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[70] ハードボイルドな夜 コバ 2005/06/08(Wed) 23:36 [URL]
ホテル。
男は横に寝ている女の頭骨の具合で、腕枕をしている右腕の血が止まっていることに気づくが、あえて口には出さないハードボイルドだ。

「しりとりをしようか。」
まとわりつく紫煙を優しくふきけすように、男は問いかける。
「しりとり?」
女はねむたげに答える。
「しりとりさ。知らないかい?」
「いいわよ。じゃああなたから。」

男「右腕」
女「電池」
男「血の流れ」

女は豹を思わせる冷たい目で、訝しげに男を見つめる。
「文章あり?」
「すまないな。」男は空虚な笑みを顔にうかべて続ける。
「仕切りなおしと行こうか。」

男「止血」
女「罪」
男「右腕」

「ちょっと待って」女はあきれたような顔をする。
「それさっき言わなかった?」
怒った顔もたまらなく魅力的だ、と男は思いながら言い放つ。
「いいんだよ。」そう、何も問題はないのだ。
「仕切りなおしたからいいんだよ。“で”からだ。」

女「泥土」
男「動脈」
女「管(くだ)」
男「大動脈」
女「くじ」
男「静脈」

「細かいことを言うようだけど」
女は男の胸毛に作った幾十もの毛玉をむしりながら、男に告げた。
「拗音はイレギュラーよ。」
女は拗ねた表情を作ってみせる。
男はわざと真剣な顔をしてみせてから、言う。
「見解の相違だな。しかし。」ゆっくりと男は左手をのばし、女の髪をなでる。
「しりとりは不毛だったな。もうよそうか。」
女は微笑んだ。

「そうね。」
そう言って女が寝返りをうったとき、男はごきっという鈍い音とともに右腕の血流が完全に止まったことを知った。

苦笑しながら男は思う。恋はまるで血管のようだ。
血が止まれば紫色になって、激痛とともに朝目覚める事になる。
マッサージを施しながら疼痛をおさえてみせると女はこう言うはずだ。
「ごめん」と。
ちょうど、すべてのロマンスがそうであるように。
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[69] 赤子 玄界灘男 2005/06/08(Wed) 22:50

ぼうっとした状態から少しずつ意識が戻って来た。薄い灰色の天井が見える。俺は目覚
めたらしい。
俺と天井との間にはセルロイドでできたオブジェが所載なげにぶら下がっている。時折
気が向いたように回転するオブジェは俺の意識を奪うのではあるが、それは単に俺の動
体視力が完全ではないからだろう。
母親の胎内で循環器音を認識したのはいつだったろうか?耳を聾さんばかりの心拍音と
呼吸音、そして血流の流れ、そんなものの中で俺の自我が目覚めはじめた。やがて外部
の音が聞こえるまでに耳の能力が高まると、この世のしくみというものが俺にも判りは
じめた。
どうやら俺の生物学上の父母は俺がはじめての子供だったようだ。しかし、この女の子
宮には卵子の着床した跡があった。それが俺の父との間での事だったのかどうかは俺に
は判らなかったが、まあ、それは俺には関わりのない話だ。その兄だか姉だかに比べれ
ば俺は運がよかったのかも知れない。
たまに訪れてくる年輩の男女が二組あった。どうやら俺の祖父母にあたる連中らしく、
やたらに俺の誕生を待ちわびているらしいことが話の端々から判った。あまり期待され
ても困りものだが、いつまでも母親の胎内にくすぶっている訳にもいかないとなれば、
いやでも世間に出て行かざるを得ない。まあ早くて数年の内には祖父母も失望とやらを
味わうことになるだろう。凡百な孫が凡百な子供に育つ、それだけの事なのだから。
父親の顔はまだ見ていない。はっきりと見えない上に、別段男親からは栄養を貰う訳で
もなく、何の恩恵も受けないのだからぼちぼち覚えて行けばいいだろう。聞こえて来た
会話から言えば、大して知性の高い父ではなさそうだ。お前の遺伝子を受け継いでいる
のだから余り過度な期待はしないで欲しいと思う。
俺も産まれる前は裕福な家庭を目指してはいたが、どうやらこの服といい、家の構えと
いい、それほどの事は無さそうだ。中流家庭、そうまあ満足するしかない中流家庭だろ
う。ふふふふふ。ひとにぎりの幸福な層からはこぼれ落ちたようだ。ははははは。
自嘲気味の笑いもこいつらには「天使の声」に聞こえるのだろう。まあ、精々俺が無垢
な天使に見える内に自己満足の世界で溺愛しておくことだ。子供が神から与えられた天
使から、単なる小型の生物に変わるまでの短い時間、このはっきりした思考が失われ、
何もできなくなる無力な存在に成り下がるまで、そう長いことではないのだから。

