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[170] お手玉 BEE 2003/01/19(Sun) 20:23

「行き止まりだな。観念しろ。お前はここで死ぬべきなんだ。」
「ハア、ハア、・・・何なの?ヨウコ何もしてないわ!なぜヨウコを」
「『なぜ?』か・・・」
「ハア、ハア、ハア」
「・・・・・・たいしたものだ、心を持たぬ私でも、お前は魅力的に感じる。情報以上だ。」
「ハア、ハア、いったい何の話?」
「・・・・・・」
「ハア、何とか言いなさいよ。」
「・・・良いだろう、死ぬ前に教えてやろう。私がここへ送られてきた理由、お前が死ななければならないその理由を、な。」
「死ななければならない・・・理由?」
「すべてはお前の持つ、その常軌を逸した『魅力』が原因だ。いまだ就学児童の身でありながらその笑顔、声、仕草のひとつまでもが、周囲の男達を狂わせる。正に『傾国』だな。」
「何よ、そんなのヨウコの所為じゃないわ!魅力?何だって言うのよ!ヨウコ、そんなものいらなかった!おかげで小さなころから痴漢や」
「黙って聞け、そう、今お前が言ったようにお前は幼いころから痴漢やストーカーの被害に何度もあってきた。だが、深刻な被害はなかったはずだ、お前の持つその『カリスマ』は、汚そうという発想すら持ち得ない不可侵のもの、せいぜい肩や手に触れるくらいのものだったはずだ。」
「でも嫌なの。知らないお兄さんやおじさんにじろじろ見られたり、突然手を握られたり、たまらなく嫌なの!」
「男性不信のまま成人したお前はやがて政界にその身を置くことになる。」
「え?」
「無所属でありながらそのカリスマによって多くの有権者の支持を受けたお前は2004年、『女性の権利に対する侵害行為等の処罰及び女性の保護に関する法律』を提案、あっという間に成立してしまったその法案は翌年の4月1日から施工された。正に電光石火だ。」
「ちょっと」
「俗に『セクハラ禁止法』と呼ばれたその法律はとんでもない内容だった。『女性を連続して直視する行為を行った男性は二年以下の懲役または100万円以下の罰金に処する』『夜間に女性の後方を歩行した男性は三年以下の懲役に処する』等の正気の沙汰とは思えない条文が目白押しだった。」
「何を言って」
「そしてお前は2012年、歴史上初の女性総理大臣となる。」
「・・・・・・」
「内閣人事はすさまじいものだった。何しろ全閣僚が女性で占められていたのだから。」
「・・・・・・」
「各政党の垣根を超えた、性別という派閥、人口の50パーセントを占めるその巨大派閥の頂点に立ったお前は、徹底的に男性を差別した。」
「・・・・・・」
「次から次へと立てられる新法律、2020年、男性は参政権を失い、社会権、生存権すらも女性のそれとは比べられないほど小さなものになった。正に奴隷だ。」
「・・・それで?」
「男性達はこの不当な扱いに猛然と抗議した。いや、しようとした。だがすべては遅かったのだ。すでに自衛隊幹部はすべて女性で占められていた。デモ行進をするために上野公園東京国立博物館前に集合した男性約8000名を治安出動したWACがあっという間に制圧したこともあった。生存者は一人もいない、一方的な虐殺だ。」
「・・・・・・」
「彼女達は男性を撃つ事にまったく躊躇いが無かった。当たり前だ、彼女達にとって男性は人間ではないのだから。」
「・・・・・・」
「警察も、幹部はすべて女性で占められた。再び『特別高等警察』が組織され、こちらはすべて女性警察官の手により運営された。」
「・・・・・・」
「2025年、男性は正に家畜だ。廃棄物の処理や地下資源の採掘等の危険な仕事をするためのほかは、5人以上の集団になることも禁止されている。特高が日常的に男性を撃つ時代。男性にとって真の意味での暗黒の時代だ。それもすべて、お前の所為なのだ。」
「・・・つまり、あなたは」
「そう、未来から、正確には2025年の日本からお前を殺す為にやってきた。歴史を変えるために。」
「・・・今言ったこと、本当のことなの?」
