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[160] スポーツ短信 ナマクラ 2003/01/19(Sun) 16:24 [URL]

両国国技館では大相撲初場所が開催され連日熱戦が繰り広げられているが、この場所に横綱昇進を賭ける大関の朝青龍(高砂部屋)がこれに先立ち結婚の発表を行った。お相手はウランバートル市在住のゴンブスレン・トゥムルさん(22)。
二人の出会いは中学生時代のある朝。遅刻しそうになって急いで登校する途中で出会い頭にぶつかってしまったことがきっかけで恋が芽生え、以来遠距離恋愛を続けてきたという。トゥムルさんはもう妊娠しており、4月に出産予定。
記者会見を行う朝青龍はすでに大力士の風格を漂わせており、嫁取りに続き綱取りの可能性も濃厚である。

なお、「モンゴルの大平原で出会い頭にぶつかるとは不自然ではないか。本当に偶然なのか」と突っ込んだ奥羽総合新聞の山田記者は、朝青龍に「野暮なことを言っては駄目でごんす、ハッハッハ」と肩をポンと叩かれ、骨折など全治三ヶ月の重傷。


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[159] 睡眠学習 玄界灘男 2003/01/19(Sun) 15:54 [URL]


さあ、目を閉じて呼吸をゆっくりと整えてください。
これはあなたの潜在能力を引き出す「恋の睡眠学習プログラム」です。
さあ、呼吸をゆっくりと整えてください。

恋をしましょう。
あなたは今、素敵な彼と恋を始めます。
あなたは今、とっても素敵な彼と恋を始めます。
あなたは今、とっても素敵な彼ととびっきりの恋を始めます。

イメージしてください。
とびっきりの彼をイメージしてください。

彼はこっちを見ています。
とても素敵な笑顔でしょう?
あなただけのためのとびっきりの素敵な笑顔です。

ライバルが現れました。
素敵な長い髪の可愛いライバルが現れました。
彼はちょっと心が動いているようですね。

あなたの手には何がありますか?
あなたの手にはずっしりとした何がありますか?
あなたの手には手ごろな重さの大振りなボウィナイフがありますね?
素敵な長い髪の可愛いライバルは背中を向けていますね?
素敵な長い髪の可愛いライバルは何も気付かずに背中を向けていますね?

あなたの手は汚れていません。
あなたの手はちっとも汚れていません。
あなたの手はとてもきれいなままです。まったく汚れていません。

ほら、あなたの方を見て彼が笑っています。
ほら、あなたの方を見て、あなただけのために彼が笑っています。
あなたは彼の方に進むベきです。
あなたは彼の方に躊躇い無く進むのです。

大丈夫です、彼は太い足の女性が好きです。とてもとても好きです。
彼は下腹の出た女性が好きです。とてもとても好きです。
彼は一重瞼の女性が好きです。彼は太めの女性が好きです。
とてもとても好きです。とてもとてもとてもとても好きです。

恋をしています。
あなたは今、素敵な彼と恋をしています。
あなたは今、とっても素敵な彼と恋をしています。
あなたは今、とっても素敵な彼ととびっきりの恋をしています。

彼はあなたを傷つけません。
彼はあなたの気にすることをいったりして傷つけたりしません。
彼はあなたに口臭があってもわきがでも気にしたりしません。

彼はお金持ちです。都心の大きなマンションを持っています。
海外にもたくさんの別荘をもっています。スポーツ万能でユーモアがあり
おしゃれな場所をたくさん知っていて、あなたのために全てを捧げてくれます。

彼はあなたに夢中です。
世界中で一番あなたが好きです。
あなたのためなら何でもしてくれます。

イメージしてください。
とびっきりの恋をイメージしてください。

恋をしましょう。
あなたは今、素敵な彼と恋をしています。
あなたは今、とっても素敵な彼と恋をしています。
あなたは今、とっても素敵な彼ととびっきりの恋をしています。
この恋が終わらないためには追加料金の支払い了承ボタンを押してください。
さあ、次のシーンに行きましょう。
もっと素敵な、もっとアダルトな次のシーンに進みましょう。

イメージしてください。
とびっきりの恋をイメージしてください。

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[158] ニュース 流水木 2003/01/19(Sun) 14:14