また睡魔が襲ってきた、次に起きる時にはまた何分の一か無為な愚鈍な存在に近くなっ
ているのだろう。とにかく俺は眠る。俺には無窮の眠りが必要なんだ。
眠りが必要なん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





[68] ニュアンス コバ 2005/06/08(Wed) 22:28 [URL]
仮面の忍者で知られる赤影は英語ではRed Shadowという。
日本語で「赤い影」という意味である。



[67] 独立宣言 生産部 2005/06/08(Wed) 22:01
ウラジオストク港に係留されていた原潜『赤い10月』号が突如、独立を宣言、旧体制の復活を目指すことを明らかにした。

同時に「本艦に搭載の弾頭は通常のものに非ず」とのメッセージを発信、当局との交渉を要求している。

これに対し当局側は「今回の事件は、給料支払いの遅延に端を発する単なる反乱事件にすぎない。また現在の財政赤字を考慮した場合、話し合う余地は無い」とのコメントを発表、原潜側の要求を一切、黙殺する構え。

【写真】
独立宣言後も依然として係留されたままの『赤い10月』号。
艦体が赤いのはサビのためと思われる。



[66] 夢の中まできょういくてれび 藤山高志 2005/06/08(Wed) 21:44
松平「夢の中までこんばんわ。NHKきょういく
『泣き叫べ!赤子!』のお時間です」

アナ「夢の中までって何ですかっ!?あっ、アシスタントの
南条なつみです。で、こちらが番組マスコット?の受信料おじさん?です」

おじさん「はっらっえっ!払っえっ!さっさとはっらえええええっ!!」

なつみ「なぜ、この人は泣きながら布団叩いてるんですか?」

松平「流行だから?あと、泣いてるのは自分の境遇にじゃないですかね?」

なつみ「この番組は、全国ネット、
日本のあかちゃんの無意識にNHKが電波をとばすことでお送りいたします……
って、えええええーっ!!!?」

松平「何おどろいてるんですか。NHKといえば電波。電波といえばNHK。
日本最強の電波団体でしょうが!」

なつみ「そこはかとなく間違ってないのがイヤです……」

おじさん「ハイルッ!NHK!ジーク!クローズアップ現代!!!」

なつみ「うちってどんな会社なんですかっ!?」

松平「え?国家への献身と
局への絶対的な忠誠を誇る世界最強の放送軍団じゃなかったっけ?」

なつみ「絶対ちがううぅーーっ!」

おじさん「ジーク!ひとりでできるもんっ!!!」

なつみ「それは別の意味であぶない人ですっ!?」

松平「話を赤ん坊にもどしましょうか。『赤ん坊は泣くのが仕事』と言われますが
皆さん、ちゃんと給料は受け取っていらっしゃるでしょうか?」

なつみ「給料!?」

松平「あったりまえでしょう。仕事である以上給与をもらうのは労働者の当然の
権利ですよ。
労働基準法にも、
『第24条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない』
『賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。』
とありますから。あと、労働時間については
『第32条 親は、赤ん坊に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、泣かせてはならない』
『親は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて泣かせてはならない』
などがありますね」

