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東京・巣鴨、ここに異色のアマチュア劇団がある。
入団資格は原則８０歳以上、または医師に余命を宣告された者。
「劇団死期」の看板に偽りはない。
浅井恵太代表(１０６)は「ここには最後に一花咲かせたい人間が集まっている」と語る。
劇団員は４２名、なぜか「自然に」この人数に落ち着くのだという。

目下、第２回公演「ライオンキング」の稽古に余念がない。
シンバ役は豊中栄次郎(８７)と西村比呂志(８５)のダブルキャスト、
ヤングシンバは再入院の増田よね(９５)に代わり笹井ふさ(９１)、
王ムファサは先月亡くなった田中源太郎(１０４)に代わり桜田益次(１０２)、
ラフィキが末期ガンで余命３ヶ月の佐藤葉子(５４)と戸田きん(８３)のダブル、
などの配役となっている。

動物に扮するダンサーや舞台制作は、８０代の若手や「アンダーエイジ」と呼ばれる末期患者が中心だ。
第１回公演「キャッツ」を観劇したが、のんびりとした中にも鬼気迫るものがあった。
死に場所を舞台の上と決意している様子がびしびしと伝わり、実際舞台袖で待機の救急隊員によって６人が病院に運ばれ、そのうち２人が帰らぬ人になっている。


第２回公演「ライオンキング」は11月4日(代表「いい死、と覚えてください」)
下北沢ザ・スズナリにて14時より開演。前売￥4,200　当日￥4,900

お問い合せは劇団死期(03-3742-4242)まで。

[WEB嘘競演「死」 (2000/10)]