投稿時間:1999/11/27(Sat) 02:41
投稿者名:やゆよ
Eメール:TTA00120@nifty.com
タイトル: 衝撃「手かざしエネルギー研究会」の実態
野田健介氏が代表を務める「手かざしエネルギー研究会」に注目
が集まっている。野田氏が主張するように、「手かざしエネルギー
研究会」は、科学では説明のつかない力で治療を行っているのか。
それとも、週刊誌やテレビのワイドショーが伝えているような反社
会的な集団なのか。元会員3人に活動の実態を聞いた。
インタビュアー 島木健吾(本紙社会部長)
元会員 Aさん(会社員 45歳)
Bさん(看護婦 28歳)
Cさん(主婦 24歳)
――みなさんは、それぞれどんな病気だったのですか。
A:10年ほど前からひどい腰痛に悩まされていました。入会する1
年ほど前から立てなくなり、休みがちになりました。ちょうど
会社の経営が苦しかったもので、暗に上司から退社を求められ
たりして、せっぱ詰まった状態でした。
B:5年前、自動車運転中に後ろから追突され、4カ月入院しまし
た。それから毎日、ひどい頭痛が続きました。薬を飲んだり、
整体に通ったり、いろんな方法を試しましたが、まったく良く
なりませんでした。入会する直前は、真剣に自殺を考えていま
した。
C:私は、病気じゃないんですけど。おなかの子どもが逆子だった
んです。お医者様はだいじょうぶだって言ってくれたんですけ
ど、主人の母が危ないって何度も言うので、私も心配になって
……。
――一部の週刊誌の報道によれば、多額の寄進をした人がいたとか。
A:野田のような人間ですから、それはあったと思います。
B:私もそう思います。
C:許せない話です。
――みなさんは、寄進はしていないんですね。
A:ええ、私には会の正体がわかりましたから。とてもお金を出す
気になりません。
B:私もしていません。でも、会に残っていたら、どうなっていた
かわかりません。
C:野田みないたケダモノにお金をだまし取られなかったのは、不
幸中の幸いでした。たくさんの人が騙されたという話は、私も
読みました。とても気の毒です。
――実際の「治療」の様子はどうなんですか。
A:私の場合、野田に症状について簡単な質問をされて、治療室の
中央にあるベッドでうつぶせになるよう命じられました。その
通りにすると、すぐに患部のあたりで猛烈なエネルギーを感じ
たんです。何年も続いていた痛みが徐々に消えていくのがわか
りました。
B:私は治療室の椅子に座り、目を閉じるように言われました。す
ぐに、あたたかいというか、充実しているというか、言葉にす
るのは難しいのですが、とにかく痛みが少しずつ和らいでいく
のがわかりました。
C:私も目をつぶっていたのですが、子宮のなかで赤ちゃんがゆっ
くりと回転するのを感じました。その前にも、赤ちゃんが中で
蹴ったりするのはわかったのですが、あの時はもっとはっきり
していて、赤ちゃんの手や足、頭のかたちがわかるような気が
しました。
――ということは、詐欺まがいの商法という、週刊誌の報道は当た
っていませんね。
A:決して外れているとは限りません。たまたま私は腰痛がなおる
時期だったのかもしれない。それを何らかの方法で知った野田
が、私の家に配達された朝刊に会のチラシを入れたんだと思い
ます。
B:本当は何の効果もない治療でも、患者の思いこみのために治っ
たような気がすることは、そう珍しくないそうですよ。
C:百歩譲って、仮にほんの少しの効果があったとしても、そのた
めならどんなことでもしていいというわけではないと思うんで
す。
――でも、みなさん、治療を受けたときには、たしかに効果を感じ
たんですよね。今では元に戻ってしまったんですか?
A:そのときは効果を感じたような感じがしたんです。いまも頭が
痛くないような感じがするんです。でもきっと、いつか痛くな
るんですよ。
B:一種の催眠術が、いまでも続いているんだと思います。ワラに
でもすがりたい気持ちだったので、心のはたらきがどうかして
しまったのかもしれません。
C:ワイドショーに出ていたお医者さんも、こういう現象は科学的
に説明できないわけではないって言ってました。怖くて行けな
いけど、ほかの病院に行けば、逆子のままだって言われるかも
しれません。
――みなさんが脱会を決意した直接の理由はなんですか。
A:野田が大嘘つきということがわかったからです。「手かざし」
なんてものを真剣に信じていた私が馬鹿に思えてきた。
B:人格を踏みにじるようなことを平気でする男だと、わかったか
らです。
C:お腹の子が生まれて大きくなって、「逆子だったぼくを、どう
やって戻してくれたの」と聞かれたら、顔向けできないじゃな
いですか。
――では「手かざし」というのは、嘘だったんですね。
A:ええ、あんなのは大嘘です。
B:治療を受けているときには目をつぶっているので、わからなか
ったんです。他の会員が治療されている様子を見て、怒りがこ
み上げてきました。
C:私も「信じられない」って感じで、泣き出してしまいました。
すぐに主人が野田に文句を言ったんですけど、開き直るばかり
で……。
――何か、隠し持っている機械を使うんですね。
A:いや、そうじゃないんですよ。
B:機械を隠す場所はありません。
C:「こういう仕掛けがありました」って、もし白状してくれたら、
そのほうがずっとありがたいです。
――野田氏は超能力者だと、みなさんは思いますか?
A:たしかに普通の人間とは、ちょっと違います。背後にある文字
を読んだり、野田が何もないところに座ろうとすると、イスが
近づいてきたり……。でも、私たちは、そんなことどうでもい
いんです。
B:超能力者だって人間でしょ。だったら、超能力者である前に、
ちゃんとした人間であってほしいんですよ。
C:あんな超能力なら、使わないほうが世間のためになります。
――正直申し上げて、みなさんが何に対して不満を抱いているのか
わかりませんが……。
A:「手かざしエネルギー研究会」という看板を掲げた以上は、看
板に忠実であって欲しいということです。違うのが1文字だけ
でも、ペテンはペテンです。
B:たとえ善意からでも、たとえ無料でも、たとえ超能力者でも、
たとえどんな不治の病でも治せるとしても、患者に尻を向けて
ズボンとパンツを下ろすのはやめて欲しいと言いたいんです。
C:「尻かざし」が許される社会に生まれたのだとしたら、私はと
ても悲しいです。
――最後に、野田氏にみなさんから言いたいことはありませんか?
A:「なぜ神様が、私の尻に特別な力を与えてくださったのかわか
らない」と野田が言っているのを聞いたことがあります。わか
らないのならやめて欲しい。でないと、私たち患者が「なぜ私
は尻に治されたのか」と悩むことになるんです。
B:私は自殺しません。その代わりに、尻に与えられた人生と、こ
のあと何十年も向き合って生きていかなければなりません。で
きることなら、その重みをわかってほしい。
C:「手かざし」がダメなら、「足かざし」とか、「肩かざし」と
か、他にいくらでも方法があると思います。できないというの
は怠慢です。私たちが無理を言っているとは思えません。
――どうもありがとうございました。