なつみ「一日8時間泣かす親って法律以前の問題のような気が……」

松平「あと、
『第35条 使用者は、労働者に対して、
毎週少くとも1回の休日を与えなければならない』

とあります。休日に赤ん坊を泣かせると法律違反になりますので
親御さんはクロロホルムなどを使ってお子さんに安らかな休日を与えましょう」

なつみ「死にますって!!」

松平「あと労働組合とかあるんですけど、ま、その辺はまた今度にして……
プロである以上は本気汁出して泣かねばなりません。嘘泣きなんてもっての他です」

なつみ「アカンボウウソツカナイ」

松平「赤ちゃんが泣くのは、おなかがすいたときだけではありません。
眠い、寒い、暑い、おむつが濡れた、ウンチが出た。感電した。
麻痺した。毒食らった。石化した。
蛙になった。豚になった。おばあさんになった。おいおい!城動いてるよ!
お母さんがいなくて寂しい。悲しい。辛い。帰って来いヨシコ!俺が悪かった!
抱っこしてほしい。遊んで欲しい。妹が12人欲しい。もっと美人のお母さん欲しい。
課長ウザイ。先生キモイ。隣の美代ちゃん(0歳)が最近冷たい。
お母さんがいない。お母さんがいる。お父さんじゃない男のひとと裸でいる。
ぼくのおっぱいをお父さんが吸ってる。お父さんじゃないおとこのひとも吸ってる。
犬のジョン腰のグラインド超犯罪的。

とまぁ、様々な理由で赤ちゃんは泣くわけです」

なつみ「最後のはお父さんも泣けますね……」

おじさん「キミコオオオオオオオオオオォォォッッ!!!!」

なつみ「アンタが旦那かいっ!!」

松平「ジョオオンッ!アタシというものがありながらっ!!」

なつみ「種を超えた愛っ!?」

松平「なんの。時代はボーダレスですから。無問題ですよ」
まず、レッスン1『おなかがすいた時の泣き方』です。
テキスト12ページです」


「ほんぎゃあ、ほんぎゃあっ」


なつみ「普通……ですね」
松平「これを赤ん坊の言葉に訳すと」


「売女メシ持ってこいやああぁぁっ!!!!」

なつみ「何様だああああああああああっ!!!!!」
松平「赤ん坊様です。赤ちゃんはその家の王様なのですよ」

「いいからさっさとこっちに来て乳ほおりださねえかっこの非処女野朗っ!!
それともアレか?この幼くていたいけな俺様ほっておいて
幼児虐待か?テメ生後三ヶ月だと思ってなめてんじゃねえぞ!ゴラァッ!!
このクズがっ!!カスがっ!!ホモサピエンスの成れの果てがっ!!」

なつみ「出生率が下がり続ける理由がなんとなくわかった気がします……」
松平「大丈夫。たとえ日本が滅んでもNHK(日本ホモ行為顕彰会)は生き残りますとも」
なつみ「だからどんな会社なんですかっ!?ウチはっ!?」
松平「攻めのNHK総合。受けのNHKきょういくを軸に日本古来の国家衆道を
広めんとする夢溢れる謎団体じゃなかったかな、と?」
なつみ「ありえないですからっ!?」
松平「だが、総合ときょういくだけではないっ!放送されてないだけで
NHKにはさまざまな局があるのだっ!」

NHK特務
NHK暗殺
NHK贈賄
NHK密輸
NHK人身御供
NHK臓器
NHK売買
NHKシャア専用
NHK釈明
NHK政治家への御機嫌伺
NHK男色

なつみ「……次いきましょうか(辞表書き書き)」
松平(山下松平アナ)「どんどんいきましょうか。筆者も身の危険も感じ始めたようですから」

レッスン2 おむつが汚れたとき

オムツカブレキタ━(゚∀゚)━ッ!!
ウンコキタ━(゚∀゚)━ッ!!
シッコキタ━(゚∀゚)━ッ!!
ウンコキタ━(゚∀゚)━ッ!!
シッコキタ━(゚∀゚)━ッ!!
(以下繰り返し)

