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「ごめんくださーい」
「は〜い」
「こんにちは。私フジテレビの者ですが、奥さんでいらっしゃいますか？」
「そうです…けど。何のご用ですか？」
「いや今ね、この地区を私、回らさせていただいてるんですがね」
「はあ…」
「今、健康に不安とか、ございますでしょうか」
「いいえ」
「何となく疲れやすいですとか、お子さんがアレルギーですとか」
「さあねぇ…」
「あ、奥さんこの格好！冷え性でしょ。ねぇ」
「ちょっといい加減にして下さいよ、さっきから何ですか」
「ままま、ちょちょちょっとドア閉めないで下さい。別に変な物売り付けよって訳じゃないんですから」

「あなたの健康法は間違っています！」
「まだ何も言ってないじゃないですか」
「本来アルカリ性でなくてはならないのですっ！」
「あのー、何がですか？」
「現代人はストレスが多く生活習慣が乱れがち！」
「まあ、そうですが…」
「次のＶＴＲを見てください」
「主婦２人で実験をしてみました。こちらの奥さんには発掘あるある大辞典を一週間見てもらいます」
「一方こちらは発掘あるある大辞典を一週間見ないで過ごしてもらいます」
「あれって毎週日曜日の放送じゃなかったかしら？」
「実験の前と後で採血して、血液凝集率の違いを見てみます」
「なんと発掘あるある大辞典を一週間見た奥さんは明らかに血がさらさらに」
「そんなんじゃ納得できませんね」
「ところが！発掘あるある大辞典には我々の知らなかった驚くべきパワーが隠されていたのです！」
「あのぉーさっきの実験は…」
「あるある会員アンケート！」
「発掘あるある大辞典を見たことがあるという人。20代会員・全員、30代全員、40代〜60代全員」
「これは驚くべき数字でしょう？」
「当たり前じゃないですか。見なくて会員になる人がいるわけないでしょう」
「待ってくださいよ？逆に言えば？見た人は会員になっている、ということではないですか！凄いっ！」
「…」
「ままま、ちょちょちょっと。もうちょっと話を」
「そろそろ子供を幼稚園に迎えに行く時間なんですけど」
「そんなあなたに発掘あるある大辞典を見やすくする方法があります」
「もういいです」
「ＣＭを飛ばすというのはどうでしょう。生活用品メーカーの一社提供なので効率よく視聴できます」
「あんまり…」
「でもね奥さん、ＣＭ飛ばしをもし放送局がやったらどうなりますか？視聴者だからできるんです」
「でも面倒臭いです」
「そんな奥さんに耳寄りなお話。これは放送150回分75巻セットなんです」
「あなたさっきから何かと思ったら！要りませんよそんなの」
「専用ラック付きですよ。これを買うだけであなたは健康に」
「あなた本当にフジテレビの人？」
「いえあの、契約している者です。パンフレット差し上げますのでよろしければ。ではまた」
ガラガラピシャッ！


「…あーあ。これで何軒目だろ。またパクられても裏ビデオ屋やりてぇ」

[@nifty FCOMEDY嘘競演「民間療法」 (99/11)]