ピンポンパンポーン
「テレビ放送の時間です。テレビのスイッチを入れてください」

「おお、もうそんな時間か？」
「誰か早くテレビ付けてよ〜」

「こんにちは、お昼のテレビ放送です。今日はスペシャル企画として、
　野球部の新キャプテン２年Ｄ組の鈴木太郎君にお話をうかがいます。
　よろしくお願いします」

「キャー鈴木く〜ん」

「よ、よろしくお願いしま……」

「キャーかわいー」

「夏の甲子園大会で準優勝したあと、３年生が引退してキャプテンに
　なった訳ですが、キャプテンの仕事は大変ですか？」
「大変というほどでもないですよ。最初は僕に皆がついてきてくれる
　かどうかが心配だったんですが、皆協力してくれていい感じになっ
　てきてます。実は夏のあとちょっと部全体が沈んでいたんですが、
　今は来年に向けて『次こそは優勝だ』って盛上がっているんです」
「そうですか、夏の大会ではあと一歩という所でしたからね。応援に
　行った私たちも来年こそはって勝手に言ってますしね」
「はい、応援してくれる学校中の皆のためにも頑張ります」
「特に鈴木君は、エースで４番でキャプテンですし、とってもカッコ
　いいので女の子のファンがすごいですよね」
「そんなことないですよ、僕なんか全然……」

「キャーてれてる〜、かわいー」

「あらあら、キャプテンは照れていますが。ここでキャプテンに質問
　コーナー。今から３つの質問をします。ちゃんと答えてくださいね」
「は、はい、なんか恐いな」
「まず１つ目の質問、好きな食べ物はなんですか？」
「ああーえーと、何でも好きですよ。何でも食べます」
「何か１つ上げてください」
「んー、じゃ、せんべいかな」

「鈴木君ってちょっとジジムサイ〜、でもそんなトコもかわいー」
「おいおい」

「じゃあ２つ目、将来の夢はなんですか？」
「それはもちろんプロ野球選手です。できればメジャーに行きたいと
　考えています」

「おお〜」

「それでは最後の質問です。鈴木君のうんこはどんな形ですか？」
「え？なんだって？」
「鈴木君のうんこはどんな形ですか？」

「キャー」

「あ、あのそれはどういう……」
「ちゃんと答えてくださいね」
「ははは、まいったな。こんな仕掛けがあったとは、放送部にしては
　普通だなと思ったら……」
「ちゃんと答えてくださいね。全校生徒が見てますよ」
「うっ……し、鹿のフンみたいなやつ……」

「キャーイヤー、かわいー」
「おいおい、おまえらそれでいいのか」

「そうですか。ありがとうございました。今日は野球部の新キャプテ
　ン鈴木太郎君にお話をうかがいました。これで今日のテレビ放送を
　終わります」

ピンポンパンポーン
「テレビ放送を終了しました。テレビのスイッチを切ってください」

「今度のバレンタインは手作り鹿せんべいで決まりね」
「私は奈良まで買いに行っちゃうも〜ん」
「ずる〜い、私も買いに行く〜」
「だからおまえらそれでいいのか」