。
 卑怯なことにあのマッドドッグ・マードックはウィル保安官以外の二人を金で買収していたのさ。つまり三対一ってわけだ。
 まさに絶対絶命、だがウィル保安官はひるまねぇ。堂々と、毅然として、決闘に挑んだのさ。」

「正午になった。決闘の刻限だ。空を舞うハゲタカどもも、何かを察したかぐるぐるとセメタリーシティの上を回っていたさ。買収された墓堀人夫はこともあろうに保安官殿の後ろに墓穴を掘ってやがる。

 さぁ保安官とマードック、互いに背を向けて立ち、いよいよ対決だ。

 ・・・1・・・・

 ・・・ざっ・・・
 保安官は一歩進む、だがマードックは動かねぇ。足下の砂を蹴り上げただけだ。

 ・・・・・・2・・・・・・・・

 ・・・・・・・ざっ・・・・・・・・・
 また保安官は一歩前に行く。マードックは、といやぁもうすでに振り向いて
 保安官殿の頭にバッチリと照準を合わせていたのさ!
 いや、マードックだけじゃねぇ、立会人も、墓堀人夫も構えてた。
 墓堀人夫にいたっちゃ、おめぇらの誰よりもデカいマグナムを二丁拳銃よ。

 危うしウィル保安官!

 だがさすが我らのヒーロー、てぇしたもんだ。
 マヌケのマードックが激鉄を起こす、「カチリ」ってちっちゃな音で
 全てを察したのさ。

 途端に振り向くと銃を構えた男が三人よ。
 俺も早撃ちだがあれにゃあ参った。
 マードックの野郎も買収された二人も
 一発も撃つことなしに、まさに電光石火!
 一瞬の早撃ちで三人をほとんど同時に倒しっちまったのさ!」




あれからもう何日が過ぎたか、悪漢マードックが決闘に敗れて以来、スリックはほぼ毎日同じ話をしている。スリックは巧妙な語り手で、聞く者を決して飽きさせない。立派なことに嘘は一つもつかない、誇張はほんの少し。それでも聞く者は退屈しない、「もう聞いた話だ」と苦笑いを浮かべてみても、話の展開に一喜一憂している。

スリックは嘘をつかない。
だが年のせいか、語り忘れたことは多い。
あえて語らなかったのか、だがスリックに罪はない。
みんなスリックが好きなのだ。


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スリックが語り忘れたこと

・ウィルが決闘を挑まれてから決闘まで、およそ一月あった。
・ウィルは武器密売から売春斡旋まで幅広く手がけていた。
・マードックは新規に売春宿を開業しようと町を訪れ、地元住民と抗争。結局マードックが出店を諦める形で決着。
・マードックに殺人歴はない。
・ウィルは決闘の前日まで、全ての武器販売網を封鎖していた。
・ウィル、決闘が決定した翌日にNASA訪問。
・ウィル、NASA訪問の後、オムニ社傘下の病院に入院。以降決闘まで、密売及び斡旋業は院内から指示。
・マードック、何者かに銀行口座がハッキングされ、残高がゼロになる。
・決闘が決定して以降、インディオ襲撃の防衛をマードックは頼まれ、いずれも成功。敵味方共に死傷者はゼロ。マードックの所持する弾丸も同じくゼロとなる。
・ウィルはインディオに友人がいる。
・マードックにインディオ防衛を依頼したのはウィルの配下である。
・ウィル、決闘の前日に知りうる限りの銃砲店に不発弾を納品。
・マードック、決闘の前日に弾丸購入。
・決闘二週間前、サウジアラビア国王腹上死。同日、反米政権樹立。
・国王死亡翌日、サウジアラビア議会、北米への派兵を議決。派兵の日取りを二週間後とする。
・サウジに続いてイスラム諸国、米国への派兵を議決。サウジにならって第一目標をセメタリーシティとする。
・欧州議会、イスラム諸国軍隊の領空領土通過を許可。
・(写真)「全く別の問題だ」憮然とする伊外相。領空通過を許可したのは石油利権があるからですか、との質問をうけて。
・ウィルの売春斡旋の範囲は広く世界に及ぶ。
・米国大統領は商売女に筆おろししてもらっていた。
・決闘の十日前、米国大統領がNATO軍を「ならずものの軍隊」と非難。
・決闘が決定して以降パレスチナゲリラ、武器枯渇により活動休止。
・米軍、中東での作戦活動を一時中断、自国へ帰還。
・決闘の一週間前よりNATO軍、東欧での治安維持活動を放棄、北米に向かう。
・決闘九日前、米国、日本への輸出入制限を全面的に緩和。
・決闘五日前、日本国首相、自衛隊の国外への派兵を合法とする。
・訓練の名目で自衛隊をセメタリーシティへ派兵することを決定。
・パレスチナゲリラ、米国に入国。
・決闘当日、米国所有の衛星兵器の照準がセメタリーシティに合わされていた。
・決闘前日、ウィル、サイボーグ手術成功。同日オムニ社傘下の病院より退院。

