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| [10] ほほをつたう涙 気楽院 2001/03/09(Fri) 00:05 [URL] |
| 鈴木その子の涙が、日本画界で最高級の白絵の具として珍重されていたことは つとに有名である。 産卵時などに鈴木その子が流す涙は、顔の表面を被う白色の分泌物を取り込む うちに、えも言われぬ白亜の輝きを宿す。万葉の昔より「美白の女王」とうた われてきた所以である。 顔料として鈴木その子の涙が使われ出したのは室町中期と言われるが、需要が 本格的になったのは安土・桃山時代から江戸初期にかけて。鉱物性顔料では出 ない深みと輝きが諸大名や公家の絢爛趣味をくすぐったのである。「白鷺城」 の異名を持つ姫路城の壁にも、その子の涙がふんだんに使用されていた。 だが、その子の涙によって豊かに彩られてきた中世日本文化史が、その子受難 の歴史でもあったことは言うまでもない。 動きが鈍重な上に人を恐がらないその子は、捕獲しようと思えば子供でも容易 に捕まえられた。上述した姫路城の建設でも、およそ65万3000頭の鈴木その子 が捕獲され、目の前で拒食症の長男を餓死させるなどの残酷な方法で涙をしぼ り取られたと伝えられている。余談だが、姫路城の天守閣に現れるという妖怪 「おさかべ姫」も、うち捨てられた大量のその子の無念が凝り固まって生まれ た怨霊と言われている。 こうしてゆるやかに個体数を減らしてきたその子だが、乱獲に拍車がかかった のが明治維新。ニッポンブームに沸く西洋で、浮世絵の塗料などに使用されて いたその子の涙の再評価が始まると、「ソノコホワイト」は絹などと並ぶ貴重 な外貨獲得源として大量に輸出された。これに伴いカスミ網、はえなわ、一斉 検問、毒ガス攻撃などの大量捕獲手段も編み出され、その子は加速度的に絶滅 への道をたどることとなった。1800年頃には全国に数千万単位で生息していた とみられるその子が、1900年までに本州から姿を消し、まもなく九州、四国、 ガダルカナル、島根県でも絶滅が確認された。 戦後、ワシントン条約で輸出が規制され、やっと我が国でもその子保護に向け た運動が始まったが、すでに遅かった。絶えず8000ワット以上の白熱灯を当て 続けなければ死んでしまう鈴木その子は飼育するだけでも困難を極め、人工孵 化や体外受精、米国からマイケル・ジャクソンを借りて交尾させるなどの繁殖 の試みもすべて失敗に終わる。 こうして昨年末、東京都内の保護センターで飼育されていた最後の鈴木その子 が死亡し、「ソノコホワイト」は地上から消え去ったのであった。 元来、鈴木その子は肉が少ないため食用に適さず、狩りの対象となることもな かった。明治初頭までは日本中の山村で、野生の鈴木その子が田んぼのタガメ やドジョウをついばんだり、高級住宅地に純白の御殿を建設する姿が当たり前 のように見られたという。 しかし、また人類のエゴが、宇宙船地球号のかけがえのない仲間を滅びに至ら せてしまったのみならず、貴重な伝統文化をも途絶えさせたのである。 我々は、大事なものをいくつ失えば成長するのだろうか。 鈴木その子の群れが空を真っ白に覆い尽くす光景は、二度と帰って来ない。 |
| [9] 巨力合体ロボ マッハダー７ 玄界灘男 2001/03/08(Thu) 23:55 [URL] |
