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[50] ゲレンデが溶けるほど変死体 しーもす 2003/01/13(Mon) 19:59 [URL]

「津山警部、鰐無スキー場で発見された女性の死体ですが、検証の結果、事件性は無いようです」

「あれは確か…雪解けで発見されたんだったな」

「はい。殺害後何者かによって雪に埋められた、という線もあると見て捜査を行っておりましたが、
前頭部と胸部、腹部の打撲のほかには目立った外傷や争った形跡もなく、
検屍の結果、打撲傷は立木への衝突によってできたものと断定されました」

「で、身元は割れたのか?」

「はい。女性は横浜市港北区の会社員、弘瀬小海さん24歳とわかりました」

「しかし桜井、なぜ不明時にすぐ周辺から届け出がなかったんだ?」

「女性はツアーではなく単独で、宿泊先のホテルも最終日のチェックアウト後でした。
鍵がかけられたままのスキー場のロッカーから、荷物が発見されるまで日数がかかりました」

「会社や家族は?」

「女性は一人暮らしの上、勤務する会社では無断欠勤の常習で孤立し、目立たなかったため、
同僚や上司が異変に気付くまでに数日が過ぎたようです」

「都会の死角だな…。しかしゲレンデの状態が発生当時とは違うから、単独の事故だという裏付けが難しいぞ」

「ええ、しかし当日ゲレンデにいたと思われるツアー客などに聞き込みを行ったところ、
小さい悲鳴のようなものの直後に鈍い衝突音が聞こえたという証言が複数ありました。
積雪は音を吸収するため気付いた者が少なく、また立木の発見から衝突まで声を上げる時間がなかったものと思われます」

「だが…」

「ゲレンデで弘瀬に追いかけられていた男、大澤隆夫25歳が捜査線上に浮かび、事情聴取を行いましたが、
友人2人と常に行動を共にしており、友人の証言でアリバイが成立しています」

「うーむ…」

「彼らからも、背後からドスッという衝突音が聞こえたという証言が得られました」


「なるほど。で、証言を総合するとどうなるんだ?」

「この検証図をもとに説明します。弘瀬をA、死体発見現場をA’、音が聞こえる前の大澤をBとします」

「うむ」

「Aはこの地点で友人と滑っているBを発見します」

「立木の向こう側か」

「はい、ゲレンデのコースは立木を巻くように右へカーブしていますが、
まだBの位置はAから見て立ち木の左側だったと思われます」

「Aからは立木がまだ視界の右側にある状態だな」

「ええ、この時点でAはBしか視界に入っていません」

「大澤しか見えない…これは!絶好調、真冬の恋、だな?」

「そうです警部!そしてこの矢印の区間で加速」

スピードに乗って

「雪を1m以上盛り上げてコースの境界を示しているんですが、Aは勢いでここに乗り上げます」

急上昇

「ここで立木の存在に気付いて悲鳴をあげる間もなく」

熱いハート

「立木にぶつかって倒れ、枝に載っていた大量の雪がその上から…」

溶けるほど恋したい、と」

「ええ」


「…よし、特に不審な点はなさそうだな。桜井、これまとめといてくれ」



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[49] 部族存亡の危機 しーもす 2003/01/13(Mon) 19:43 [URL]

ブッシュマンから名前が変わってからというもの、
恋愛への集中力が散漫になったという悩みが長老のもとに多く寄せられるらしい。

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[48] やる気の出る教科書 専務の犬 2003/01/13(Mon) 19:35 [URL]

学力低下防止の切り札となれるのか?
生徒の学習意欲に火をつける教科書が登場。

「思春期の数学 中学3年」 啓文堂

目次

第一章 恋の因数分解
 〜「共通因数」で見つける出会い〜
 
第二章 恋の平方根
 〜伝えきれない想いは「ルート3」〜

第三章 恋の2次方程式
 〜「解の公式」で心の鍵を解く〜

第四章 恋の2次関数
 〜2人の心の距離が描く「放物線」〜

第五章 恋の三角形
 〜「相似と比」ライバル登場〜

第六章 恋の確率
 〜その恋、成功する確率教えます〜

第七章 まとめと力だめし


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[47] 至福 dream99 2003/01/13(Mon) 19:30 [URL]

4ヶ月ぶりに彼と会った。

前見た時よりずっと元気そうで顔色も良かった。
私は平静を装ってたけど、内心は期待してた。
彼も私の様子をチラチラうかがってるみたいだった。
案の定、二人で向かい合った途端、彼の両手がいきなり私の腰に伸びてきた。
私は抵抗したけど、彼は離してくれない。
彼は私を持ち上げるようにして両腕で抱えこんだ。
互いの顔が間近になり、荒い息づかいが聞こえた。
ぴったり合わさった胸から熱い鼓動がもろに響いてきて、気が遠くなりそうだった。