「ああ、すべて本当のことだ。これから、このままだとこの世界が辿ることになる、私にとってはすでに起こってしまった歴史だ。」
「どうやって、きたの」
「人工的に作った『タイムホール』を通って。お前も見ただろう?」
「それと、あなたはお巡りさんに銃で撃たれても、車にはねられても平気だったわね。人間なの?」
「いや、違う。地下組織によって造られた男性型アンドロイドだ。・・・お前が男性型の俺に対して『人間なのか』とはな。」
「・・・そう、そうなの・・・アンドロイド、それなら確かに・・・そして、そんなものが今のこの世界に存在しているわけが無い。つまり・・・」
「そうだ。俺は真実、未来からやってきたアンドロイド。その目的はお前を殺し、歴史を変えるため。」
「『歴史を変えるため』・・・そうか」
「ああ、心を持たぬ俺から観てさえ、お前の魅力は異常だ。お前は死ぬべきなのだ。」
「そうなんだ、そう、そうなのね。・・・・・・うふふっ・・・あはははっ」
「・・・なんだ?」
「ふふっあはは、ねえ、あなた『心が無い』って、本当?」
「アンドロイドである俺に心なんかあるはずが無い。」
「んふ、試してみる? んっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「な、なにをんっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「〜〜〜〜〜〜〜〜プハッ、ハア、ハア。うふ、どう?ヨウコの接吻は。」
「〜〜〜〜〜〜〜〜プハッ なん、なん、なんなんだ?!」
「どうだった?って・聴・い・て・る・の。」
「どっどうって、その。」
「ふふ、ヨウコの燃える接吻を受けて、正気でいられる男なんていないわ。」
「・・・・・・・・・・・・」
「もう一度、して、あげても、いい、のよ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「ど・う・す・る・の? やっぱり殺すの?ヨウコのこと」
「あっあの」
「お兄さん、可愛いのね。んっ〜〜〜〜〜〜〜〜プハッ。」
「んっ〜〜〜〜〜〜〜〜プハッ、あ、そんな、さっきよりずっと短い・・・」
「ふふっ本当に可愛いわ、私のアンドロイドさん。アンドロイドって言うのも変ね、なんて呼べばいいの?」
「わっ『私のアンドロイド』?  名前は、その、『T800』と呼ばれていました。」
「そう、『T800』、呼びにくいし、他人行儀って感じだね。ティーちゃんて呼ぶことにするわ。良いわね。」
「ティッティ『ティーちゃん』、ですか?」
「何?嫌なの?」
「いっいえ、そんなことは」
「それじゃあ、決まり!・・・ねえ、私のティーちゃん、まだ、私のこと、殺すつもり?」
「わ、『私の』、・・・『殺す』?・・・殺さなくては・・・・でも」
「どうなの。はっきりしない男は嫌いだよ。」
「あっそんな」
「どうなの?」
「いえ、殺しません!!」
「そう、そうなの。大好きよ。ヨウコのティーちゃん。」
「だっ『大好き』って、そんな、ああ」
「ねえ、ティーちゃんは未来のこと、いろいろ知っているんでしょ?」
「ええ、もちろんです。」
「それ、教えてくれる?」 
「いや、未来のことは・・・」
「これから先、ずっとずっとヨウコと一緒にいて、ずっとずっとヨウコに未来のことを教えてくれる?」
「ずっずずずっと、ずっと一緒。ですかあ?」
「そう。」
「いいんですか?私のような、その」
「ヨウコのほうからお願いしてるんだよ。」
「その、ももっもちろん!喜んで!」
「なら、誓って。」
「誓い?」
「跪いて、私の手の甲にキスをするの。」
「てっ手の甲にキス!」
「そうして、誓いの言葉を、永遠の忠誠を誓うの。この間、テレビで見た映画でやってたの。」
「ちっ誓います。でも、何に誓えばいいのか、神ですか?」
「『ヨウコに』よ。」
「分かりました!では、ヨウコ様、お手を」
「うん。」
「チュッ 私、ティーちゃんことT800は、この儀において、タジマヨウコ様を終生唯一の主と定め、永遠の忠誠を尽くすことを誓います!!!!」