レッスン3 感電したとき

「ぴ〜か〜ちゅ〜っ!!」

レッスン4 抱っこして欲しいとき

「……アタシ、今日帰りたくないの……」


レッスン5 ぼくのおっぱいをお父さんが吸ってる時

そんな事より大人よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。
このあいだ、近所の母親行ったんです。母親。
そしたらなんかオヤジがめちゃくちゃいっぱいで座れないんです。
で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、150パーセント増量、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、150パーセント増量如きで普段来てない母親に来てんじゃねーよ、ボケが。
150パーセント増量だよ、150パーセント増量。
なんか親子連れ(パパ&パパの息子ブーラブラ)とかもいるし。一家2人で母親か。おめでてーな。
よーしパパ特盛頼んじゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、オムツ投げつけてやるからその席空けろと。
母親ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
Wの字テーブルの向かいに抱かれた女にいつ育児ノイローゼーが始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。男大人は、すっこんでろ。
で、やっと抱かれたと思ったら、オヤジの奴が、大盛つゆだくで、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、つゆだくなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、つゆだくで、だ。
お前は本当につゆだくを吸いたいのかと問いたい。問い詰めたい。
小1時間問い詰めたい。
お前、つゆだくって言いたいだけちゃうんかと。
母親通の俺から言わせてもらえば今、母親通の間での最新流行はやっぱり、
たんだく、これだね。
大盛りたんだくギョク。これが通の頼み方。
たんだくってのはたんぱく質が多めに入ってる。そん代わり脂肪分が少なめ。これ。
で、それに大盛りギョク(乳首)。これ最強。
しかしこれを頼むと次から母親にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前ら大人は、ミルキーでもしゃぶってなさいってこった。


なつみ「出生率低下の理由なんとなく分かる気がします……」
松平「それは困る。彼らには立派な受信料奴隷になってもらわないと
そのためのこの番組なのだから」
なつみ「刷り込み狙いっ!?」

バンッ!!(ドアが乱暴に開け放たれる音)

NHK特務「ここかっ!? アイツらの残党がいるところはっ!?」


松平「では、次回『覚醒せよ!海老沢会長陛下の赤子として!』でお会いしましょう!
みなさん、さようなら!さようなら!さようなら!」
おじさん「総員突撃ッ!!!スタジオパークで会おう!!
会長陛下バンザアアアアアアアアァァァイイッッ!!!」     
なつみ「アタシ関係ないのにーっ!!!」




[65] 五十音 (西原朱夏・詩) たきおん 2005/06/08(Wed) 21:19
あめんぼ赤いな、ア、イ、ウ、エ、オ
浮藻に小海老もおよいでる。

柿の実赤いな、カ、キ、ク、ケ、コ
きつつきコツコツ、からすうり。

サルビア赤いな、サ、シ、ス、セ、ソ
赤魚浅瀬で刺しました。

タバスコ赤いな、タ、チ、ツ、テ、ト
トテトテタッタと唐辛子。

生肉赤いな、ナ、ニ、ヌ、ネ、ノ
生血でぬめって、なにねばる。

はぜの葉赤いな、ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ
緋色のお部屋にゃ笛を吹く。

マゼンタ赤いな、マ、ミ、ム、メ、モ
梅干落ちても見もしまい。

ヤドカリ赤いな、ヤ、イ、ユ、エ、ヨ
山田に火がつく宵の家。

らんちゅう赤いな、ラ、リ、ル、レ、ロ
蓮華が咲いたら赤い鳥。

わいわい、わっしょい。ワ、ヰ、ウ、ヱ、ヲ
綿飴、メーデー、天安門。




[64] ぼくらの仲間 週刊魚魚 2005/06/08(Wed) 21:19 [URL]
ここは大江戸八百八町。静まり返った夜の闇。
御三家尾張のお屋敷に、なにやら怪しい物影が。
現れたるは般若の面。鬼の顔した鬼面党。