突然、私の頬に彼が高揚して真っ赤になった頬をこすりつけてきた。
剃り残した髭跡がチクチクして痛い。
懐かしいローションの臭いが鼻にツーンときて、
濡れた唇が私の唇にあと1cmの所まで近付いてきた。
・・・キス? まさか・・・でも・・・ 
私は自分の心と反対に、思わずいやいやをした。
彼は無理強いしなかった。・・・残念。
その後しばらく、私たちはお互いの体をただギュッと抱きしめ合っただけ。
嬉しかったけどすごくはがゆくて、どうにかしてくれないの?なんて思った。

どのくらいそのままでいたのか覚えてない。
私を抱いていた彼の腕に力が入って、
彼が私を押し倒すようにして私たちは同時に床に倒れこんだ。
彼の体重を全身に感じながら、
私は彼がそのままの姿勢で、一生抱きしめていてくれないかなって思った。
そんな事を願う自分が恥ずかしくて、目を閉じたままだった。
彼の激しい息づかい以外、他に何も聞こえなかった。

思いきって目を明けた時、彼の体は私の上になくて、力強い手だけがそこにあった。
私がその手にすがりつくと、彼は私を自分の方へぐいと引き寄せた。
私は思わず期待して彼を見上げた。
でも、彼はさっさと私の手を振り放し、後ろずさりしてその場にしゃがみこんだ。
その目はもう私を見ていなかった。
私は黙って膝の埃を払い、軽く会釈をしてその場を走り去った。
走りながら、涙があとからあとから不思議なほど溢れてきた。
側にいた人たちが、私の裸の背中を馴れ馴れしく叩くのがたまらなくイヤだった。


その時、遠くから行司が彼の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。

たかっち・・・また来場所、会えたらいいね。(はぁと)


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[46] 無粋 Shi.Ma.Chu 2003/01/13(Mon) 19:03

ドイツの臨床心理学者R.ハイマンの説によれば、
ロミオとジュリエットの恋愛感情は、その大部
分が禁忌破りに対する背徳的な喜びに起因する
ものであり、仮に二人が結ばれることがあった
としても、その結婚生活は惨憺たるものであっ
た可能性が非常に高いそうだ。

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[45] 恋の病 ボブ田 2003/01/13(Mon) 18:50 [URL]

ヤバイ。恋かも。
つっかえ気味の早口と一緒にパタパタと上下する濃いマツゲを眺めるうち、俺はアヤ子に恋をしたらしい。男子感染者の3人に1人は自爆するという驚異の感染症、恋。

アヤ子の事しか考えられずメシも食えなくなって三日目、俺は病院へ行った。
「ハイ、口を大きく開けて・・うーん。次はお腹を・・ハイ背中・・」
待合室にアヤ子が現れるんじゃという無茶な願望と闘ってグッタリしてる俺に、医者は言った。「恋かも知れませんねー。あとはそっちの部屋で採血して下さい、結果はあさってになりますー。」ああ、お前のせいで血までとられたぞ。どうしてくれるんだ、アヤ子。

拒食で即身仏に似てきた六日目、再び病院へ行った。アヤ子アヤ子アヤ子。
「検査の結果は恋でしたねー。注射ですぐ治るから大丈夫ですよー。」
ドモリンゲルとダテマキスコを10ミリずつ。そう中年の看護婦に指示をする。
あらぁ、恋なんですかぁ?ウッフッフッ・・・。
うるさい看護婦だ。文句あるか。ああ、アヤ子アヤ子アヤ子。それにしてもなんで女は恋をわずらっても平気なんだ。

注射をした翌日、恋はケロリと治っていた。
一週間ぶりに学校へ行く。
「風邪?うつさないでよ〜キャハハ」とアヤ子が絡んできた。
もう大丈夫。アヤ子を見てもなんとも思わない。
ふと思いつき、俺はアヤ子の頭を抱え込んでキスしてみる。
なにすんのよバチン!と平手打ちしてアヤ子は逃げた。頬をさすり、アヤ子の唇の感触を思い出す。ドキドキする。ドキドキするじゃないか、ヤブ医者め。治ってないじゃないか!


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[44] ピンク・フラミンゴ 鉄子 2003/01/13(Mon) 18:24

無題 標準ページ

ザー ザー ザーザー ザー ザーザー ザー ザー

コンコンッ コンコンッ
コーチ! コーチ!!

どうした!? こんな遅くに!

コーチ あたし...
出島先輩のことが、好きになってしまいました。
こんな気持ちのままじゃ、続けられません!
自信がないんです。
コーチ...あたし、一体どうしたら...?

素振り100回 !! 

え!?

縁側で 素振り 100回!!

素振り...?

 

フラミンゴ!!

....いつのまに

 

この土砂降りの中、出島先輩への思いに押しつぶされそうになって
コーチのお宅まで、夢中になって駆けて来た。

おっぱいの先が透けて見えるほど薄いピンクのネグリジェを
まとっているのに無意識のうちに

あたし....

フラミンゴを握っていた!!

あたしやっぱりクリケットが好き!