| 第18回「やぶれブラックコブラ団！新兵器搭載の巻」 〜巨大なロボット同士の一騎討ち、正義のロボがやられている。〜 「ふぁっ、ふぁっ、ふぁっ！お前の力とはそんなものかあ！」 「お、おのれ、ブラックコブラ団のロボットめえ・・・。」 「剣一君、ここは一旦退却するんだ！」 「しっ、しかし博士！」 「いいや、今無理をすればマッハダーも君も無事では済まない。 ここは勇気ある退却をするんだ！これは命令だ！」 「はいっ！博士っ。」 「わあはははははぁ！ついにマッハダー７をやぶったぞお！」 〜超光子力学研究所。マッハダー７の基地〜 「くそおっ！俺はこのままじゃ勝てないっ！」（ドンッ！） 「一回負けたくらいで何よ！剣一君の意気地なしっ！」 「さ、さやかちゃん・・・・。」 「そんな、そんな剣一君なんて大ッ嫌い！」（バタバタバタ） 「そうだ、俺が負けたらこの地球は誰が守るんだ。はっ、博士。」 「うむ、剣一くん。マッハダーには新たな武器を装備した。今度こ そ敵のロボットを倒してくれ。地球の平和を守るんだ！」 「よーし、発進だ！」 〜再び街。敵のロボットがビルを破壊している。〜 「待てぃ！邪悪なロボットを操るブラックコブラ団っ！」 「ふふふ、性懲りも無くやってきたなマッハダー７！今度こそお前 の息の根を止めてやるぞ！」 「何をう！」 「このスーパーミサイルを受けてみろっ！」（ドーン、ドーン） 「うわあああっ！や、やっぱりやられてしまうのか？」 「剣一君、聞こえるか？」 「剣一君、しっかり！」 「は、博士・・・。さやかちゃん・・・。」 「今こそマッハダーの新兵器を使う時だっ！右側の赤いボタンを押 すんだっ！」 「はいっ！こ、これだな。スイッチオオオオン！」 「ふっふっふっ、遂に観念したか、マッハダー７！」 「お父さまっ、マッハダーが動かないわ！攻撃され放題ですわ。」 「さやか、黙ってみていなさい。」 「う、うううぐすっ、うっ、うっ、ううううぐすっ・・・・。」 「何だ？何の音ですか、博士？」 「お父さま、あれは、あの音は何なの？あっ！マッハダーが、マッハ ダーから・・・？！」 「剣一君、さやか、あの音は我慢しても思わず出てしまう声だ。さあ そろそろエネルギー満タンだ！行くのだ、剣一くんっ！」 「わああああああああああああ〜〜〜んんん！」（ブンブンブン） 「つ、強いわ、お父さま、あんなにやられていたマッハダーが凄い反 撃だわ！ものすごいパンチ攻撃だわ！！」 「これがマッハダー７に新搭載の『涙機能』だ！泣くと強くなるの法則を 使った新兵器だ。溜めて溜めて一気に爆発させるパワーは100万パワー だぞ！剣一君、存分にやりたまえ。」 「だからマッハダーの目から涙が流れたのね。やっちゃえ〜剣一く〜ん！」 「はいっ！博士、さやかちゃん。ええい、これでもくらええ！」 「つっ、強い、強すぎる！わああああああ！」（ドッカ〜ン） 「見たかっ！これがマッハダーの新兵器だっ！」 「やったあ！さすが剣一君とマッハダー７ねっ！」 〜エンディングテーマかぶる〜 |
| [8] 春の新番組 きだて たく 2001/03/08(Thu) 23:22 [URL] |
| 春の新番組『涙戦隊ティアレンジャー』 ついに到来した輝ける新世紀。しかし、環境汚染や生態系の異常に 彼らの名は『涙戦隊ティアレンジャー』。地球を、泣き虫の権利
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| [7] 古典推理小説の掟 古賀 浩 2001/03/08(Thu) 22:42 |
| １ 犯人は物語の初期の段階から登場している人物でなければならない。 ２ 探偵は超自然力を用いて謎を解明してはいけない。 ３ 秘密の通路や秘密の部屋を多用してはいけない。 ４ 科学上未解明な毒物や原理の説明が困難な装置を用いてはいけない。 ５ 偶然や直感に頼って事件を解決してはいけない。 ６ 探偵自身が犯人であってはいけない。 ７ 探偵の知った手がかりは読者にも与えなければならない。 ８ 探偵の助手は彼自身の判断を全て読者に知らせなければならない。また 一般的読者よりやや下回る知能の持ち主であることが望ましい。 ９ 双子による二人一役は、予め読者に双子の存在を知らせた上でなくては 用いてはならない。 １０ 探偵の瞳からこぼれ落ちた清らかな思いを込めた汚れのない一粒の涙 の力で死んでいた被害者全員を次々と生き返らせながらエンディング曲とス タッフロールを流し、強引にハッピーエンドにして終らせてはいけない。 ロナルド・ノックスの十戒より |