 本日未明、大田区のスーパーマーケットで、店内に陳列してあった、
チョコレートが棚ごと、ブルドーザーによって、何者かに持ち去られる
という事件が発生しました。
 調べによりますと、事件現場には、使用されたと見られるブルドーザー
一台と、それを運んできたと思われるダンプカーが一台放置されており、
警察では、「来月のバレンタインデーに向けて、品不足が予想される
チョコレートを狙った窃盗団の仕業ではないか」と見て、保険会社並び
に金融機関に対して、大量のチョコレートの売り込みがないか、聞き込
みを始めている模様です。

 本日昼頃、JR山手線車両内で、乗っていた若い男女が、他の乗客数
名から、罵声を浴びせかけられるという事件が発生しました。
 調べによりますと、男女は、その日が初めてのデートということで、
手をつなぐわけでもなく、会話も弾まず、駅に停車する度に「あ、池袋
だね」「ええ、そうですね」というようなやりとりを繰り返していたと
ころ、それを見ていた乗客数人から、「お前たち、いつまでそうしてい
るつもりなんだ!」「池袋を通過するのも5回目だろ!」「いい加減、
目障りだから降りてくれ」「他の車両に移ってしまえ!」などと罵声を
浴びせかけられていた模様です。
 乗客の中には「お腹すいていないの?」「トイレは大丈夫?」と優し
く声をかけ、その男女に好意的な人達数人も乗り合わせていた模様です
が、事態が複数の車両にまで及んだため、その男女は、居たたまれなく
なって、上野駅で下車したとの事です。
 JR東日本では、今後、このような事件の再発を防ぐために、若いカ
ップルが車内で会話に困らないよう、車両の中吊り広告の見直しを検討
するとの事です。

 本日、午後3時頃、世田谷区赤堤の路上を歩いていた、会社員の男性
が、突然目の前に現れた女性から”すき!”と言われ、その場で立ちつ
くすという事件が発生しました。
 調べによりますと、男性が、やや俯きながら歩道を歩いてたところ、
路地から、いきなり女性が飛び出してきて、大きな声で「すき!」と叫
び、直後に走って立ち去って行った、とのことです。 警察では「ぼー
っとして歩いていた男性に、何か「隙」があったので、それを見た女性
が一本取ろうとして、男性に近づき、”すき!”と叫んだところ、それ
を告白と勘違いした男性が、ショックのあまり、立ちつくしてしまった
のではないか」と見ており、その会社員の男性と交友関係のある武道に
心得のある女性数十人から詳しく事情を尋ねている模様です。

以上、恋のニュースでした。

NHK

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[157] 恋人達に 流水木 2003/01/19(Sun) 14:01

バニラ
抹茶
シナモン
ペパーミント
クローヴ
バジル
レモン
メロン
ファンシーバナナ
ワイルドストロベリー
パッションフルーツ
マンゴー
スターフルーツ
パパイヤ
グアヴァ
ローズ
ラベンダー
ガーリック
ジンジャー
ニラ
納豆
たこ焼き
山葵マヨネーズ
和風だし
すきやき
バーベキュー
辛子明太
キムチ

あなたの恋を美しい思い出にするために・・・・

OKAMOTO

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[156] 初めてのデート 流水木 2003/01/19(Sun) 13:49

女:ぽっ・・・・




男:ぽっ・・・・




女:ぽぉ〜〜〜〜




鳩:ポッポォ〜〜〜


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[155] ラバーズ・コンチェルト 気楽院 2003/01/19(Sun) 13:44 [URL]


 こんなに君を想っているのに。

 こんなにあなたを想っているのに。



 二人はもうどのくらい、足踏みを続けてきただろう。



 ボクハ キミガ スキ

 それを伝えたいだけなのに。

 ワタシハ アナタガ スキ

 それを伝えたいだけなのに。



 でも、それを形にすると、きっと相手を傷つけてしまう。

 不器用な二人は、そうする以外、想いを伝える術を知らないから。

 二人にはそれが分かっているから。

 傷つけることが怖いから。

 あともう一歩が踏み出せない。



 似たもの同士の二人は、同じ悩みで立ち止まっている。



 互いの想いが、互いの優しさが、今は互いをさいなむ。

 そんな不条理の直中で。

 もう何日、眠れぬ夜を過ごしただろう。

 食事をとる気も起こらない。



 こんなに君を想っているのに。

 こんなにあなたを想っているのに。



 こんなに、こんなに苦しいのに。



 ……スキあらば相手をぶん殴って洞窟に引きずり込まんと、棍棒を構えて丸十五日間
にらみ合ってきた北京原人のオスとメスに、もはや体力の限界が迫りつつあった。


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[154] RPG「人間に恋したい!」  かくたかひろ 2003/01/19(Sun) 13:27 [URL]