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[169] 富士見ヶ丘ブルース page 2003/01/19(Sun) 20:22

一.
 鍵をかけたら 留守電にしたわ
 窓は開けていて 怪しまれるから

 いいの いいのよ お米屋さん
 主人は夜まで帰らない

 茜射す西日に 包まれながら

 恋の陽炎燃え上がる 
 ああ 富士見ヶ丘団地
 昼下がりブルース

二.
 はやく逢いたい だって恋しいの
 待っているのよ だって寂しいの

 今日も5合炊きました
 主人に山盛りよそいます

 白米の向こうに あなたがいるわ

 米びつ眺めてため息も
 ああ 富士見ヶ丘団地
 昼下がりブルース

三.
 所詮 不倫(おあそび) 続くはずもない
 いつもの注文 あなたは来ない

 14号棟の新婚ね 
 真昼の雨戸は不自然よ

 気怠い白昼夢を見てただけなの

 エプロン噛んで涙一粒
 ああ 富士見ヶ丘団地
 昼下がりブルース

 富士見ヶ丘ブルース

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[168] 告白 コバ 2003/01/19(Sun) 19:56



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[167] やっぱり向かない職業 まき・とうこ 2003/01/19(Sun) 19:28

2169年。英国秘密情報局MI6は、ダブル・オー人材不足対策として、イギリス人以外にもすでに猿、猫、鯨、イカ、金魚、池乃めだか、イソギンチャク、ミミズ千匹、鼠千匹、牛、虎、猪、羊、鶏、鴨、葱、豆腐、コンニャクなどを雇用していたがやがて労働力市場も底を尽き、切羽詰まったあげく彼らはついに女性の採用に踏み切ったのであった。
 
「さて004989君。今回の兵器を渡す前に、まず前回の銃と残りの弾を返してもらおう。研究と実験と全英国民から搾り取った税金の結晶を、OLがボールペン持って帰るみたいにちょろまかされてはたまらん」
 
「なんだそれは。何故女は残り物と聞いただけでなんでも冷蔵庫にしまいこむのだ。しかもタッパーに詰めて。ワルサーが腐るのか。あーっ。解凍してはいかん。重火器を電子レンジでチンするんじゃないっ」
 
「あちちあちちちまったく油断も隙も科学知識も。最先端技術の粋も猫に小判というか、猫踏んじゃったにスタインウェイというか」
 
「おっと失礼。失言を詫びる。いくらなんでも猫に失礼だった。さて今回のスパイ仕様車は、なんとアストン・マーチン・V12ヴァンキッシュの大盤振舞だが、操作は自動できわめて簡単。というか、下手に君に触られると何されるかわからんから鉄壁の全自動で固めた。はっきり言って君が乗る必要もまったくないくらいだ。けけけけけけ」
  
「え? だから君は颯爽と時速180kmの車の後ろから鎖で引きずられて頂くのだ。安心しろ、骨は拾ってやる。骨が残っていればの話だが」
 

「どうしても嫌? ちっ。じゃ乗ってみろ。これが自動目標捕捉ミサイル、それが自動カップホルダーバケツサイズ対応、自動シートは前後に動くムーブ洗浄ノズルつきで冬でもほかほかに摂氏5000度まで加熱可能、自動ドアは内部の臭いを完全密閉、自動フィルターはダイオキシン完全濾過、よって住宅街でも使用可。余熱で飯も炊ける」

  
「なんだその死体が葬儀屋を見上げるような目つきは。なお、重要な注意事項があるからよく聞け。まずこの車には、猫カバーのティッシュを置くな。『赤ちゃんが乗っています』ステッカーも絶対に禁止する。それと頼むから交通法規を覚えろ。いいか、二重駐車とは、車を上に重ねて停めることではないのだ。もみ消すのが大変だし、だいいちそれは面白くない。ぜーんぜんっ」
   
「ぴーぴー泣くなっ。泣いて許されると思ったら大間違いだ。そんな抵抗は女便所の便座のように無駄。ん。なに。なん」
   
「な、な、なななんだその『Q君ってばそんなこと言いながらほんとはあたしのこと好きなんでしょ』というのはぁー! ご搭乗の皆様、当機は高度2万5千メートルの上空を順調に飛行中です左手の窓をご覧下さるとああっウィリアム大おじさま。こんにちは赤ちゃん私は馬鹿よ」
  
