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[230] 涙と血の味 はなじろ 2001/03/20(Tue) 23:50
 これが血の涙ってやつなんだな・・・
 こんなにつらいことって、世の中にあったんだ・・・

 居候の吸血鬼が、テレビで目から牛乳を流す奇人を見た後、滝のような
涙と脂汗をたらして首筋を痙攣させながら、瀕死の表情で鼻から血を啜る
特訓をするのを眺めながら、俺はぼんやりと思った。

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[229] 無知の涙 玄界灘男 2001/03/20(Tue) 23:47 [URL]
「刑事さん、俺本当にやってねえんだよ、信じてくれよぉ。」
「喧しい!犯人ってのはなあ、『はい、やりました』なんて言わねえんだよ!」
「でも本当にやってねえんだよぉ。」
「じゃあ聞くけど、お前3月20日の夜どこに居たんだ?」
「何度もいうけどそん時は池袋で飲んでたんだよぉ。」
「店の名前は?店の名前はなんて言うんだ?言ってみろよ。」
「だからよぉ、そん時は酔っぱらってて憶えてねえんだよ。」
「場所くれえは憶えてるだろう?ああ?」
「判んねえんだよ。全然憶えてねえんだ。なあ、も一回調べ直してくれよぉ。」
「池袋界隈はしらみつぶしに探したんだ。でもお前のいうような店はねえなあ。」
「そんなあ、絶対にあるって!おれにはアリババがあるんだよぉ。」
「・・・・・あえっ??」
「だからアリババだよぉ。ほら、ドラマであんだろう?どこそこにいた、って。」
「・・・・・アリババ・・・?・・・アリババねえ。」
「そうだよお、完全なるアリババがあるから犯人じゃあねえんだよお。」
「そうか・・・・、アリババがあるのかあ・・・・・。ふっふっふ。」
「判ってくれるだろぉ?アリババがあるんだから犯人じゃねえよぉ。」
「盗っ人だからアリババか・・・。ふっふっふ。うまいなあ。」
「何言ってんだよ。アリババは盗っ人じゃねえよ。盗賊は40人の方だよ。」
「・・・・・なっ、生意気言うんじゃないっ!やっぱりお前が犯人だっ!
 連れてけ!」
「そんなあ、冤罪だってばよぉ。まってくれって・・・・・・・」(声遠のく)



[228] 記録 kiria 2001/03/20(Tue) 23:41 [URL]
62年の人生の中一度も涙を流さず生きてきた
人物が発見されギネスブックに記録が載ること
になった。この人物は長野の山中の古寺で代々
住職の職に就く家系に生まれた男性で、生まれ
た時から悟りの境地に達し、赤ん坊の頃も感情
を吐露する事もなく、淡々と過ごしていたとい
う。この男性はインタビューを試みた地元の新
聞社の記者の質問に答えて、
「23才の頃、タンスに小指をぶつけて、よろ
めいた時にちゃぶ台に弁慶の泣き所をぶつけた
時、頭にジーンと来た事はあるが、それでも泣
かなかった。」と語った。




[227] ショー まる 2001/03/20(Tue) 23:32
蒸し暑い8月の午後、とあるデパートの特設会場。
爆音、歓声、咆哮が熱狂的に交錯する。
ステージ上では、ウルトラマンと怪獣、異星人が
いつ果てるとも知れない大激闘を繰り広げている。

ステージ右隅に立つ女性が金切り声をあげた。
「みんな、ウルトラマンを力一杯応援するよ!
せーのっっ!」
それに呼応する客席の子供達。
「がんばれーーーーーーーーっっっっっっ」

2体の敵に押され気味だったウルトラマンが、
声援を受け、死力を振り絞る。キック、パンチ、
チョップ。怪獣、異星人ともにじりじりと後退してゆく。
なおもウルトラマンは攻め続ける。力の限り。

−我が命尽き果てようとも、この地球を守る!−

攻撃に被さるウルトラマンの決意。そして−
腕を十字に交差させるポーズ。耳を裂く効果音。
子供達が歓喜に沸き返る。スペシウム光線を放ったのだ。

豪快に崩れ落ちる怪獣。そして、異星人は藻掻き苦しみながら呻く。
「我らとて、住む星を失い、同胞を失い、果てしない宇宙を幾光年
彷徨った・・・ この星は美しい・・・我らには眩しかった・・・手にしたかった・・・
ウルトラマン・・・!生き続ける星が在り続ける影に・・・死にゆく星が在ることも・・・忘れるな・・・・・!グァァァァァ!」

断末魔の叫びとともに倒れ伏す異星人。戦いは終わった。

「やったね!みんな!悪い宇宙人から、地球を守ってくれたウルトラマン、
どうもありがとう!!」
甲高い声でまくし立てる女性。だが、会場は静かだった。

−宇宙人さん、かわいそう−

客席の少女が呟いた。静かな会場全体に広がるには充分な大きさの声で。
その言葉は子供達に浸透し、誰もが抱いた心の引っかかりを納得させた。
会場を包む静寂。

「あっ!ウルトラマンが泣いてる!!」

静寂を破る一人の子供の叫び声。一斉にステージ上に視線が注がれる。
そこには確かに両膝をつき、目から滴をこぼすウルトラマンの姿があった。
自分を守るためには、他者には排他的にならざるを得ない。
いかに平和の為であっても、命あるものに手をかける。
ウルトラマンの苦悩と痛みが生んだ奇跡。
懺悔のようなその姿に、会場は、子供はおろか、大人でさえも
涙するのであった。