RPG「人間に恋したい!」

飛天学園を舞台に巻き起こる、タケルとアスカのラブストーリー。このゲームには25通りのバッドエンディングが用意されており、うっかりすると、タケルはネギと恋に落ちてしまいます。アスカと結ばれるためには、とにかくネギから身を避けること! そのトラップの一部を紹介しますので、自力でクリアしたい人は読まないでくださいね。

1.タケルはアスカとのデートに行く途中、ネギ畑に迷い込んでしまいますが、ここで時間を忘れてひと休みしてはいけません。急いでデートへ!
2.タケルはアスカとのデートでファミレスに入りますが、ミルクティーを注文してはいけません。店長のミスで、おいしいネギが入っています。
3.タケルはアスカと映画を見に行きますが、前の方の席に行こうと言われても、絶対に断ること。シートはネギだらけで、ひじ掛けもありません。
4.国語の授業中、教科書を忘れても隣のユキオから借りてはいけません。しおり代わりにネギが挟んであります。しおりの便利さを教えましょう。
5.タケルはバスケ部の先輩から「ネギ買ってこい。新鮮なやつ」と頼まれますが、殴られる覚悟で、新鮮なネガを買って部活に戻りましょう。
6.飛天学園の教師は、すべて脳にネギを移植されたネギ人間です。進路指導で呼ばれても「ちょっと、あの、あれなんで」と言って逃げましょう。
7.タケルは風邪を引きますが、のどにネギを巻いてはいけません。おばあちゃんの強烈なプッシュをやんわり退け、パブロンで完治させましょう。
8.タケルは生き別れた父とモンゴルで出会いますが、「これ、つまらないものだけど」とネギを手渡されても、心を鬼にして突き返しましょう。
9.タケルの体からネギが生えてきたら、すぐさま病院へ行くこと。日光に当てたり、栄養を与えると、すくすく育って実りの秋を迎えます。


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[153] (削除)  かくたかひろ  2003/01/19(Sun) 13:24

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[152] シェイクスピアに花束を GIN 2003/01/19(Sun) 12:14 [URL]

「おお、ロミオ。あなたはどうしてロミオなの」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(顎に手を添え物思いに耽るロミオ。暫しの沈黙)

「ロミオさま?」
(ジュリエット、長引く沈黙に耐え切れず口を開く)

「どうしてだろう」
(ロミオ、ひっそりと呟く)

「え?」
(唖然とした表情のジュリエット。ロミオ、顎に手を添えたままゆっくりと
ジュリエットに視線を移す)

「どうして僕はロミオなんだろう」

「いや、あの、えっとぉ、多分あなたのご両親がつけたんじゃないかしら」
(ジュリエット、どもりながらも必死に答える)

「ううん。今思い出したんだ。僕はモンタギュー家の人間じゃないんだよ」
(ロミオ、うってかわって力強い口調で語り始める)

「え、じゃああなたは・・・」

「西園寺健太郎。九州の旧家西園寺家の次男だったんだ、僕は」

「サイオンジ、、変わった名前ね。でも何故?」

「なぜだろう、よく思い出せないんだ」
(西園寺、すっと表情を曇らせる)

「ロミオ、いえサムソン」

「西園寺だよ」
(西園寺、つぶさに訂正)

「ごめんなさい。聞きなれない言葉なんでつい」
(うつむくジュリエット)

「ううん、気にしないで。今までどおりロミオと呼んでくれていいよ」
(西園寺、ジュリエットを優しくフォローし微笑む)

「ありがとう。こんなときでも優しいのねロミオ」
(見詰め合うふたり。やがて自然に唇を合わせる)