「失礼。何か悪い夢を見ていたようだ。なに。ダブル・オー映画には色恋沙汰がないと観客が暴れる。そりゃご苦労さん、君が主役なんだからどうぞ好いたようにやってくれ。それでは幸運を祈る」
 
「だから早く行け。とっとと使命を果たして来い。行けというのに。何をぐずぐずしてい」
 
「っ違うそれは違うこっここは色恋沙汰場面ではない! なに色恋の相手役が昨日クビをくくった。そりゃもっともだわたしだってそうするだろ、しかしだ、だ、だからといって、てっ手近で適当に間に合わされてたまるかっなんだこの無理矢理な展開わぁっんっんがんぐ」
 
満場の客席、大拍手。涙ぐむ宮川泰。そして
 
(ごおおおおおおおん)
 

アナウンサー

「長野県の、善光寺です。
『スパイはつらいのよ / 私を愛したタコ社長』がしめやかに上映されています。」



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[166] 次の文章を読んで、問いに答えなさい 古賀 2003/01/19(Sun) 19:23


第二幕第二場 キャピュレット家の庭園。

「ああ、ロミオ。なぜにあなたはロミオなの?」
「むへへっ、いまさらカマトトぶったって、無駄ってもんや。
ほれほれ、わいのXXXをちゃんと見んかい」
ロミオはその生々しいXXXを取り出すと、ジュリエットを押し倒した。
「わいのXXXはどや、すごいやろ。ヌホホホッ」
必死にあらがうジュリエットであったが、やはり力ではまさらない。
執拗に体をまさぐるロミオの手管に、ジュリエットは翻弄された。
(どうして、こんな男に弄られて…。むはっ。だめよ。感じちゃ…)
「んあぁ。XXXはいやっ。それだけは堪忍して。ぅぅぅっはぁー」
卑猥な責めが激しさを増すたびに、ジュリエットの体は淫らに悶えた。
ロミオの狂おしい貪りに抵抗しながらも、ジュリエットは身の内に甘美な感情が芽生えつつあるのを押さえることができない。
「わいのXXXで、おまえをたっぷりXXXってやるさかい。」
「あたい、もうダメぇっ。くあぁぁーっ。」

                         『ロミオとジュリエット』 シェイクスピア原作 梅田千代子訳より



【問1】 ロミオ=ロミオ のとき、ジュリエットの恋の値をもとめよ。(10点)



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[165] (削除)  まき・とうこ  2003/01/19(Sun) 18:59

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[164] 恋の季節 〜雪江の場合 らい麦 2003/01/19(Sun) 18:56

恋の季節といえば、やっぱり夏。
だから、常夏の国、南の島へとアバンチュールに胸を膨らませてやって来たのに、ここには雨期と乾期しかありませんでした。



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[163] 名詩によせて 玄界灘男 2003/01/19(Sun) 18:03 [URL]

ミラボー橋の下 セーヌは流れ
僕達の恋も流れる
僕は思い出すだろう
悩み多き日には 楽しみの明日が来るだろう

鐘がなる 日がくれる
月日は流れ 僕は残る          (ギヨーム・アポリネール)


ミラボー橋の下にはセーヌ河が流れています。
家路を急ぐ人の流れの中、ある人がふと欄干から川面をみると
そこには見なれないものが流れているではないですか。
「おい、あれは恋じゃないか。」「恋にしては波も立てないぞ。」
「余程水練の達者な恋じゃないか。」
その内に一人が思い出したように叫びました。
「おい、あの恋は変だぞ!」

周りはすでに夕闇に包まれ始めています。
そんな中、橋のたもとに佇んで川面をじっと見ていたのは、
名探偵明智小五郎だったのです。           (江戸川乱歩)


・・・・中心に向けてぽっかりとあいた暗黒の穴は、すべてのものを吸い込み
ながら、うなりを上げています。
あの大きかった私たちの舟もすっかりと破片となって、中心に吸い込まれてい
きます。その時私は気付きました。セーヌの大渦巻きの流れには時差があるの
です。僕は恋にすがりつきながら計算を始めたのです。
                     (エドガー・アラン・ポー)
  

