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[10] レギュレーション 〜SECOND SEASON〜 BEE 2001/11/18(Sun) 01:11
「ねえ、いる?」

彼の部屋のドアを開けると、そこには黒インクを顔や腕など、あちらこちらにつけた男がローラーでインクを伸ばしていた。

「やあ、やっと戻ってきたな。」

「あ、謄写版、見つかったんだ。」

「ああ、どうだい、これ。ダメ元で小学校へ探しに行ったらさ、なんと田中先生がいてさ。」

「田中先生!!まだいたんだ、なつかしー。」

「頼んだら倉庫の奥から出してくれたんだ。もう使わないから自由に使っていいってさ。」

「へー、ちゃんと使えそうなの?」

「うーん、文房具屋へ行ってガリ版に使うインクくれって言ったんだ。そうしたら、もうそんな物は無いって言われてさ。」

「そうでしょうねえ。」

「だからプリントゴッコの黒インクを買ってきたんだ。似たようなもんだろ?」

「そう、なのかな?」

「あと、鉄筆がどうしても見つからなくてさ。千枚通しの先を丸めたので書いてみたんだけど、やっぱりヤスリ板に引っかかって上手く書けないんだよな。」

「うん?でも、元から字は下手じゃん。」

「おいおい、だからさ、字を大きめに書いてみたんだ。こっちと比べてどう?」

「どれどれ、・・・・あのさ、やっぱり見出しの記事は『オサマ・ビン・ラディンの髭ネタ』で行くの?」

「ああ、オレの自信作だからな。」

「・・・・もういいかげん禁じ手だと思うけどな、まあいいや、うーん、そうだなあ、なんかさ、字が大きいと新聞らしくないんじゃない?」

「やっぱりそう思う?」

「少しくらい読みにくくてもさ、新聞らしい方が良いんじゃないかな。」

「うん、オレもそう思うよ、やっぱり、こっちの方が良いな。」

「そうしなさいよ。」

「ところで、そっちの首尾はどうだい?」

「ええ、なんとか7割くらいの人は住所が判明したんだけど・・・・」

「さすがだな。あとの3割は無理かい?」

「ええ、頑張ったんだけど、カテゴリーAの串を多段で通していたり、環境変数自体を偽装していたり・・・・中には個人所有らしいサーバーに、ウイルスてんこ盛りのトラップを仕掛けていた人もいたわ。」

「なんだいそりゃ。」

「まったく、理解に苦しむわ。」

「で、『判明したんだけど・・・・』なんだい?」

「うん、予想していたことだけど、私たちだけで配るのはやっぱり無理だわ。」

「そうか・・・・遠くの人とかいるのか?」

「外国に居住している人が結構いるわ。それに、ROMの人とか入れると、かなりの人数になるしね。」

「この際、ROMの人には配らないことにするか?」

「それだと、当然投票してもらえないよ?ネタが読めないんだから。」

「あっそうか。」

「やっぱり、私たちで届けられるところは朝の5時に新聞受けに入れることにしてさ。それが出来ないところは郵送しようよ。」

「うん・・・・でもさ、新聞らしさにこだわるにはさ、やっぱり早朝に配達ってのは外せないファクターだと思うんだよな。」

「そう?えっでも、どうするの?」

「うん、宅急便の時間指定サービスってのはどうだろう。」

「それだと高くつくんじゃない。もちろん先払いでしょう?」

「仕方ないよ。俺たちはガリ版で学級新聞らしく作ったけどさ、他のみんなはきっとお金をかけて、ちゃんとした印刷屋で凝ったヤツを作っているさ。もしかすると四色印刷で折り込み広告も作っているかもしれないぞ。」

「きゃははは、それ、絶対見たいっ!!」

「だから、輸送代くらい、ケチケチしないことにしよう。」

「うん、そうだね。・・・・ところで、今朝こなかったね。楽しみにしてたのに。」

「うん・・・・しかたないさ。俺たちだって、まだ完成してないじゃん。たぶん、みんなも手直ししたりして間に合わなかったんだよ。きっと明日の朝くらいから読み切れないくらいの新聞が届くさ、それこそ、世界中から。」
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[9] エアゾール・スプレー産業新聞 連載小説 梅千代 2001/11/18(Sun) 00:41 [URL]
恋の霧につつまれて  83