ステージの幕は降りた。観客に静かな感動を残して。



幕の内側では。
「お前、頑張り過ぎなんだよ。こんなクソ暑いってのに」
「だいじょぶかーー、生きてるか?そっと脱がせ、そっと」
「うわわわわ!こいつ中で吐いてる!!きったねーーーーー!!」
「うええぇ、目穴から出てるよ・・・ゲロ。」




[226] 恋のエチケット 梅千代 2001/03/20(Tue) 23:26 [URL]
「ジェーン、もう泣くのはやめて、笑ってごらん。
ほら、また涙が。仕方がないなぁ」

「アンソニー、…ストローはやめて」






[225] あいうえお作文 詰めにくい 2001/03/20(Tue) 23:21 [URL]
な 中島
み みゆきばっかり聴いてちゃ
だ 駄目!





[224] 季節はずれの台風 2001/03/20(Tue) 23:15
 日本の南海上を北上中の季節はずれの台風3号が、上陸する公算が強まった。このまま上陸しスギ花粉を巻き上げた場合、台風が花粉症を発症する可能性が高い。
 発症すれば一般の台風以上の突風、さらに目の付近で局地的な豪雨に見舞われる恐れがあり、気象庁では「目が崩れ始めたら要注意」と警戒を強めている。
 人間の場合と同じく根本的な治療法はないため、症状が悪化しても上空から対症薬を散布するくらいしかできないとのことだが、その効果についても「二階から目薬。」と悲観的。



[223] この間に 2001/03/20(Tue) 23:14
「この間に、一人ホームイン。 二人目ホームイン。 そして三人目も還ってきたぞ!


 走者一掃、右中間を破る大きな催涙弾です!」



[222] 涙と生きる みりん 2001/03/20(Tue) 23:07
 涙を流す基準、そんなものを作った人がいるという話を聞いた時は、信じられず
ちょっと笑ってしまった。半信半疑で私はその青年に会った。

「もともと、すごく涙もろかったんです」

 照れくさそうに笑うその青年は、とてもそんな変わった事をするような人間には
見えない。

「人の話に感情移入しやすいって言うか、些細な事でもすぐ泣いてしまうんですよ。
でも、ある人に言われたんです。あなたはどんな人のためにでもどんな時でも涙を
流すけど、どうやって泣くか泣かないかが決まるのかって。それで考えてしまった
んです。このくらい悲しい事なら泣くとか、これぐらいの悲しさじゃ泣かないとか
いうのを、はっきりさせないといけないって。それで、これくらいの事ならちょっ
と涙ぐむ程度とか、これぐらいだと号泣とか考えていったんです」

 しかし、泣く基準と言っても簡単に決められるものでないだろう。

「ええ、それでまたむずかしい問題が出てきたんです。えーと、これもある人に言
われた事なんですが、身近な人間に起った事と遠くの他人の事とを、同じ基準で泣
くのはおかしいのではないかと。確かに、家族や友人の事と、全く知らない人の事
と同じと言うのはおかしいですからね。それで、出来事の度合いと共に関係性の度
合いについても、考えて涙を流さなくてはならなくなったんです」

 凄まじい話である。常に誰かの身に起った事に対し、その人は自分にとってどの
ような関係にある人か、どのくらい泣くような出来事かを瞬時に判断している事に
なる。一体どのような基準になっているのだろうか。

「それはよく聞かれるんですが、残念ながらお教えする訳にはいかないんです。お
分かりとは思いますが、とてもプライベートな事にもかかわってきますから。自分
もやってみたいと言う人も何人かいましたが、こんなことしない方がいいよと言っ
ています。ほんとに大変ですから。自分の事では泣いたりしないんですけど、人が
こんな苦労をするのかと想像するとちょっと…」

 と言うと彼は目を閉じた。本当に繊細で優しい心の持ち主なのである。

 最後にどうしても聞きたかった事を聞く事にした。
 なぜそこまでしなくてはならないのか。

「自分でも何度もそう思いましたよ。でも一度気になりだした事はどうしても気に
なってしまうし、もっと簡単にしようとも考えたんですが、そこで割り切る事がで
きるようなら、初めからこんな事はしていませんから。でもいろいろと悲しい事件
とかが起きるでしょ。その度に基準を調整してきたんですが、最近思うんですよ、
ただ泣いてるだけでいいのかなって……」

 そう言うと彼はうつむいて黙ってしまった。
 泣いているかと聞くと、急に顔をあげ晴れやかな顔で、

「いえ。僕にはこれしかありませんから、とことん突き詰めてみようと思います」

 と言って笑った。

 1時間足らずの会談であったが、涙についてこんなにも真剣に考えている彼の姿
を見て、大人になってからほとんど泣く事のない自分自身について考えさせられた。

 このインタビューの後、喫茶店から出ると、ちょうど私の車がレッカー移動され
ていくところであった。呆然と立ち尽くす私を見つめる彼の目には、うっすらと涙
が滲んでいるように見えた。



[221] 60数億分の1 てんぽん 2001/03/20(Tue) 22:32
涙にはよく「心の汗」と言う比喩が使われるが、実際、眼球に汗腺を持っているのは、西川きよしさんだけである。




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