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「ありとキリギリス 」

イソップ物語が時代を超え、現代人に送るメッセージとは
     夏、たくさんの虫が野原で遊んでいました。蝶々は空を舞い、蝉は木で歌っていました。地面では、たくさんの虫が明るく日の照りつける夏の日々を楽しんでいました。
     こんな虫のそばで、ありは絶えず働いていました。冬使うために蓄える穀物を集めるので、いつも忙しかったのです。
     「なんて愚かな奴だ!」ありの隣りに住んでいたキリギリスが言いました。
    「何を楽しみに生きてるんだろう」キリギリスは、ありを無視して歌い続けていました。

     冬、ありは食べ物がいっぱいの居心地のよい家の中に住んでいました。他の虫は冷たい季節の中へ消えうせてしまいました。
     しかし、ある晴れた日、ありが日なたに穀物を広げていると、飢えでほとんど死にかけたキリギリスが、ありと出会いました。「やあ、食べ物を少しくれないか?」とキリギリスは言いました。「長いこと何も食べてないので、おなかがペコペコなんだよ」
     「夏中、あなたは何をしていたんですか?」と、ありが尋ねました。
     「ああ、私は歌を歌っていたんだが」とキリギリスは、あえぎながら言いました。
     「じゃあ」とありは、言いました。「夏中歌ったんだから、冬も歌ってれば」

    こうしてキリギリスは離婚会見を開くことになったのです。

(2001/3/19)


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