| [5] 涙の果て しーもす 2001/03/08(Thu) 19:16 [URL] |
| 「…それは残念だな」 報告を受けた工場長は、その一言で重い沈黙を破った。 「品質も高いですし、慰留につとめたのですが、彼女の意思は固く…」 生産管理課長は両袖机の横に立ったまま報告を続けた。 その前日、課長は前沢美貴に退職の相談を受けていた。 「どうしてもかね？」 「すいません。私、もうここで働ける状態じゃないんです」 ------------------------------------------------------------------------ 『２５年前に生き別れた、母に逢いたい』 金沢市に住む桜井茂夫さん(仮名)は昭和４１年、鉱山で働く桜井孝造さんの長男として生まれました。 しかし、茂夫さんが小学校に上がる頃に鉱山は閉山、それを境に茂夫さんの家庭環境は一変してしまいます。 父孝造さんは職を転々とするも長続きせず、やがては酒浸りとなって茂夫さんの母文恵さんや茂夫さんに暴力を振るうようになりました。 「あなたもうお酒は飲まないで」 「うるせえっ！俺に意見する気かっ！」 「お母さん」 「お前はあっちへ行ってろ！」 「やめてっ、やめてぇっ…」 ある日文恵さんは茂夫さんに「今日は一緒に電車に乗ろうねぇ」と言いました。 茂夫さんは、その時のお母さんの穏やかで優しい笑顔を、大好きな電車に乗れる喜びとともに、今でもよく憶えています。 その日から茂夫さんとお母さんとの二人だけの生活が始まりました。 しかし、貧しくても楽しかった日々は長くは続きませんでした。 孝造さんと文恵さんは離婚に合意し、茂夫さんは父孝造さんの両親の元に引き取られることになり、お母さんと離れ離れになってしまいました。 茂夫さんは中学に入ってからは不良仲間と遊び歩き、喧嘩に明け暮れる毎日だったといいます。 そんな茂夫さんを変えたのは、中学を卒業して就職した和菓子屋さんのご主人でした。１６代目を数える老舗のご主人は茂夫さんの境遇を知り、親身になって面倒を見てくれたのです。 「こんな俺に…」茂夫さんはそんなご主人のもとで、職人としての道を歩むことになりました。 茂夫さんが１８歳の時、お店に１本の電話がありました。 「おやじが病院に？」父孝造さんは長年の酒で体を蝕まれ、肝硬変で死の床にあったのです。 「茂夫…俺は、お前に…こんなことを…言う資格などないが…お前は、立派な…人間になれ。…俺は…つまらん…人生だった…」 「おやじっ、おやじっ！」 その後、茂夫さんは数々の賞を受賞するなど和菓子職人としての腕を上げ、ご主人の娘さんと結婚。３人の子宝に恵まれました。 ３児の父となった幸せをかみしめるとき、いつも思い出されるのはお母さん、文恵さんのことです。 「俺のこんな姿を見せることができたら、どんなに喜ぶだろう」 探す手がかりとなるのは、別れるとき手渡されたお守りに入っていた、母と子で撮った写真だけなのです。 − スタジオ − 「茂夫さん、我々は一生懸命お母さんを探しました。そして、お母さん、見つかりましたよ」 「本当ですか！」 「文恵さんは今、宮城県石巻市に住んでおられます。 茂夫さんと別れてからは「迷惑がかかってはいけない」と居場所を伝えずに、内職をしながらひっそりと暮らしておられたんです」 「そうだったんですか…」 「お母さん、初めは「会わせる顔がない」と断っておられました。 でも茂夫さんが会いたがっています、茂夫さんはずっとお母さんを探していたんですよ、と伝えましたらね、今日、スタジオに来てくれることになりました。 文恵さん、どうぞ」 「お母さん！」 