「ごめんなさい、今はロミオになにが起こったか考えるべきね」
(少し頬を赤らめたジュリエット、恥ずかしそうに小声で提案する)

「そうだね思い出してみるよ。・・・・そうだ、その日僕は当時付き合っていた
加茂川絹江さんと北九州市内で食事をしていたんだ」

(ぎゅっとスカートを掴んで下を向くジュリエット。彼女の異変に気づいた
西園寺、優しく彼女の肩に手をやる)

「ジュリエット、どこか具合でもわるいのかい」

「ううん、ロミオに私以外の恋人がいたなんて考えもしなかったから・・・」

「昔のことさ。いまはジュリエット、君だけを愛している。信じてほしい」
(西園寺、ジュリエットを抱き寄せ耳元で囁く)

「信じてないわけじゃないの。ごめんなさい」
(ジュリエット、自分から西園寺の手をほどき、にっこりと微笑む)

「ありがとう。えっと、どこまで話したかな・・・・・・・・・・・・・・・・・そうそう、食事だ。
彼女と僕は食事のあと車を海岸につけてずいぶん長い間語り合っていた。その当時
僕らにとってそうすることが当たり前になっていたんだね。時間は、午前二時を
少し回った頃だった。それまで楽しそうに甥っ子の話をしていた彼女が「何あれ」
って海の向こうのほうを指したんだ。僕は彼女が僕を引っ掛けようとしてるんだと
思って笑いながら彼女の指したほうに目をやった。すると光がぱぁーっと広がって
・・・・・・・広がって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・広がって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・わからない。そこからの記憶がすっぽり抜け落ちているみたいだ。
次に目が覚めたとき僕はもうロミオになっていたような気がするよ」

(西園寺、両の手で頭を抱え、苦悩の表情を浮かべる。その後西園寺、記憶の糸を
手繰りながら「光がとても鮮やかなオレンジ色だったこと」「海岸ではよく子供が
神隠しにあっていたこと」「二年前赤ちゃんセイウチが現れてちょっとしたブームに
なったこと」などを語る)



「ふうん、不思議な話ね。その後変わったことはなかったの」
(ジュリエット思案顔で尋ねる)

「うーん思い当たることは・・・・・・・・・・・・・・・あっ、関係あるかどうかわからないけど
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これを見て」
(ジュリエット、西園寺が掻き上げた後ろ髪の奥を覗き込む)

「なになに・・・・・・・・・・・あら、これ、なにかしら?」
(ジュリエット、西園寺の後頭部皮下に埋め込まれた銀色のカプセルのような物体に
おそるおそる触れる)

「何か埋まってるような異物感があるんだけど・・」

「ええ、なにか銀色のカプセルのようなものが埋まってるわ」
(ジュリエット、カプセル状の物体をちょいちょいと突っ付く)

「銀色のカプセル?」
(西園寺、ジュリエットの言葉に引っ掛かりを感じ、額に深い皺を刻む)

「あっ、カプセルがチカチカ光った!素敵!」
(黄色い声をあげるジュリエット)

「チカチカ光るだって!!」
(西園寺、大きく目を見開きジュリエットに飛びかかる。
小さく抵抗するジュリエットを無視し、強引に彼女の胸元を軽くはだける)

「だめよ、ロミオ。いえ、サモハン。まだはやいわ」
(頬を赤らめ恥らうジュリエット)

「西園寺だよ。やっぱりだ、これと一緒だ」
(西園寺、軽く訂正した後ジュリエットの胸元でチカチカ点滅を続ける銀色の
カプセルを凝視する)


(ジュリエットと西園寺、しばし互いの体に埋め込まれた銀色のカプセルを観察
しあう。30分後、銀色のカプセルにはシリアルナンバーのような番号がつけられて
いること、カプセルの点滅は感情の起伏によって点滅スピードが変化することなどを
確認する)




「これは、どういうことだろう」
(自分の考えに没頭する西園寺、胸元から煙草を取り出し咥える)

「わたしたち・・・・・・・・・双子ってこと?」
(ジュリエット、不安げに西園寺の顔を覗き込む)

「いや、おそろく違うだろうね」
(西園寺、さらりと否定)

「じゃあ・・・・・・・・・・・・・ドッペルゲンガー?」
(ジュリエット、さらに深く西園寺の顔を覗き込む)