鬼忍者「ふふふふ、姫君はいただいたぞ!」

築地の上には鬼忍者、小脇に抱えたその方は、
花のかんばせ姫君よ。おのれ何たる憎い奴。

さりとてながらこの世には、悪の栄えたためしなし。
悪あるところにあらわれる、正義の少年鈴之助。

鈴之助「待てっ!鬼面党!お前達の思うようにはさせないぞ!」
鬼忍者「現れたな鈴之助!生きて帰れると思うなよ!」

奇怪千万鬼忍者、口から放つ火炎弾。
びょうびょう飛び交う火の弾を、ひらりひらりと鈴之助。

鬼忍者「ぐぬぬ、なかなかやるな!」
鈴之助「今度はこっちの番だ!くらえ!真空腹斬り!」

やっと出ました十八番、少年剣士鈴之助、
月にかざせし両の手を、ぶんと振るさまご覧じろ。

鬼忍者「うわああああっ!」

摩訶不思議かな鈴之助、刀使わず空の手で、
腹かっさばいて見せるとは、日の本一の快男児。
真白き腹に十文字、赤くにじんだ丑の刻。

鈴之助「どうだ鬼面党!恐れ入ったか!」
鬼忍者「うわあ気持ち悪い!や、やめるんだっ!」

とどめる暇などあろうかと、続々飛び出す鈴之助。
モツモツハラミリブロース、レバー上ミノ赤センマイ。
タチギモテッチャンガツカルビ、コブクロスナギモハツホウデン。

鬼忍者「な、なんて教育に悪いんだ!ひとまず退散だっ!」
鈴之助「逃がすかっ!」

飛び去り逃げるか鬼忍者、されどもわれらの鈴之助、
すばやく投げし骨付きの、カルビ投げつけしとめたり。

姫君「あーれーっ」

なんとしたことその拍子、築地の上から姫君が、
崩れ落ちたり真逆様、急げ救えや鈴之助。

鈴之助「上レバー!」

投げつけたるは上レバー、豊富なるかなグリコーゲン。
代謝機能のその臓器、美事姫君受けとめり。

天晴れ天晴れ鈴之助、今宵も悪に勝ちにけり。
されど相手は鬼面党、またいつの日か現れん。
父の敵の憎い奴、父の形見の赤臓で、
我れ赤臓鈴之助、きっと奴らを滅ぼすぞ。



[63] 防止用 ボブ田 2005/06/08(Wed) 20:24
赤い彗星と呼ばれた貴男へ・・・

【シャア専用】が、ついに登場!!

主な特徴・・・

 ・ 情熱的でスパイシーな赤い色
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 ・ 通常の三倍の厚さ(約0.1mm)


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[62] 彼岸花 ボブ田 2005/06/08(Wed) 19:25
ドライブの途中、彼岸花が咲き乱れる土手で私たちは休憩をとった。
「まっかだなあ」
「きれいね。たくさん咲いている」
風も無いのに彼岸花たちは恥ずかしそうにモジモジと揺れていた。

「彼岸花は死者の血を吸い上げるからこんなに赤いんだって」
「いやだ気持ち悪い」
「怖いよな」
「だって、この下に死体が埋まってるってことでしょ?」
彼岸花たちはリンリンと鳴り出しそうなほど揺れていた。
まるで喜んでいるみたいだ。

「ま、でもありえないよ。死んだ人の血がこんなに赤いのは
 一酸化炭素中毒で死んだ時くらいじゃない」
「そうなんだ」
「一酸化炭素ヘモグロビンは真っ赤になるよ。あと、青酸中毒で
 死んだ場合もシアンメトヘモグロビンが生じるから赤くなる」
「普通だと、こんなに赤くないんだ?」
「普通なら紫色だね。体内に残った酸素が細胞に消費されて
 ヘモグロビンは二酸化炭素と結びつくでしょ?そうすると
 死んだ人の血は暗い紫色になるの」
「へえー」
「さらに時間が経つと硫化水素ガスが発生して硫化ヘモグロビンが
 増えるから、緑っぽい色が加わって、なんていうか」
「土気色?」
「そう、そういう色だよね」
「へえー・・ってか気持ち悪いよう」
「気持ち悪いなあ。こんな話やめ、やめ」

会話がとぎれ辺りは静まり返った。
彼岸花たちは身じろぎひとつせず静かに色を失っていた。



一年後ふたたびドライブへ出かけると、あの時の土手の彼岸花が、
どうした訳か土気色の花を咲かせていたのだった。



[61] その由来 ナマクラ 2005/06/08(Wed) 18:49
昨今、物の由来や故事来歴を豆知識風に披露するのが流行しているようだが、
表向き伝えられていることが必ずしも真実とは限らないことには気をつけて
おきたい。

かつてサントリーの看板商品だった"赤玉ポートワイン"などもその一例である。

現在では、ラベルに描かれた赤い玉は太陽すなわち日の丸をイメージしており、
日本の洋酒メーカーであることをアピールしているとされているが、これは
70年代に同社がイメージ戦略を重視するようになってから作られた話である。
実際には、創業者の先祖である豪商の鳥居屋総右衛門が、新町遊郭の遊女を
総揚げして豪遊した挙句に腎虚で急死したという逸話にちなんだものであり、
鳥居家の家訓である「どうせやるならとことんやったらんかい!」を現して
いるというのが真相である。



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