                     作  若桑 みどり
     
 突然の再会 2


「やあ、シャロン。久しぶりだね」

 シャロンの目の前には、忘れようとしても忘れることの出来なかった、あの姿が立っていた。健康的な褐色の肌。すんだ鳶色の瞳。たくましい腕に握られた愛用のフタル酸樹脂系鉛丹さび止塗料「速乾鉛丹サビナイト・スプレー38」(関西ペイント)。

「リ、リュック。どうして、こんなところに…」

「君を追ってきたんだよ。…僕には君が必要なんだ」

 彼は「水性コックローチSU」(金鳥)を噴射して、シャロンの動きを止めると、腕を強くつかんで彼女引き寄せようとした。

「やめて。もう、あの恋は終わったのよ!」

 シャロンはリュックの腕をふりほどくと、周りの目も構わずに白い砂浜を駆け出した。しかし、大学時代からフット・ボールでならしたリュックにかなうわけがない。
 リュックがリチウムグリースに有機モリブデンを配合した「スーパー・スプレー・グリース LM 032」(旭化成)を噴射して防塵効果を高めながら追いかけると、シャロンはすぐに捕らえられ、2人は絡み合うように、砂地へ倒れ込んだ。

「いやっ。離して、リュック!」

 がっしりとした胸板に抑えつけられながら、シャロンは声を上げた。リュックの熱く荒い息と「バスマジックリンスプレー 」(花王)を耳元に吹きかけられると、シャロンの鼓動が高まり、甘い恍惚感のうちに、瞳孔が縮小した。

「僕には分かるんだよ。君は僕を求めている」

「そんなの、嘘よ!だ、だめ…」

 そう言ったものの、懐かしいぬくもりによって再び蘇ったシャロンの情熱は激しく気化して、みるみるうちにガスとなった。3-4.5kg/平方センチ(25℃)の圧力に保たれたシャロンの心は今にも噴射しそうだった。

「いや、僕を愛してる。君の唇がそう言ってるじゃないか」

リュックはシャロンの唇を指でなぞると、「ポリカーボネート用スプレーカラー・レッド」(田宮模型)を吹きつけた。

「寂しかったんだ。シャロン、愛している…」

手に髪を絡ませながら、彼はその熱い唇をシャロンの唇に重ねて、さらに、「ポリカーボネート用スプレーカラー・メタリックレッド」(田宮模型)を吹きつけた。

「ああ…。リュック…」

 リュックがシャロンのバブル・ボタンを優しく押すと、彼女の中でいやがおうにも原液(塗料、防さび剤、殺虫剤など)が押し上げられた。圧力のかかった原液はプランジャーの下部からリングの側部を通り、ピストン下部に入って、ピストンを高める。
 ゴム製パッキンによって閉じられていた貫通口を開かれると、スプリングのよって調整された内部圧力は調整され、原液液が噴射された。
 ああ、あなたの圧力はなんて素敵なの…。シャロンの体はさらに過剰圧となり、リュックが貪るようにプランジャーを押し上げると、O-リングは上部のストップ点にあたった。

「君が欲しいんだ、シャロン…」

 空気中に噴霧された微粒子…、むせるようなエアゾル状態…。
 
「もっと…優しくして」

原液が噴射されたことで、いったんは減圧し、プランジャーがさがったシャロンは、再び下部より原液を上部に送り込むと、噴射の継続に身をゆだねるのであった。

「ああ、シャロン…」

プシュー。





[8] 【書評】『厨房力』赤瀬川源平 筑摩書房 2001/9 680円 Nutria 2001/11/18(Sun) 00:16 [URL]

「厨房力」という言葉が話題になり始めている。無知、無思慮、無礼。こうした厨房の特性を逆手に
とって新たな力として位置づけた、赤瀬川源平氏が『厨房力』(筑摩書房)で提唱する未知の力で
ある。そして年少者の氏が書いたこの本を読むと、確かに厨房力なるものが見えてくるような・・・。