「ミラボー橋の下にはセーヌが流れているだろう?そういう事なのだよ。」
「しかし、ルパン。『僕達の恋』はどこへいったんだ?君が盗み出したこと
 は間違いがない。しかしあの時誰も『僕達の恋』を持っていなかったぞ。」
「思い出してみればいい。河は流れているのだ。僕は水に浮くようにして、
 投げ込むだけでいいのだ。あとは河口で部下がすくいあげればいいのだ。」
「なるほどさすがはルパン、それで君は現場に残ったんだな。」
                       (モールス・ルブラン)


「ねえ、ポアロ。僕がアポリネールの詩を口ずさんだ時に、どうしてあんなに
 驚いたんですか?」
「ヘイスティングズ、モナミ。あなたがこのポアロの灰色の脳細胞にヒントを
 与えてくれたんですよ。『ミラボー橋の下 セーヌは流れ』というつぶやき
 を聞いた時、『ミラー』、鏡のことに気付いたんです。」
「でもあの部屋には鏡はありませんでしたよ?関係なんかないじゃないですか。」
「ノンノンノンノン、ヘイスティングズ。恋する女性の部屋に鏡がないこと、
 これは大変におかしなことです。だからこそ私は残ったんですよ。」
                       (アガサ・クリスティー)

「ホームズ、どうしてファセット卿の依頼を断ったんだい。」
「ワトスン、あのファセット卿の右袖の黒ずんだ染みを見なかったのかい?
 あれはカーボンでついたものだ。いいかい、ワトソン。よい貴族というものは
 よい執事がついているのだから、家を出るときにはなかった筈なのだ。つまり
 は家からここまでの間になにかを複写したということなのだよ。」
「それがなぜ断る理由になるんだい?」
「僕に依頼する気なら何通ものコピーをつくる必要はないはずだよ。そこになに
 かの隠し事があるわけだよ。」
「しかしホームズ。一体主題となる『ミラボー橋の下』と『恋』はどこへ行った
 んだい?ここにはまるで出てこないじゃないか?」
「何、それ?」                   (コナン・ドイル)

         『あなたが選ぶ近代ミステリー傑作選』 「ミラボー橋」編

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[162] †恋の質問箱† らい麦 2003/01/19(Sun) 17:51


Q31:独り身の腹いせに、湘南平にある無数の南京錠をすべてピッキングでこじ開けた俺は、恋泥棒と呼ばれ手配されているが、逃げきれるだろうか?(男・神奈川県)

A:恋の逃避行は、まず成功しません。


Q33:恋人岬の展望台に、アベックが手錠で結ばれ繋がっていたのですが、あの二人の恋は成就したのでしょうか?(女・新潟県)

A:隣国に軟禁されています。


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[161] ボッコちゃん 詰めにくい 2003/01/19(Sun) 17:34

「名前は」
「ボッコちゃん」
「としは」
「まだ若いのよ」
「いくつなんだい」
「まだ若いのよ」
「なにが好きなんだい」
「なにが好きかしら」
「ジンフィーズ飲むかい」
「ジンフィーズ飲むわ」

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

「ぼくを好きかい」
「あなたが好きだわ」
「こんど映画へでも行こう」
「映画へでも行きましょうか」
「来週の日曜,空いてる?」
「日曜,空いてるわ。」

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

「星がきれいだね。」
「星がきれいだわ。」
「こうしていると,幸せだよ。」
「こうしていると,幸せだわ。」
「……。」
「……。」
「君が好きだ。」
「あなたが好きよ。」
「君を離さないよ。」
「あなたを離さないわ。」

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

「今,帰ったよ。」
「今,帰ったのね。」
「今日もきれいだね。」
「今日もきれいでしょ。」
「愛してるよ。」
「愛してるわ。」

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

「ぼくが,悪かった。」
「私が,悪かったわ。」
「いや,悪いのはぼくだ。」
「いいえ,悪いのはわたしよ。」
「愛してるよ。」
「愛してるわ。」

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

「いい天気だねえ。」
「いい天気だわ。」
「どっこいしょ。」
「どっこいしょ。」
「お茶に,しようか。」
「お茶に,しましょうか。」

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

「先に,逝くよ。」
「先に,逝くの。」
「向こうで,待ってるよ。」
「向こうで,待ってるのね。」
「お前といて,幸せだったよ。」
「あなたといて,幸せだったわ。」
「ありがとう。」
「ありがとう…ほんとうに。」


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