先輩ごめんなさい。
あたし、クリケットが好きなの。

女王様の前で、おっかなびっくりやるクリケットが好き。
生きたハリネズミにフラミンゴを思いきりあてる....あの感触が好き。

クリケットが好き!!

あたし、クリケットに恋してる!!!

 

 

シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ 
シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ

ザーザーザーザー ザーザーザーザー ザー

 



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[43] くもすけ 2003/01/13(Mon) 17:17

オオカマキリのミドリちゃん(メス、体長8センチ)は、
昆虫界一の純情派として知られているが、
「恋人と長続きしない」という誰にも言えない悩みを、
こっそりと腹の中にしまっている。


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[42] さらばあらびき女よ まき・とうこ 2003/01/13(Mon) 15:56

「一目惚れ」など女子供のたわごとだと信じていたが、それは誤りだとその瞬間私は理解した。本能と欲望とが渦巻くその店で客を引くあまたの女の中、かの女はひとり光が射すように輝いていた。やがてこちらを見ると、女は潤んだ大きな瞳を私にじっと据え、そして口を開いた。

「いらっしゃいませいかがですかぁ、今日は丸大ウインナーがお買い得ですよぉどうぞお試しくださぁい」

日曜の午後5時半、マルエツ野々下店精肉売場エンドの、かの女は通路に立つ女だった。ノルマの数だけ肉を売り、売上を組織に吸い上げられる女だ。日がな通りすがりの客に肉を食わせる女だ。食欲を満たすだけ満たしたあげくふと遠い目をして、「あーらあれは林さんの奥さん。奥さん、奥さぁーん」と適当こきながら逃げる客をも笑顔で見送ることを強要される女だ。これまでそうして日銭を稼いで来たし、だからこれからもそうだとひっそりと信じている女なのだ。

「こんなふうにお野菜とかと炒めてもおいしいですからぁ、はいお父さんひと口お試しいかがですかぁ」

何のためらいもなく私をお父さんと呼ぶ女がいる。日曜の夕方に野々下マルエツにカゴを抱えて買い物に来る男を。汚れていない。疑うことを知らないのだ。この世界に身をおきながら、なんという純真無垢な女だろう。

「それからぁ冷めてもおいしいですからぁ、お弁当のおかずとかにもぴったりですよぉ」

私の脳裏に、朝日の射しこむキッチンでにっこり微笑み、弁当箱に白飯とウインナーをぎゅうぎゅう詰めこむ美しい妻の姿がよぎった。そしてキティちゃんの弁当袋を下げ、「ちこくちこく!」 と食べかけのトーストをくわえ走って出ていくセーラー服の娘。奇妙なことに、その架空の妻と娘は、この目の前の女の顔をしている。

「いかがですかぁ?今日は2袋で300円とお買い得になってますしぃ、冷凍とかききますからぁ、まとめ買いでさらにお得ですよぉいかがですかぁ?」

私はお買い得テープで巻かれた2袋セットを差し出す手にとりあわず女の顔を正面から見た。すると女の顔に張りついていた微笑みがぬぐわれるように消えた。私はその目を見つめ言った。

 

もっと熱く焼いてくれ。とても熱く焦げるほどに。黒焦げで歯型でしか身元がわからなくなるまでに。

 

すると女は言った。 

「何このオヤジ、ばっかじゃないの」 

私は袋の上から女の手を握り続けた。

 

店がはねたら夜の海に行かないか。君、蛸は好きかい。 私は素晴らしい蛸のサンクチュアリを知っている。君をそこに連れて行こう。かつて少女だった君の夢を今かなえてあげよう。

 

それは組織にむしられるように生きてきた女が初めて聞く優しい言葉だったに違いない。女は手を強く振り払い、袋を取り落とすと、口を覆って息を呑んだ。そして大きく目を見開き、背後を確かめると、  

「佐藤さん!佐藤さぁーん!この人超怪しいでぇーす!」

私は佐藤精肉部統括の名札をつけた大男が、観音開きの倉庫口に右手をグーに固めて現われ、日曜夕方の雑踏を奇跡のようにかきわけ3歩でこちらにやってくるのを見た…

そして意識が戻ると、精肉売場は闇に閉ざされ、私は冷たいリノリウムの床にひとりあおむけに倒れていた。精肉ショーケースから流れ落ちてくる白い冷気にさらされ私は震えていた。なんだか顔中がひどく臭い。掃除人が臭い水の滴るモップでごしごし拭いていったに違いない。こみ上げる嘔吐をこらえようとしたとき、私は右手に何かが握らされているのに気がついた。それは、爪楊枝に刺さった一匹のタコさんウインナーだった。

私は横たわったまま暗闇で涙を流した。次々と耳の穴に流れこむあたたかい涙を感じながら、私は震える手で冷え切ったタコさんウインナーを口に入れた。

確かにこれならお弁当のおかずとかにもぴったりだろう。

 



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[41] (削除)  まき・とうこ  2003/01/13(Mon) 15:41

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