「ちょっと黙ってて。ん・・・待てよ・・・・もしかして・・・・・・・・・ジュリエット、これを
見てごらん」
(西園寺、おもむろに懐から純銀製のドッペルゲンガー人形を取り出す)

「あ、それは確か、わたしが西園寺君の誕生日にあげた・・・・・え?、わたし今・・・・
西園寺君?!西園寺君なのね、やだ、私いったい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
(ジュリエット改め絹江、過去の記憶を取り戻し激しく動揺する)

「絹江さん、やっぱり絹江さんだっただね。何故今まで思い出せなかったんだろう」
(西園寺、やや高揚した声で自問自答する)

「わたしもよ西園寺君。これってどういうことなのかしら」
(絹江、若干落ち着きを取り戻し尋ねる)

「ううん、僕にもよくわからないよ。ただ僕たちが何者かにだまされ続けていたこと
だけは確かなようだね」
(西園寺、表情を硬く強張らせたまま大きく煙を吐き出す)

「だますって、いったい誰が?」

「うーん、確信は持てないがひとつだけ心当たりがある。絹江さん、君の両親と名乗って
いた人たちのことなんだけど」
(西園寺、絹江の目をじっと見据える)

「何?お父様とお母様を疑っているの。あの人たちはとてもよくしてくれていたわ。
あの人たちは絶対に悪い人じゃないわ」
(絹江、両親に疑惑の目を向ける西園寺に激しく抗議)

「興奮しないで。僕は以前からどうにも不思議に思っていたことがあるんだ。絹江さん、
君の両親は普段どんな服を着ていたか覚えているかい」
(西園寺、冷静に絹江を諌め、質問を返す)

「体にとてもよくフィットした銀色のタイツだったかしら」
(絹江、宙に視線を燻らせながらゆっくりと答える)

「顔の特徴は?」

「肌は濃い蛍光がかった緑色で、黒目のない瞳はぱっちり大きかったはずよ」
(噛み締めるように答える絹江。その答えを聞きながら西園寺、小さくうんうんと頷く)

「どうだい、僕らと比べて少しおかしくないかい」

「・・・・・・・・・・ちょっと見た目はおかしいけど、いい人よ」
(絹江、やや動揺しながらも両親を庇う)

「ならどうして僕と君の間を遠ざけようとするんだい」
(西園寺、絹江をやや強く問いただす)

「それは・・・・・・・・・・」
(絹江、唇をきゅっと噛み、西園寺から視線を背ける)

「僕と君があっているうちに何かの反動で記憶を取り戻すことを恐れていたんだと
としたら」
(西園寺、確信に満ちた表情で自分の考えを語る)

「そんな・・・・・・・・・・・・・・。でも、それだったら私と西園寺君をもっと遠く、どこか
別の国に隔離すればよかったんじゃない?こんな頻繁にあえるような距離に置いて
おくだなんてナンセンスだわ!」
(絹江、体をいやいやと震わせ悲鳴に似た声をあげる)

「別の国?」
(西園寺、怪訝そうに繰り返す)

「そう、アメリカとか、イタリアとか、フランスとか、それに、中国、韓国、
あ、オーストラリアもいいじゃない。陸の孤島って感じするし、うってつけだわ」
(指を折りながら国名を並び立てる絹江。西園寺、絹江の肩に手をやり軽く揺さぶる)


「絹江さん、しっかりするんだ。ここはどこだかわかっているのかい」
(絹江、はっと我に返り周囲に視線を泳がせる。やがて深く重いため息をひとつつき、
ゆっくり口を開く)


「・・・・そっか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・宇宙船の中なのね」


(西園寺、絹江の二人ゆっくりと後ろを振り返る。窓の向こうには広大な宇宙空間が
広がっている。圧倒的な絶望感に支配される船内。ふたりは手を取り合い宇宙船の
自動爆破スイッチに手を伸ばす。爆破する宇宙船。脱出ポットを使用し慌てて逃げ出す
宇宙人たち。西園寺と絹江、永遠の愛を誓い合ったのち、爆破によって生じた宇宙船の
穴に身を委ねる)

−完−


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[151] (削除)  GIN  2003/01/19(Sun) 12:05

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