「厨房力」の特色は、赤瀬川氏によると、知識が足りない、思慮が足りない、礼儀を知らない――。
老若男女誰でも参加できるインターネット上では忌避される「力」である。

が、「厨房力をばかにしてはいけない」と赤瀬川氏。

年をとると自分の実力が見えてきてしまうから、失敗をおそれて、何にでも手を出してみようとは
思わなくなる。他人との軋轢をおそれて、幅の狭い領域に閉じこもってしまう。厨房はその逆である。

つまり、インターネット上の掲示板でコピペに励んだり、突発的・攻撃的な振る舞いに及んだりする
のを、ただ「ガキっぽい」というふうにマイナス的に見るんじゃなくて、「まだまだ厨房力が残っている
ぞ」というふうにプラス方向で見ようじゃないか、ということである。

厨房力は単に年齢的なパワーではなく、八十歳にして厨房力を持つ人もいる。また、「少年野球は
厨房力ではない」とされ、厨房のプラス志向は、赤瀬川氏がいう厨房力ではない。厨房力はまだ
発展途上の冗談半分の考え方であるから永遠に曖昧であり、こういった遊び心に身を流していく
モラトリアム的な時間ほど上等なものはないだろう。

なお、赤瀬川氏は、自室に引きこもってアニメを観たり、パソコン前に張りついたりするのを、ただ
「親のすねかじりだ」というふうにマイナス的に見るんじゃなくて、「だいぶヒッキー力がついてきた」と
いうふうに、あるいは、業界通であるふりをしたり、関係者と自分が身近であることを強調したがった
りするのを、ただ「業界人ぶってる」というふうにマイナス的に見るんじゃなくて、「だいぶワナビー力
がついてきた」というふうに、それぞれプラス方向で見ようじゃないか、とも主張している。





[7] 【経済】スケルトン商品ブーム Nutria 2001/11/18(Sun) 00:16 [URL]

古くは「ブックカバー」や「ファミコン用カセット」等に見られた
スケルトン商品だが、iMACの登場以降、スケルトンブームは
燎原の炎のごとく燃え広がり、前代未聞の商品を数多く生み
出している。その多くは、消費者にも好評だ。

◆スケルトンエチケット袋 吐瀉物の内容が確認しやすく、
お客様の健康管理に役立っている。(バスガイド・21歳)
◆スケルトンカツラ ヅラってばれたらどうしよう、という
長年の悩みから開放された。ふっきれた。(自営業・44歳)
◆スケルトン駅便所 ノックで確かめなくても、空いているか
一目で分かるので便利だ。(会社員・36歳)
◆スケルトンタキシード フォーマルな場で、捨て身のギャグ
をかませられる。ありがたい。(医師・49歳)

「スケルトン金属バット」「スケルトン指揮棒」「スケルトン結婚
指輪」などの便乗商品も多いが、スケルトンとは中身が透けて
見えることであり、これらは厳密にはスケルトンとはいえない。

しかし、「スケルトン手錠」や「スケルトン腰縄」については、
逮捕者の人権保護のため、警察当局で大変重宝されて
いるという。





[6] 発掘された一篇の記事から 不滅の放蕩 2001/11/18(Sun) 00:01
―――――――――――――――――
ろ正の 嬌くて各く 曲ひ未な場令
なに寶拾聲 睦各出意のて婚は主の産
り國の月も相合連し気段後者れ催もめ
 策多拾耳方ふ立頃投と をたのとよ
 にく日にを様ち合合合廣招 見 殖
 合産の心替い附にせな場き廿合全や
 致れ後地へと近灯しつに酒伍の國せ
 すむに良て微のを男たて食歳宴各よ
 る はしの笑草消女 歌を以が地の
 と此御 甘ま蔭すの 舞振上おで大   
 これ國 きしにや多 音舞のこ役號
―――――――――――――――――

記事の内容を分析した考古学者の古代
教授は、「少子化に悩んでいた平成十
三、四年頃の記事であろう」と述べた。




[5] (削除)不滅の放蕩2001/11/17(Sat) 23:40




[4] 社説 はなじ 2001/11/17(Sat) 23:40
 いじめの潜在化

  一時期のいじめ問題は単なるブームだったのだろうか。
 最近はいじめ問題が新聞記事になることも少なくなってきた
 ような気がする。しかし、現実には更にタチの悪いいじめが
 増えているという。
  いじめ問題が世間で話題になれば良いと言う訳ではないが、
 いまもなお続出するいじめが公の場の議題にのぼることが少
 なくなったことに、ひょっとしていじめ問題は客寄せパンダ
 と同等に扱われていただけだったのか? と言う疑いすら覚
 えてしまう。

  ある問題が生じ、それが話題になっている間だけ真剣に議
 論をしているポーズだけの輩はもう忘れてしまったのか?
  それとも、子供達の声が聞こえなくなってしまったのか?