 ▲サイボーグ化したウィル保安官
・決闘当日、セメタリーシティの半径四キロにわたって多国籍の軍隊が集結していた。
・決闘当日集結した兵員は百万から百五十万人である。
・決闘当日集結した軍隊には「目標以外の攻撃を禁じる」と各最高司令官から厳命されていた。
・決闘当日集結した軍隊は、ウィル保安官の負傷、または死亡を作戦開始の合図としていた。
・砂塵の向こうに黒々とそびえるあまりにも多くの軍勢を目にしたマードックは体がすくみ、思わず涙を流した。
・悔しさにまかせて地面を蹴り上げ、死を覚悟でマードックはウィルの背中に照準を合わせた。
・マードックが買収した二人の人物は、投降すれば助かると思い、マードックに銃を構えた。
・裏切りに気づいたマードックはとっさに二人に向け引き金をひいた。
・だが激鉄はマードックの願いも空しく不発弾を叩くのみであり、それはマードックが買収した二人も同じだった。
・カチカチと虚ろな音が幾度かセメタリーシティに響いた。そしてウィルはゆっくりと、落ち着きはらって言った。「・・・3。」
・一発ずつ、丁寧に、チェスの駒を置くように確実に、ウィルは三人の眉間に弾丸を埋め込んでいった。
・決闘翌日、サウジアラビア旧国王派復権。同日親米政権樹立。同国議会、米国より軍の撤退を承認。
・決闘翌日、イスラム諸国、サウジアラビアの説得により、米国本土より軍隊を引き上げる。
・決闘翌日、日本国内での世論の反対に押され、首相退陣。同日同国議会、自衛隊の国外派兵を違憲と定める。同日、訓練中の在米自衛隊は本国へ帰還。
・決闘翌日、NATO軍、欧州の治安維持活動へ復帰。同日、米国大統領NATOに対し「ならずものの軍隊」発言に関する謝意を表明。
・決闘翌日、米国議会、日本国に対する輸出入制限を二週間前の水準に引き上げる表明。
・決闘翌日、パレスチナゲリラ、本国へ強制送還。
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町のみんなはスリックが好きなのだ。
何か隠しているに違いないが、突然サイボーグになったりするこのスリック(お調子者)が大好きなのだ。事実、この男が保安官になってから、町はいいことずくめじゃないか。


今日もスリックは口にビールの泡をつけながら、みんなが知っている話を大声で喋る。

喧噪、喧噪。カウボーイ、ガンマン、カウボーイ。汗と砂と埃とタンブル・ウィード。
きしむ蝶番を押して出れば、そこは誘致された企業ビルが立ち並ぶ摩天楼。


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[31] (削除)  コバ  2003/04/13(Sun) 16:33

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