「茂夫、ごめんね…ごめんね…許しておくれ」 「産んでくれて、ありがとう…」 ------------------------------------------------------------------------ 「毎日７時間こんなビデオをモニターで見続けていることによるドライアイです。 精神的な感受性も鈍くなってきています」 産業医は前沢美貴の検診結果を工場長に伝えた。 彼女をはじめ、勤める全国選りすぐりの若い女性は約１３０人。離職率の高い労働集約的な職場だ。 それでも目薬「涙漏斗」の一日の生産量は、１００本に満たないという。 |
| [4] 涙二題（議長転載） なんしぃＫＩＭ 2001/03/08(Thu) 09:54 |
| +------------------------------------------------------------+ 奇蹟 『涙を流す』とされるマリア像は、多くの場合義太夫を語るキリスト像と対で作られている。 +------------------------------------------------------------+ 怪獣図鑑より 【大魔神】 虐げられた民の願いを聞き入れ、悪人をこらしめる。どんなことをしても倒せないが村娘・小笹の清純な涙で土に帰った。 【村娘・小笹】 強酸性の体液を持ち、ありとあらゆる物質を土にしてしまう恐ろしい絶対生物。 +------------------------------------------------------------+ |
| [3] 陽水の教え ろく 2001/03/08(Thu) 09:50 |
| 宝石などの装飾品が似合う著名人に贈られる「ベストジュエリスト賞」で、 今月１１日、歌手の中森明菜さん（３５）が今年度の大賞に輝いた。 受賞後のインタビューで、明菜さんは芸能記者に装飾品の好みについて 質問されたが、「自分の信念なので、ティファニーのティアドロップだけは 絶対に身につけない」と答えた。 また、「ティファニーは嫌いなのか？」との質問には、「好きだと何度も言 っている」という意味合いの発言をした。語尾についた「ホッホー」は 意味不明。 |
| [2] アンケート 詰めにくい 2001/03/08(Thu) 06:43 [URL] |
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| [1] 「ダイチャンズ・ティアーズ」が不可能であることが明らかに 壇つな 2001/03/08(Thu) 00:54 [URL] |
| 涙を球状にし両眼からぶら下げ、振り子運動をさせ、アメリカンクラッカーのように二つを 衝突させる現象、いわゆる「大ちゃんの涙(Daichan's tears)」が物理的に不可能であると の見解を米プリンストン大学工学部のウォルター・ギルバード教授の研究チームがまとめ、 ３月１日発行の英科学誌「ネイチャー」に発表する。 ギルバード教授は「従来は、涙を添加物などにより凝固させることで、実現可能と見ら れていたが、今回の研究で、涙のある成分が固体化した涙の反射係数を抑制する効果 があることがわかり、これにより十分な振り子運動は物理的に実現不可能であることが わかった。私自身、この研究結果が残念でならない。我々は夢に敗れたのだ」と話す。 この発表を受け、熱狂的な「大ちゃんの涙」ファンが多く住む、スイス・ティチーノ地方ア ルタンカ市は７日間の喪に服すことを決定した。同市出身の生物化学者N.リンデンマン は「悪夢のような結果だが、厳粛に受け止めなければならない。私自身、大ちゃんの 涙を実現するため、ひとより力持ちになったり、故郷を捨ててきたりしてきた。それらが 全て徒労だったと思うと悲しくて仕方がない。この悲しみの涙が振り子運動をしていれ ばいいのだが。」と悲しみをあらわにした。 |