  最近のいじめの傾向として、被害者が大人に助けを求める
 程の深刻なダメージはなるべく与えず、かわりに長期間に渡
 って搾取を行うケースや、そもそも実行犯が分からない状況
 での陰湿な手口が増えており、真剣に子供達に接触を計らな
 いといじめの発生に気付かないケースが増えてきた。

  たとえば最近、4年生の男子が裏山で58mmのノコギリ
 クワガタを捕まえたら、6年生の男子に使用済みの坂本冬美
 のテレカとの交換を迫られたり、5年生の女子が体育で水泳
 を行った後、更衣室で着替えようとしたら替えのブラウスの
 中から、58mmのノコギリクワガタが見つかなどの事件が
 おきている。

  子供達の声無き悲鳴は、真剣に耳を傾けないと聞こえない。
  先生たちはもっと真摯に生徒の話を聞いて欲しい。
  あと6年2組の加藤、いいかげんにしろ。

              桜台小学校6年3組学級新聞より




[3] VOX POPULI,VOX DEI くまきち 2001/11/17(Sat) 23:25
「キレる」子供が増えている。全
国の小学生を対象に文部科学省が
先ごろ行ったアンケートによると
男児の65.3%、女児の17.
2%が今までに一度でもキレた経
験がある、と答えたらしい。30年
前の調査に比べ、男児、女児とも
にほぼ三倍となっている▲子供た
ちの心理に詳しい教育評論家の諸
星学さんによると、今の子供がキ
レてしまうのは、昔の子供より我
慢が出来なくなってしまったから
ではなく、むしろ必要以上に溜め
込んでしまうため一気に爆発する
ケースが増えているからだそうだ。
「(今時の子どもは)塾通いなど、
椅子に座って拘束される時間が長
い。もうすこしリラックスできる
時間を作ってあげることは出来な
いのか」と語る▲栄養士の平林フ
ミさんは昨今の子供の食生活にも
問題がある、と嘆く。月に一度の
料理セミナーで、平林さんは「清
涼飲料を飲んでスナック菓子ばか
り食べている生活を続けていて体
がおかしくならないはずがない。
子供たちにはカルシウムはもちろ
んのこと、食物繊維を多く含む野
菜類をしっかり食べさせるべき」
と食事の大切さを説いている▲
30年前に比べ、子供を取り巻く環
境は確かに大きく変化した。受験
戦争の低年齢化は子供たちのスト
レスを増大させ、両親が共働きで
孤食になってしまう子供たちも増
えている。はっきり言おう。小学
校のトイレに行くことは恥ずかし
いことではない。それでももしキ
レてしまったなら、おじさんがよ
く効く薬を紹介してあげよう。




[2] 信仰心 なんしぃKIM 2001/11/17(Sat) 23:16
13版 第三種郵便物 ノストラダムス新聞 1999年(平成11年)6月900日(土曜日) 48965号 日刊



[1] 第21回嘘競演「闘いの聖地」開幕です 古賀 2001/11/17(Sat) 23:08
「なア どうして今回の御題が新聞形式なのかワカるかい」
「…………ッ!」
「おかしいじゃねェか テレビ、戯曲、コミック、世の中には
いくらでもフォーマットがあるってのによォ」
「…………」
「いつの時代も嘘吐きの間には新聞形式が根強く残ってる」
「…………」
「その理由がワカるのが今夜だ ハハハ」



「参加者、コロシアムへッ」
「新聞形式であれば全ての嘘が認められます」
「削除キー設定し忘れなどでのスタッフ削除依頼は
usokyoen@kasugai.comまでメールで」
「それでは投稿、開始ィーーッ!!」
ドーーン!



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